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もふもふ子犬の恩返し・獣人王子は子犬になっても愛しの王女を助けたい  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して


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フェルディナントとアレイダが帰ったので、ゆっくりとパフェを堪能しました

 結局、フェルディナントは何度もころちゃんが満足するまで、自分のフルーツパフェをころちゃんに与える羽目になってしまった。


「ころちゃん。もういい加減に自分の分を食べなさい」

 私がそう注意しても、ころちゃんは聞く耳を持っていなかった。


 そんな時だ。

 ノックの音がして、オーナーが顔を出したのだ。

「どうしたのだ?」

 フェルディナントが眉をひそめた。

「実は大使がいらっしゃってまして」

 オーナーが戸惑って声をかけてきた。

「判った。すぐに行く」

 そう答えるとフェルデイナントは私達を見た。

「申し訳ありませんが、本国から火急の連絡でも来たようです。少し席を外させて頂きますね」

 そう断るとフェルディナントは部屋の外に出て行った。


 部屋の中には私とアレイダが残ってしまった。

 私はさすがにまずいと冷や汗が出た。アレイダは元々自分勝手で、フェルディナントとの仲を私が邪魔していると勝手に思い込んでいるのだ。私の方にも言い分はあったが、絶対にアレイダが聞かないことだけは確信を持てた。


「カーラ様。以前、フェルディナント様は私の婚約者候補であって、お近づきになられないでとお願いして、先日はご納得頂けたと思いましたけれど、これはどういうことですの?」

 さっそくアレイダが睨んできた。


「まあ、アレイダ嬢は何をおっしゃいますの? 王女の私としては帝国の王子殿下から甘味処にお誘い頂けたらこちらからはお断りは出来ませんわ。アレイダ嬢がフェルディナント様の婚約者だとおっしゃるのならば、アレイダ嬢の方からはっきりとフェルディナント様には釘を刺して頂かないと」

 私はアレイダの嫌みに反論した。


「何をおっしゃいますの。地位はカーラ様の方が上なのですから、普通はカーラ様の方からやんわりとお断りしていただかないといけませんわ。私など恐れ多くてそんなことは申せませんわ」

 そう言ってアレイダは愛想笑いをしてくれた。


「まあ、私は既にやんわりとはお断りいたしましたわ」

 私は嘘は言っていない。やんわりとお断わりはしたのだ。


「それでも、フェルディナント様が何度もお誘い下されるから仕方なしに今日はお付き合いいたしましたの。先程も私が帰りますと申し上げたのに、強引にフェルディナント様に押しとどめられましたよね」

「そこは常識のある淑女の方ならば強引にお帰りになるのが筋ではありません事?」

 アレイダはしつこかった。

 本当に面倒くさい。まあ、父やサーヤは私とフエルディナントにくっついてほしいみたいだけれど、私はどちらつかずのフェルディナントには興味がないのだ。出来たらアレイダの方にもっとフェルディナントの手綱をしっかりと握っておいてほしかった。


「うーーーーわんわん!」

 私に変わってころちゃんがアレイダに反論してくれた。


「まあ、犬は主人に似ると申しますけれど、私に吠えるところといい、フェルディナント様に食べさせてもらう事といい本当に図々しい犬ね」

 ぎろりとアレイダはころちゃんを睨み付けてくれたけれど、ころちゃんは全く動じずにアレイダに吠え続けてくれた。


 お互いににらみ合ってくれるんだけど……子犬のレベルに合わせるアレイダもどうだとは思うけれど……

 私は白い目をアレイダに向けた。


「どういうことだ。アーレンツ、貴様また父上にどうしようもないことを吹き込んだな!」

 そんな時だ。外からフェルディナントの大きな怒声が響いたのだ。

 思わず私はころちゃんと目を合わせた。

 アレイダもぎょっとしていた。


 フェルディナントの怒声を聞くのは私は初めてだった。

 そこへ扉が開いてフェルディナントが入ってきた。


「どうかなさいましたの? フェルディナント様。フェルディナント様の大きな声がここまで聞こえておりましたけれど」

 心配そうにアレイダが尋ねていた。


「いやあ申し訳ない。少し国元で問題が起こりまして、早急に対応を練らねばならなくなったのです。今回のお詫びは必ずいたしますから、カーラ様とアレイダ嬢には大変申し訳ありませんが、ここで失礼させて頂きますね。」

 フェルディナントはとても急いでいるようだった。


「さようでございますか。至急とあらば致し方ありませんわ」

 残念そうにアレイダは頷いていた。


「そういうことでしたら仕方がありませんわ」

 私はあっさりと頷いたのだ。


 アレイダとフェルディナントと3人で食べるのは本当に疲れたのだ。

「カーラ様。馬車は残しておきますので、その馬車をお使いください。せっかくなので、ゆっくりとパフェをお楽しみください。必ずこの借りはお返しいたしますので」


 フェルディナントはとても気にしてくれたが、

「まあ、そんなにお気にめさらずに」

 私としてはこれっきりにしてほしかった。


 慌てて部屋を出て行くフェルディナントを見送ると、

「では私も失礼いたしますわ」

 あっさりとアレイダも帰ってくれたのだ。

 残されたアレイダと二人きりにはなりたくないと思った私はほっとした。


「ころちゃん。せっかくだからこのパフェ、最後まで頂いてしまいましょう」

「わんわん」

 ころちゃんは大喜びで尻尾を振ってくれた。


 私ところちゃんは心行くまでフルーツパフェを堪能したのだ。ころちゃんはフェルディナントの残したパフェまで食べていたのだけれど、さすがに食べ過ぎだと私は注意したのだった。


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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

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表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
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表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
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3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
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なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


私の

3番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

私の

4番人気で100万文字の大作の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://ncode.syosetu.com/n8911gf/



このお話の前の話

『男爵令嬢に転生したら実は悪役令嬢でした! 伯爵家の養女になったヒロインよりも悲惨な目にあっているのに断罪なんてお断りです』https://ncode.syosetu.com/n7673jn/

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