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もふもふ子犬の恩返し・獣人王子は子犬になっても愛しの王女を助けたい  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して


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3人でお茶することになってしまいました

 そういうアレイダは顔は笑っていたけれど、目は笑っていなかった。それに、アレイダの眉が怒りでピクピク震えているんだけど。一瞬私に向けられたその顔には後で覚えていなさいよって書かれていた。


 そう、思わず、私が後ずさりしたくなるほどの怒りを感じていた。

 でも、文句は私を強引に誘ったフェルディナントに言ってほしい。私は乗り気で無かったのだ。なのに、強引にフェルディナントが誘ってきたのだ。それに、私には白い騎士様がいるのだ。とても迷惑なんだけど……

 もっとも父やサーヤは全然そうは思っていないみたいだけれど……

 私はフェルディナントがどう出るかお手並み拝見としたのだ。


「どういうことですの? フェルディナント様。私には忙しいからカフェに行く時間が無いとおっしゃりながら、カーラ様をお誘いする暇があるなんて」

 アレイダの目が釣り上がってきた。


「いやあ、アレイダ嬢。嫌だな。少し宜しいですか?」

 そう言って、フェルディナントはアレイダを強引に外に連れ出したのだ。

 ええええ! どういうこと?

「わんわん」

 怒ったころちゃんが吠えだした。

 これは様子を探るしか無い。

「しぃぃぃぃ」

 私はころちゃんに指を当てると、ころちゃんは判ってくれたみたいで、静かにしてくれた。

 そのまま、ころちゃんを抱っこしてそっと扉の陰から外をうかがうと声が聞こえてきた。


「アレイダ嬢。私にも立場という物があるのです。父からは、アレイダ嬢を大切にするようにと言われておりますが、王家も蔑ろにしてはいけないと釘を刺されているのですよ」

 言い訳するフェルディナントの声が聞こえてきた。


「それは、私では無くてカーラ様を連れてこのカフェに来る理由にはなりませんわ」

 私はアレイダの声に大いに頷いたのだ。


「それは当然ですよ。ただ、カーラ様と話している間にたまたまこのカフェのことが出ましてね。行ってみたいといわれては断れなかったんですよ」

 なんてことをフェルディナントは言うのだ。

 私は一言も行きたいなんて言っていない。

 言い出したのはフェルディナントだ。

 私は完全に頭にきて飛び出そうとしたのだ。


「くうううう」

 でも、その私の前にころちゃんが首を振ってくれたのだ。

 そうだ。ここで、私とフェルディナントの二人の間を完全にご破算にしてしまうと、お父様とサーヤは悲しむかもしれない。ここは黙っていようと私は思った。


「だから、アレイダ嬢はここは機嫌を直して。また、アレイダ嬢には機会を作って来ますから、今日はお引き取りください」

 フエルディナントの言葉が聞こえた。


「まあ、何をおっしゃっていらっしゃいますの。未来の婚約者がお困りなんですもの。私もご一緒いたしますわ」

 アレイダが言い出したのだ。


「えっ、いや、アレイダ嬢!」

「何か問題がございまして。男と女が二人で個室に籠もるのはよろしくありませんのよ」

「いや、アレイダ嬢、中には私の護衛もおりますし……そうだ。アレイダ嬢はカーラ様のペットの犬ががお嫌いでしょう。そう、そのペットがいるのです」

 フェルディナントは必死にアレイダを追い返そうとしていた。


「何をおっしゃいますの。愛しのフエルディナント様がお困りなんですもの。私も犬くらい我慢いたしますわ」

 そう言うと、アレイダは強引に扉を開けて入ってきたのだ。


 その前に私は慌てて椅子に戻っていた。

「カーラ様。失礼いたしましたわ。そこのあなた。私の椅子を持ってきて」

 店員にフェルディナントの横に椅子を持ってこさせると、平然とカーラは座ってくれたのだ。

「フェルディナント様。お二人の邪魔はしたくありませんから、今日は帰らせてもらった方が……」

 私が言い出したんだけど、

「何をおっしゃるのです。今日はカーラ様とアレイダ嬢という、モルガン王国のなかでも、お美しいと評判のお二人と席を共に出来るなんて、サウス帝国の皇子としてこれほど嬉しいことはございません。今日の事は必ず、父に報告させていただきます」

 そういう風に言われると、私としても席を立つ訳にも行かなくなった。


「まあ、陛下にご報告して頂けるの? 出来たらサウス帝国の皇帝陛下にも一度お目にかかりたいと存じ上げますわ」

 いきなりアレイダが、挨拶させろとねだり始めた。

「まあ、さすがに、父にこの国に来るようにとは申せませんからね。我が帝国にお越し頂ける時は是非に」

 フェルディナントが誤魔化そうとしたが、


「そうなのですね。私はいつでも、サウス帝国へお邪魔するのはやぶさかではございませんわ。出来たらフェルディナント様とご一緒頂けたらこれほど嬉しいことはないんですけれど」

 猛烈にアレイダはフェルディナントにアピールしているんだけど。


「そうですね。カーラ様もいらっしゃいますか?」

「いえ、私はこの国を離れることは中々父が許してくれないと思いますわ」

 私はどっちつかずのフェルディナントにむっとしていたので、そう言ってやったのだ。

「なるほど。お父上の許可が得られたら、お越しいただけるのですね」

 フェルディナントが自分に都合の良いように解釈してくれたんだけど……

 そんなことよりも、私にするかアレイダにするかはっきりしてほしいと私は思ってしまったのだ。


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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

このお話の次の話

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表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
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表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
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3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

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ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

アルファポリスのレジーナブックスにて

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2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
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表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


私の

3番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

私の

4番人気で100万文字の大作の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://ncode.syosetu.com/n8911gf/



このお話の前の話

『男爵令嬢に転生したら実は悪役令嬢でした! 伯爵家の養女になったヒロインよりも悲惨な目にあっているのに断罪なんてお断りです』https://ncode.syosetu.com/n7673jn/

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