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もふもふ子犬の恩返し・獣人王子は子犬になっても愛しの王女を助けたい  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して


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ころちゃん視点 フエルディナントが訪問してくることになったので、本心を探ろうと思いました

 サーヤに見つかって捕まった後、俺はカーラの護衛の騎士達と一緒にサーヤに延々2時間怒られ続けた。そして、その結果、カーラの部屋の周りの警備が強化されて、俺は外に出にくくなったのだ。これでは情報を探れないではないか!


 俺はカーラを捕まえて息子の嫁にしようとした宰相のその後の動きがとても気になっていた。そして、その事は国王にも騎士団長にも報告が上つているはずなのに、国王や騎士団長が何もしていないのもおかしいかった。その辺りの情報を俺は調べたかったのだが、これだけ警備が厳しくなるとおいそれと外には出づらくなった。


 俺は焦ったのだが、今回失敗したことで状況は厳しくなった。その上、俺は更に酷い目に遭ってしまったのだ。サーヤからは延々2時間怒られるし、それを知ったカーラからも30分怒られて、なおかつ、1週間おやつ抜きになってしまった。


 このおやつ抜きは結構俺には堪えた。

 王宮のおやつは犬用だったが、それでもとても美味しかったのだ。

 その上、カーラもおやつ抜きに付き合ってくれたので、その事について俺は何も文句が言えなかった。


「ころちゃん。おなかが空いたの?」

「わん!」

 カーラがおやつの時間に聞いてくれた。

 俺は思わず頷いてしまったのだ。カーラが考えを変えてくれたかもしれないと一縷の希望を持って……


「そうよね。食べたいわよね」

「わん」

 俺はカーラの言葉に再度頷いた。


「でも、何故ころちゃんは、再び、私の所から逃げだそうとしたの?」

 カーラが目を潤ませて俺を見つめた。

「うーーーー」

 俺は唸りながら首を振ったのだ。


「首を振っても無駄よ。ころちゃん。サーヤから、また逃げだそうとしていたって聞いたんだから」

「うーー」

 俺は必死に首を振ったんだけど、カーラは聞いてくれなかった。


「そんなに私って魅力が無いのかな」

 自信無さそうにそう言い出したのだ。


「うーうー」

 俺は首を振った。


「でも、ころちゃんは逃げようとしてくれたし……」

「うーーーー」

 そう言われると俺は何も言えなかった。逃げようとしたのではなくて、いろんな情報をカーラのために集めに行こうとしたのだと説明したかったが、無理だった。俺は戸惑ってしまった。人間の言葉が使えないとここまで説明するのが難しいということが初めて判った。


「でも、ころちゃん」

「わん!」

 俺はカーラが何か良いことを言ってくれるのかと期待した。決しておやつを食べられるようにしたいと思った訳では無い。


「私も我慢するからころちゃんも1週間我慢してね」

「うーーーー」

 俺は思わず、うつむいてしまった。


「ごめんね。ころちゃん」

 俺はカーラに抱きつかれたのだ。こうされると俺は何も言えなかった。


「サーヤが言うのよ。1週間我慢させたら、ころちゃんもお菓子が如何に美味しいか理解して、二度と逃げ出さなくなるからって」

 サーヤも余計な事をしてくれたものだ。俺がカーラの部屋から出たのは逃げる為では無くてカーラの為に情報を集める為なのに!

 おやつなんて何も関係無いのだ。

 本当に!

 俺様はおやつを食べたいから外に出ないなんて事は絶対に無い!

 そう心に誓いつつ、俺様はしばらくはカーラの為におとなしくしていようと思った。

 愛しい人がおやつも食べられずに残念そうにしている姿を二度とさせないために、俺は外に出るのを諦めたのだ。


 そんな時だ。フェルディナントから一度お部屋に訪問したいと連絡が入ったのだ。

「カーラ様。宜しかったですね。フェルディナント様がまた訪問して頂けるなんて、まだまだ、フェルディナント様もカーラ様の事を思われていると言う証拠ですよ」

 サーヤは嬉しそうに話してくれたが、


「そうかしら。フエルディナント様は単に、私とアレイダの両方にいい顔をされていらっしゃるだけではないのかしら」

「わんわん」

 カーラの言葉に俺も頷いたのだ。


「ほら、ころちゃんも頷いているじゃない」

 カーラが喜んでくれた。


「何を言っているのです。それはお会いしてみなければ判らないではないですか」

「それはそうかもしれないけれど、あまりお会いしたくないのだけれど……」

「わんわん」

 俺はカーラがフエルディナントに会いたがらないと聞いてほっとした。

 カーラはフエルディナントが好きになった訳ではなくて、心の中ではまだ白い騎士の方が好きなのだ。


「何をおっしゃっていらっしゃるのですか、姫様! 陛下はフエルディナント様との間のことをとても気にしていらっしゃいます。何としてもお会いくださらないと私も困ります」

 サーヤがそんなことを言ってくれるんだけど。俺はその言葉にむっとした。


 まあ、でも、フェルディナントはサウス帝国の皇子なのだ。国王が期待するのも無理はないだろう。

「でも……」

「では、姫様がそこまで気にされるのでしたら、少し待たせましょう。そうすればフェルディナント様も反省されるかも知れません。

 4日後の午後はいかがですか? 丁度そこには予定が入っていませんし」

 勝手にサーヤが予定を入れてくれるんだけど、俺はカーラに断れと言いたかった。


「うーん、まあ、サーヤが困るのならば会うだけなら良いわよ」

 俺はがっかりした。でも、俺は今は何の力もない剣が強いだけの平民に過ぎないのだ。


「はい。姫様。なんでしたらその時に遠回しに、前回お会いされた時のことを聞かれれば良いのです。フェルディナント様もちゃんとお答え頂けるでしょう」

 サーヤはそう言うが、あの男のことだ。ちゃんと答えるかどうかは怪しかった。


 俺はカーラの為に、なんとかしてこの部屋を抜け出してフェルディナントの本心を調べることにしたのだ。


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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

このお話の次の話

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『【電子書籍化】王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』https://ncode.syosetu.com/n9991iq/


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1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
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表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
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3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
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2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
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表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


私の

3番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

私の

4番人気で100万文字の大作の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://ncode.syosetu.com/n8911gf/



このお話の前の話

『男爵令嬢に転生したら実は悪役令嬢でした! 伯爵家の養女になったヒロインよりも悲惨な目にあっているのに断罪なんてお断りです』https://ncode.syosetu.com/n7673jn/

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