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もふもふ子犬の恩返し・獣人王子は子犬になっても愛しの王女を助けたい  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して


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サウス帝国の皇子に町を案内しようとしたらころちゃんがいきなり皇子に噛みつきました

 さて、案内当日、私はしなくても良いのに、これでもかとサーヤに着飾らされて準備させられた。


 今回は一応お忍びということで裕福な町娘という感じで来てほしいと言われていたので、そういう装いになっているはずだ。

 やたら化粧に時間がかかっていたんだけど、私は化粧はあまり好きではない。後で洗ったりして取るのが大変だから。


「まあ、姫様はお肌もきれいですし、元がお綺麗ですから要らないと言えばそうなんですが、これも貴族のたしなみでございますからね」

 サーヤはそう言ってくれたけれど、今回は町娘という設定なんだけど……これでいいのかと思わないでもなかった。


 ころちゃんは首輪をかけられるのをとても嫌がったが、

「ころちゃん。私と一緒に行ってくれるんでしょう? そのためにはさすがに首輪をつけないといけないのよ。お願い!」

 そう言ってころちゃんの顔にキスしたら、真っ赤になって素直に首輪をつけてくれた。

 私はほっとした。


 そして、私はころちゃんを抱っこして待ち合わせの王宮の馬車乗り場まで歩いたのだ。

 今日の私の護衛は一応、町の人に変装して結構な数の騎士が配置されているはずだ。

 騎士団長とフェルディナントの間でいろいろ打ち合わせがされたはずだった。


「カーラ嬢」

 私を見かけてフエルディナントは歩いてきたが、私の胸に抱かれているころちゃんを見て目が見開かれた。


「その犬も一緒なんですか?」

 フェルディナントは少し驚いた表情をしたが、

「申し訳ありません。ころちゃんはやっと見つかったので、一時も離れたくなくて」

 私は取り上げられないようにぎゅっところちゃんを抱きしめた。サーヤにもいい顔をされなかったのだが、白い騎士のためにもころちゃんを置いていく訳にはいかないのだ。

 私にとって一番良い選択肢は、フェルディナントが私と仲良くなって友人として私達王家の味方をしてくれるようになるのがベストだった。


「そんなのは無理でございますよ」

 サーヤには一顧だにしてもらえなかったが、やりようによっては出来るはずだ。そのためのころちゃんだった。


「わん」

 私の思いにころちゃんも吠えてくれた。


「別に取り上げたりしませんよ。子犬を抱っこしているカーラ様もきれいですし」

 さらりと褒めてくれるフェルディナントはさすが王族だ。女性を褒めるのになれている。

 そういったことに対しての免疫のない私は少し顔を赤くしてしまった。


「この犬は『ころちゃん』というのですか」

 フェルディナントがそう言いながらころちゃんの頭を撫でようとしてころちゃんが手を避けるんだけど、私に抱かれている限り避けきれない。撫でられていやだったのか撫でるフェルディナントのなんと手をがぶりと噛んでくれたのだ。


「痛い!」

 思わずフェルディナントはころちゃんから手を離して飛びすさってくれた。


「わんわん」

 ころちゃんが吠える。


「噛んじゃ、だめでしょう。ころちゃん」

 私がころちゃんを注意すると


「うー」

 ところちゃんがしゅんとしてくれた。


「大丈夫ですか? フェルディナント様」

 私が慌てて、フェルディナントを心配そうに見ると、


「いや、こんなのは大丈夫ですよ。噛まれたと言ってもたかだか子犬ですからね。全然大丈夫です」

 フェルディナントは笑ってくれたが、その目はころちゃんを睨み付けているんだけど……

 もう、ころちゃんったら、何も噛むことはないじゃない!

 私はそう思ってころちゃんを睨み付けたけれど、ころちゃんは私に尻尾を振ってくれるんだけど、全然懲りていない!


「でも、何でしたら治療した方が。子犬とは言え噛まれたのならば医者に診てもらった方が良いのではないですか?」

 私が心配して言うと

「いえ、歯形がついたくらいですから問題ないですよ。あ、でも、カーラ様が治療して頂けるのならば治りが早いかも」

 喜んでフェルディナントは言ってくれるんだけど……


「でも、ここには治療の薬とかないですし、一端王宮に帰りましょうか」

 私がそう言うと

「それには及びますまい。カーラ様が患部にキスして頂けたらそれだけで直りそうなんですけど」

「えっ、キスですか?」

 私はフェルディナントの言葉に真っ赤になって固まってしまった。


「わんわん!」

 ころちゃんが怒ってフェルディナントに吠えるんだけど、どうしよう?


 私が途方に暮れると

「冗談ですよ。カーラ様。言ってみただけです」

 フェルディナントは笑ってくれた。


「冗談なんですね」

 私はほっとして言うと

「本気だって言ったらキスしてくれますか」

「えっ?」

 その言葉にまた私が固まると

「いや、本当に冗談ですから。それに、カーラ様の愛犬の歯形は私の勲章ですからね」

 フェルディナントは笑って訳のわからないことを言ってくれたが、よく見ると歯形はついているが血も出ていないし、問題ないみたいだった。


「では、カーラ様、参りましょうか?」

 フェルディナントが自分の用意した馬車の前に案内してくれた。紋章も何も入っていないお忍び用の馬車みたいだった。


「わんわん」

「ころちゃん静かに!」

 叫んでいるころちゃんに注意するところちゃんが静かになってくれた。


 馬車に乗せてもらう時に、ころちゃんとフェルディナントの目が合ってお互いを睨み付けているんだけど。

 この二人というか、一匹と一人うまくやっていけるんだろうか?

 今日の事が私はとても心配になってきたのだった。



デートにころちゃんを連れて行くカーラ

果たしてデートはうまくいくのか?

続きは明日です


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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

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表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
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表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
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3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
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表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


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なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


私の

3番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

私の

4番人気で100万文字の大作の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://ncode.syosetu.com/n8911gf/



このお話の前の話

『男爵令嬢に転生したら実は悪役令嬢でした! 伯爵家の養女になったヒロインよりも悲惨な目にあっているのに断罪なんてお断りです』https://ncode.syosetu.com/n7673jn/

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