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もふもふ子犬の恩返し・獣人王子は子犬になっても愛しの王女を助けたい  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して


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サウス帝国の皇子に捕まっているところに怒った宰相の娘が又現れました

再び再開します。

今回は王国の危機です。

 私の所にころちゃんが帰ってきた。あれだけ探しても見つからなかったのに、帰ってきてくれて私はとてもうれしかった。その点ではあの破落戸達に感謝していた。


 朝になって目を覚ますところちゃんが私の腕の中にいる。

 私はその事を確認してぎゅっところちゃんを抱きしめる。


「クウーーーン」

 ころちゃんが鳴いてくれて、私はころちゃんに頬ずりしてもふもふを堪能した。本当にころちゃんは可愛い。


 そして、朝食の時間だ。

 私はころちゃんと一緒に久々に朝食を食べる。ころちゃんのご飯とは中身は別だけど。お皿に首を突っ込んでいるころちゃんを見て安心するのだ。ころちゃんはガツガツ食べている。

 あれ、今までと違う。


「ころちゃん。ご飯はもう少しゆっくり食べようよ」

 私が思わず言ってしまった。


 その言葉に

「まあ、姫様。ころちゃんは破落戸どもに飼われていたんですから、作法のなっていない食べ方をするのも仕方ありませんよ」

 サーヤの言葉に何故かころちゃんは固まっていた。それからはゆっくりと一口一口噛みしめるように食べ出したんだけど。ころちゃんも私達の話す言葉が判るんだろうか?


 私を攫った男達はどうやら誰かに命令されていたらしい。それが誰かはお父様達はあえて教えてくれなかったが、相当上の役職の者らしかった。相当上の役職者と言えば宰相しか思い浮かばないのだけど……でも、宰相が私を攫って何の得があるんだろう?


 今でも王宮で我が物顔で歩いているのだ。私を攫う理由がよく判らなかった。


 そういえばここ2、3日宰相の顔は見なかった。


 怪しいと言えば怪しかった。


 私は朝食の後は王宮内をころちゃんを連れて散歩した。

 基本ころちゃんは放し飼いだ。まあ、宰相が王宮に来なくなったのならば問題ないはずだ。



「わんわん!」

 ころちゃんが吠えた。何だろうと顔を上げると向こうからフェルディナント皇子がお付きの者を従えて歩いてくるところだった。私はアレイダとの件があるので、出来る限りフェルディナントとは顔を合わせないようにしていたのに、逃げる暇も無く捕まってしまった。


「カーラ様。ご無事で何よりでしたね」

 フェルディナントは私が誘拐されたことを知っていた。


「はい、ありがとうございます。白い騎士様に助けて頂いたのです」

 私は仕方なしにそう答えた。


「その白い騎士って誰だったのですか?」

「さあ、私を助けるだけ助けると、あっという間に去って行かれましたので」

 フェルディナントの問いに私が首を振ると、

「なんとも変わった話ですね。身分を明かさないで逃げるように去って行くなんてその騎士も何か後ろ暗いところがあるんじゃないですか?」


「わんわん」

 フェルディナントの言葉に急にころちゃんが大きな声で吠えだした。噛みついたら大変だと私は慌ててころちゃんを抱き上げた。


「そんなことありません。白い騎士様はとても高潔な方で、名乗られなかっただけです」

 私がむきになって言うと、

「えっ、ああ、申し訳ありません。私がその場に居合わせていたらカーラ様を助けられたのにと少し悔しかったから、言っただけです。カーラ様が機嫌を損ねられたのならお詫びします」

 あっさりとフェルディナントは私に謝ってきたのだ。悪い人ではないようだ。


「申し訳ありません。私も助けて頂いた肩を悪く言われたと思ってつい言葉が過ぎました」

 私も謝った。


「いやいや、悪いのは私だ。あなたが赤くなるその白い騎士に思わず嫉妬してしまったのです」

 フェルディナントの言葉に私は驚いた。


「まあ、フェルディナント様が嫉妬なさるなんてあり得ませんわ。いつも王宮の侍女達の話題を独占していらっしゃるフェルディナント様なんですから」

 私が言うと


「そんなことはないですよ。現に私が一番心をひきたいと思う方は中々私の方を向いてくれませんし……」

 そう言うと意味ありげにフェルディナントは私を見てくれたのだ。


「えっ」

 私は思わず固まった。

 そのようなことを男性に言われたことがなかったのだ。私は顔が赤くなるのを感じた。


「わんわん!」

 ころちゃんが吠えてくれて私は正気に返った。


「もう、フェルディナント様はお上手ですね。思わず本気になってしまうところでした」

「本気になってもらって全然問題ないんだけど」

 いたずらっ子のような顔をしてフェルディナントが言ってくれたが、やばいやばい。男の人に免疫のない私はすぐに赤くなってしまうのだ。さすが大国の皇子様。フェルディナントはこのように甘い言葉をいろんな女に言っているんだろうと私は思った。


「それよりもカーラ様。今度孤児院に行くときは必ず私も誘ってほしいのです。また、あなたが襲われるかもしれないと思うといても立ってもいられないので」

 フェルディナントが言ってくれるが、

「フェルディナント様。さすがにサウス帝国の王族の方をそのような危険に合わせるわけにはいきません」

「いや、それはそうだが、我がサウス帝国を敵に回そうとなどするものはそう簡単にいないでしょう。私が傍にいるだけで、あなたも安全になると思うのですが」

 フェルディナントがそう言うが、我が国のことに他国の王族を巻き込むわけにはいかなかった。


「あああら、カーラ様。このようなところでフェルディナント様と何をしていらっしゃるのかしら」

 そこに一番会いたくないアレイダが現れたのだった。


 まただ。私はうんざりした。



ここまで読んで頂いてありがとうございました。

サウス帝国の皇子と話しているところに悪役令嬢の登場です。

明日からは朝かお昼更新の予定なのでブックマーク等して頂けたら更新判るのでよろしくお願いします

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

このお話の次の話

『悪役令嬢に転生させられた地味令嬢ですが、ヒロインの方が強くて虐められているんですけど……』https://ncode.syosetu.com/n7240kb/


私の今一番熱い人気の作品はこちら

『【電子書籍化】王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』https://ncode.syosetu.com/n9991iq/


表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
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表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
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3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

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ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

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2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


私の

3番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

私の

4番人気で100万文字の大作の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://ncode.syosetu.com/n8911gf/



このお話の前の話

『男爵令嬢に転生したら実は悪役令嬢でした! 伯爵家の養女になったヒロインよりも悲惨な目にあっているのに断罪なんてお断りです』https://ncode.syosetu.com/n7673jn/

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