表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もふもふ子犬の恩返し・獣人王子は子犬になっても愛しの王女を助けたい  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/84

ころちゃん視点 カーラを助けたら抱きしめられて、また子犬に戻ってしまいました

 俺の見ている前で、カーラはベイルに捕まって後ろ手に縛られてしまった。


「わんわん(カーラに触れるな!)」

 俺はカーラに触れるベイルに叫んだが、当然聞こえなかった。


「ちょっと離しなさいよ……うぐ」

 その上、カーラは猿ぐつわまでされてしまった。

 カーラを助けなければ!


 でも、皆はまだ吠えている俺を見ている。

 皆の前で人間に変身するのはさすがにまずい。


「うーう」

 カーラが必死に声を上げようとしている。


 俺が人間に戻っていたら絶対にベイルなんかにカーラには触れさせないのに!

 俺は吠えるのを止めて皆の注意から逃れようとする心と、カーラを捕まえているベイルに怒りのあまり噛みつきたい心との間で葛藤した。


 でも、次は、

 ガッシャーン

 大きな音とともに窓ガラスが割られた。


「姫様!」

 顔を出した騎士が

「ギャッ」

 ベイルに斬られていた。

 ダンッ

 扉が蹴破られて騎士達がやっと入ってきた。


 遅い!

 俺は叫びそうになった。


「動くな。この王女がどうなっても良いのか?」

 ベイルがカーラの首筋に剣を突きつけてくれたんだけど。


 俺は初めてベイルに殺意を覚えた。

 一宿一飯の恩義あろうがもう関係はなかった。

 俺の愛しのカーラになんてことをしてくれるんだ!

 カーラは顔面蒼白になっている。

 こうなれば俺も人間に戻って……

 もうばれようがどうしようが関係無かった。


「わんわん!(変身!)

 あれ、戻れない!

 何で?

 俺はとても焦った。


「何を言っている。退かないと王女を傷つけるぞ」

 俺が焦っている間にベイルは騎士達を脅して、カーラを連れて外に出た。当然他の破落戸達もついていったのたで、長屋の中には誰もいなくなった。


 完全に人間に戻る準備は出来たのに!

 戻れないんだけど。

 俺は焦りに焦った。


 ベイルに勝てるのは俺だけだ。

 騎士達では勝てない。


「全員、この王女を殺されたくなかったら、剣を捨てろ」

 ベイルが叫んでいるのが聞こえた。

 騎士達も何か叫んでいる。


「この王女が死んでも良いのか!」

 ベイルの奴は何をしている?

 俺は気が気ではなかった。


「ひ、姫様! た、隊長、ここはこいつらの言うことを聞いた方が」

 サーヤが悲鳴を上げている。


「やむを得ん。皆、剣を捨てろ」

 隊長の強い言葉後に剣を地面に落とす音が聞こえた。

 絶対にまずい。

 な、何だ。何が起こったんだ!

 もう俺は必死に首輪をちぎろうと引っ張った。

 首が千切れそうになるが、今はカーラの命の方が大切だ。

 俺は思いっきり紐を引っ張ったのだ。

 でも、だめだ。


「「「キャッ」」」

 民衆の悲鳴が聞こえた。


「避けろ」

 大声がして


「ヒヒーン」

 馬のいななきが聞こえる。

 何かが起こったのだ。

 カーラは大丈夫なんだろうか?

 もう俺は気が気ではなかった。

 カーラ!

 俺はもう死んでもいいとカーラの元に駆けていこうと必死に引っ張ったのだ。


 ダンッ

 俺を縛っていた紐がやっと千切れた。俺はその反動で飛んでいた。


 そのまま地面に激突しそうになって、何故か人間の足で地面を蹴る。

 俺はその瞬間、待ちに待った人間の体に戻っていたのだ。


 白い獣人族の剣士の装束に、手には我が剣を持っていた。


 そのまま、外に飛び出るとそこには剣を構えた破落戸の前に馬車に乗せられるカーラが見えた。


 このままではカーラが連れ去られる。

 俺は剣を抜き放つと、破落戸どもに後ろから斬りかかった。


「ギャッ」

「グウォー」

 二人の男を峰打ちで倒す。


「な、何やつだ。」

 叫ぶ男を又峰打ちで倒す。

 馬車が走り出した。


「くっそう」

 俺は慌てて、駆けだした。


「待て、行かすか」

 俺の前にベイルが剣を抜いて立ち塞がった。


 しかし、俺様の剣技の前にいくらベイルといえども、敵ではない。


「どけー!」

 俺は叫ぶと同時に下から剣を斬り上げた。


「ギャッ」

 ベイルは胸を押さえて吹っ飛んでいた。

 俺は駆け出すが、このままでは馬車の方が早い。

 馬車がぐんぐん離れていった。


 俺はすぐ傍に繋がれた馬を借りて飛び乗ったのだ。


「おい、待て」

 慌てて店から飛び出して来た男が何か叫ぶが、

「少し借りる」

 俺はそう叫ぶや、馬に馬車を追わせた。


 動物の扱いは獣人族の俺には楽勝だった。

 馬は俺の考えるままに走ってくれる。


 あっという間に馬車に追いついた。

「何やつだ?」

 そう叫ぶブルーノを鞘をつけたままの剣で突き落としていた。


「ギャッ」

 落ちるブルーノは無視して、

「止まれ」

 俺は馬車の馬に命じたのだ。

 馬は俺の言うことはすぐに聞いて止まってくれた。


「くっそう」

 カーラを捕まえていた男はカーラに私に剣を突きつけて外に降りた。


「この女を殺されたくなかったら剣を捨てろ」

 男は俺に向かって叫んでくれた。


 俺はその男の前に馬から飛び降りる。


「聞こえねえのか? 剣を捨てないとこの女を殺すぞ」

 男はヒステリックに叫んでくれた。


「ふん、雑魚が何か叫んだか」

 次の瞬間俺は目にもとまらぬ早さで、剣で男を突いていた。

 一瞬で男を吹っ飛ばしていた。


 そして、倒れそうになっていたカーラを抱き留めてたのだ。


「大丈夫か?」

 俺はカーラを縛っている縄を解いて猿ぐつわも外した。


 そうしたらカーラがいきなり俺に抱きついてきたのだ。

 俺は唖然とした。

 まさか、カーラがいきなり抱きついてくるとは想像だにしていなかったのだ。

 やばい!

 俺は真っ赤になったのだ。


 心臓がドキドキする。


「殿下、大丈夫ですか」

 そこに騎士達が飛んで来た。


「ええ、なんとか」

 カーラがそちらに向いたときだ。

 このままでは又、子犬に戻ってしまう。

 俺は必死に駆けだしたのだ。


「あっ、騎士様」

 カーラが俺を止めようとしたが、俺はなんとか角を回って隠れることが出来た。


 そこで俺はまた子犬に戻ってしまったのだ。

 俺はそのまま逃げようとした。


「騎士様」

 そこへ叫んでカーラが飛び込んできた。

 俺は縮こまって隠れようとした。


「騎士様……」

 カーラはどこを見ても騎士がいないことを知ってがっかりしたみたいだった。


「あれ、ころちゃん」

 俺はカーラが何も見ずにそのまま帰ることを期待したのに、足下の俺を見つけてくれたのだ。

 俺は慌てて逃げようとしてぎゅっとカーラに抱きしめられてしまったのだ。


「ころちゃん! 良かった 無事で!」

 俺は何度もカーラに抱きしめられて、ゆでだこのように真っ赤になってしまったのだった。


ここまで読んで頂いてありがとうございます

ブックマーク、広告の下の評価☆☆☆☆☆を★★★★★して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

このお話の次の話

『悪役令嬢に転生させられた地味令嬢ですが、ヒロインの方が強くて虐められているんですけど……』https://ncode.syosetu.com/n7240kb/


私の今一番熱い人気の作品はこちら

『【電子書籍化】王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』https://ncode.syosetu.com/n9991iq/


表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■【3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!
2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク

■楽天ブックスへのリンク

■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


私の

3番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

私の

4番人気で100万文字の大作の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://ncode.syosetu.com/n8911gf/



このお話の前の話

『男爵令嬢に転生したら実は悪役令嬢でした! 伯爵家の養女になったヒロインよりも悲惨な目にあっているのに断罪なんてお断りです』https://ncode.syosetu.com/n7673jn/

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ