表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もふもふ子犬の恩返し・獣人王子は子犬になっても愛しの王女を助けたい  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/84

ころちゃんを探しに長屋に入ったら私が誘拐されました。

今日は朝更新です

 私はころちゃんを探しに行くのに、どうしようか考えた。


 普通に外に探しに行くのを申請したのでは、この前と同じで絶対に却下される。

 でも、一応その犬がちゃんところちゃんかどうか確認したいのだ。

 そして、確認したら世話してくれた人にちゃんとお礼が言いたい。

 たとえ相手がどんな人でも私の大切なころちゃんを世話してくれた人だ。犬を飼う人に悪い人はいないはずだ。


「姫様。姫様はお城しか知らないからそんな風におっしゃるのです。基本的にお城にいる人間は宰相一族を除けばいい人しかいませんから、姫様が間違われるのも仕方がありませんが、世の中には宰相一族のような者もいるのです。その男が、アレイダ様みたいな性格だったらどうするのですか?」

 サーヤにそう言われて私は躊躇した。


 確かにそんな性格だったら嫌だ。

 でも、アレイダは犬嫌いな宰相婦人の娘なのだ。性格の悪い宰相夫妻は絶対に犬は飼わないだろうから、娘のアレイダも飼わないはずだ。だから私の言うことは正しいはずなのだ。

 私がそう主張するとサーヤは肩をすくめてくれた。

 これはお手上げだと言ってくれるんだけど、絶対に私は正しいはずだ。


 フェナも私がそう言うと

「ええええ! あの男がいい人ですか? まあ、1万倍よく考えたらそうかもしれませんけれど」

 なんかとても否定的なんだけど……


 でも、人に良くしてもらったら、お礼を言うのは当たり前だ。そうするように亡くなったお母様からも言われていたし、私はお礼をしなければならないと思っていた。


 でも、その前にどうやって王宮を出るかだ。

「それはカーラ様。孤児院に行くついでに寄るのが一番良いのではありませんか」

 フェナの言うとおりだ。それもできる限り早く行かねばなるまい。私はサーヤに頼むことにした。


「私が行くのですか?」

 サーヤは嫌そうに言ってくれたが、


「お願い、サーヤ。サーヤだけが頼みの綱なの」

 私が拝むと、

「仕方が無いですね」

 と渋々父のところに行ってくれたのだ。

 そして、サーヤは物の見事に父の許可を取ってきてくれた。


 なんでも、「陛下、姫様を部屋に閉じ込めるだけでは思い詰められる可能性があります。思い詰めて何かされるよりも、少しは気分転換に孤児院にでも、慰問に行っていただいた方が良いのではありませんか?」

 と言ってくれたのだ。


 父も私を部屋に閉じ込めていると言う弱みもあったみたいで、あっさりと許可してくれたそうだ。

 それも護衛を10名もつけてくれた。



 翌日、お昼を食べてすぐに私たちは孤児院に向かった。

 侍女はサーヤとフェナ。それに護衛の騎士が10名という大所帯だった。

 私たちは裏門からいつものように孤児院に向かった。


 その途中でフェナが声をかけてくれた。

 この大通りの角から三軒目の北側の家ですと。

 私はチラリと見たが、長屋はどの家も同じように見えてよく判らなかった。

 まあ、良い、帰り際に寄れば良いのだから。


 私達は先に孤児院に行ったのだ。

 今日は騎士が多いので、孤児院の騎士志望の子供達は大喜びで騎士達に稽古をつけてもらっていた。

 私は女の子達に絵本を読んであげたのだ。

 そして、孤児院で2時間くらい慰問をした後で私たちは孤児院を後にした。


 今度はフェナを先頭に歩く。


 そして、先程の大通りの角を曲がった。

「こちらです」

 フェナの案内で長屋の前に立った。


 でも、中から物音もしない。

 ころちゃんの声も聞こえるかと思ったけれど、聞こえなかった。


「お留守じゃ無いの?」

 私はがっかりした。


「かもしれませんわね」

 サーヤが頷いてくれたときだ。


「わんわんわんわん」

 家の中から犬の鳴き声がしたのだ。


「こ、ころちゃん!」

 私はその声に慌てて長屋の扉に駆け寄ったのだ。


「姫様、いけません」

 サーヤが止めようとしたが、私はそのまま扉を思い切って開けていた。


「きゃ!」

 私は思わず悲鳴を上げていた。

 開けたところには男の人たちがたくさん立っていたのだ。

 私はびっくりした。

 この人達、何しているんだろう?


「な、なにを叫んでくれているんだ。人の家の扉をいきなり開けてきたのはお嬢さんだぜ」

 男が文句を言ってくれた。


 確かにその通りだった。

 でも、私はそれどころでは無かった。

「ころちゃん!」

 そう、奥には夢にまで見たころちゃんが紐に繋がれているのを私は見てしまったのだった。

 そして、そのまま、入っていこうとして、男達に阻まれたのだった。


「ちょっとお嬢ちゃん。何を人の家に入ろうとしてくれるんだ」

「す、すみません。そのころちゃんに用があるんです」

「わんわん!」

 ころちゃんは私を見て必死に吠えてくれていた。

 私は強引に更に中に入ろうとして、男達に捕まってしまった。


「ベイル。これはとんだ火に入る夏の虫じゃ無いか?」

 男の一人が言ってくれた。


 私を捕まえた男は少し考えたが……

「ちょっと離して下さい」

 私がその男に言うと、


「貴方たち、お嬢様に何をするのです」

 サーヤの声が聞こえる。


「そうだな」

 厳つい男はそう言うといきなり扉を閉めてくれたのだ。


「おい、ちょっと待て」

「何をするんだ!」

 ドンドン扉が叩かれる。

 私は男に抱きかかえられていた。


「家に入ったのは謝ります。離して下さい」

 私が改めて言うと、


「お姫様。それは無理だ。俺たちはお姫様をあるところに連れてこいって言われているんだ。それで出ていこうとしたらお姫様が入ってきたんだ」

「何ですって?」

 私は叫び声を上げていた。


「まさか、お姫様が自ら捕るためにここに来てくれるなんて  思ってもいなかったぜ」

 男達が笑ってくれたのだ。

 私は誰かは知らないが、誘拐犯のアジトに自ら入ってしまったことをこの時に初めて理解して蒼白になった。


ここまで読んで頂いてありがとうございました

続きは明日です

続きが気になる方はブックマーク、広告の下の評価☆☆☆☆☆を★★★★★して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾


『悪役令嬢に転生させられた地味令嬢ですが、ヒロインの方が強くて虐められているんですけど……』

https://ncode.syosetu.com/n7240kb/


は昼更新の予定です

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

このお話の次の話

『悪役令嬢に転生させられた地味令嬢ですが、ヒロインの方が強くて虐められているんですけど……』https://ncode.syosetu.com/n7240kb/


私の今一番熱い人気の作品はこちら

『【電子書籍化】王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』https://ncode.syosetu.com/n9991iq/


表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■【3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!
2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク

■楽天ブックスへのリンク

■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


私の

3番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

私の

4番人気で100万文字の大作の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://ncode.syosetu.com/n8911gf/



このお話の前の話

『男爵令嬢に転生したら実は悪役令嬢でした! 伯爵家の養女になったヒロインよりも悲惨な目にあっているのに断罪なんてお断りです』https://ncode.syosetu.com/n7673jn/

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ