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王妃クラリス

「あのー、女神様のお導きってどういうことでしょうか??」

「聞きたい?聞くからにはぜひともあなた達もイントの男性と結ばれて欲しいわ」

「え?いえいえ……滅相もないです!」


王妃が自分達の未来を勝手に描いているので焦った。


「まあ、まずはゆっくりとしてちょうだい。せっかくイントに来たのだから、色々と見て行けばいいなと思っているだけだから、…ホホホ。それよりも最近のデルタ国のことを聞かせてくれないかしら?」


王妃の希望に沿ってしばらくデルタの近況について話す。


「……あらぁ、最近のデルタはそういったものが流行っているのね。今度、里帰りしたいわ」

「王妃様のお立場ではデルタに里帰りするのもなかなか難しいのではないですか?」

「そうなのよねぇ。だからこそ舞踏会はとても楽しみだわ!」


(………話が戻ったわ。どうしても私達を参加させたいのね)


マリア達は苦笑いをした。


「あの、王妃様、お気遣いはありがたいのですが、私達にそんなに構っていただかなくても」

「言ったでしょう?私の気晴らしのためでもあるのよ。私に付き合いなさい!」

「もちろん、王妃様に従います。そこでですが、安心して舞踏会に参加するためにも王妃様にお願いしたいことがありまして......」

「何かしら?」

「家族が心配していると思うので、私達が無事だと伝えて頂けないでしょうか?私達は通信できる魔道具を持っていないので……」

「ああそうね。もちろん良いわ。きちんとお伝えするわね。安心して」


王妃がニッコリする。戻らない娘達を家族は必死で探しているだろうと心配していたから、マリア達はホッとした。


「後でドレスの採寸に係の者を向かわせるから部屋で待っていてね」


王妃に言われて部屋に戻ろうと扉を開けると、部屋の外にちびっこメイド達が待っていた。彼らは気を抜いていたのか、扉が開くと驚いたような顔をする。1番小さいタワルなんかは、しゃがんで廊下に敷かれた赤い絨毯を指でいじって遊んでいた。


「退屈したわよね。部屋に戻りましょうね」


タワルと手をつなぎながら部屋に戻ると、ドレスの採寸にアンゴルのような雰囲気の人物がやってきた。声が高いし線が細いから例の人だろう。


採寸後も希望のデザインや色などヒアリングされる。ランチタイムの後は、お茶タイムを挟みながら顔のパックだの爪のお手入れなどもされた。至れり尽くせりだった。


ちなみに、ちびっこメイド達はマリア達のお手入れタイムには基本的に何もしない。せいぜいお水を持ってきてくれる程度で、もっぱらマリア達とはおしゃべりをしている。おそらく基本的に彼らは癒し要員なのだろうと思われた。


やることがない彼らは部屋にいても退屈しているようだった。


「ねえ、あなた達はまだまだ遊びたい盛りじゃない?私達といる時は伸び伸び過ごしてもらって構わないわよ」

「え、でも遊んじゃダメだって言われてるもん」

「バカ、正直に言うなよ。首になるぞ」


タワルが正直に言うと、年長のピースが突っつきながらタワルを叱る。


「いいのよ、気にしなくて。子どもは子どもらしくしてほしいもの。あなた達、ちゃんと勉強はしているの?」

「はい、お仕事が終わったら勉強しています」

「終わってから勉強するのでは疲れてしまうでしょう?今こういう時間にやるようにしなさい。私達が許すのだから問題ないわ」

「ありがとうございます!」


ピースは勉強が好きなのか嬉しそうに、いそいそとテキストを持ってきて勉強を始めた。チラリと見れば随分と難しいこと勉強している。


(まあ、こんな問題も解くなんて驚いたわ!)


レルもテキストを解く様子を見て驚いている。話を聞いてみれば、このイントの教育水準はかなり高いようだった。


………数日が過ぎた。相変わらず海に魔物が出るらしく、船は出せないようだった。気になる家族への連絡はしてくれたと伝えられている。


本当は直接話したかったのだが、通信できる魔道具は非常に高価だったからマリア達は遠慮して連絡をしてもらえればと良いと思っていた。


「それにしてもまさか、お父様達から“ゆっくり過ごして来ればいい”なんて言われると思わなくてビックリだわ」


王妃の計らいで父の伝言を聞かせてもらったのだが、“ゆっくりして来ればよい”と言われて面食らった。こちらは久しぶりに聞く父の声を聞いて泣きそうになったというのに……。


「私達が知らないだけで、お父様達はイントのことを知っていたのかしら?だからゆっくりしてくればいいなんて言うのかしら?」

「だとしても、いきなり連れて行かれたのに、心配してらっしゃらないなんて疑問ですね」

「う~ん」


マリア達は自分達が知らないだけでイントは知られた国なのだろうかと思った。


(ケイルにも私達がイントにいることは伝わったかしら?)


どうも王妃はイントの男性と結ばれて欲しいと願っているようだが、“自分の好きな人はほかにいるからムリ!”と、マリアは考えていたのだった。

ちびっこメイド達はとてもカワイイのです。


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※投稿は毎日19時過ぎです。引き続きご高覧頂けるとウレシイです٩(*´꒳`*)۶

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