第一幕 始まりと終わりの地
女騎士「アぁ...どう..して.私は選択をしてしまったのだろう..」
「あの日誓った約束と、自分自身に刻んだ筈の誓は嘘だったのだろうか」
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「おーい」
ある男の声が一人の女を呼ぶ。
「今日も自分の道を見つける為の鍛錬と瞑想をしているのか?」
女「うるさい」
「何も成すことも、目的を持つこともなく無駄に生きるのは嫌だからな」
女は集中が途切れ何も持たない自分に対してイラつきを隠せずにいた。
男「お前の言っている目的はぶっきょう顔で毎日生きる事なのかよ?」
女「そんな事はない」
「目的を見つけた時の為に毎日頑張っているんだ」
女の言う目的は戦う事になのか、人々に対して利をもたらす為の事なのか本人にもまだ分かっていない。
男「なんでもいいけど飯にしようぜ」
女「あぁ、分かった」「すぐに向かうから先に行ってくれ」
女がそう言うと男は笑み浮かべながらもと来た道に戻っていく。
そして男の背中が見えなくなってから女は空を眺めながら静かに呟く。
女「平和な日常が続くのはツマラナイ」
「血と叫びがある瞬間が生きていると思える」
女は父が目の前で殺され、母が連れて行かれた時の、頭の中の感覚が忘れられずに、あの日から生きていると実感が出来なくなっていた。
ただ唯一叫んで泣くことしか出来なかった瞬間の感覚から時間が止まっているようだった。
女「悪い、遅くなった」
男「おかえり」
女は男の当たり前の言葉に不満気な表情を浮かべた
女「毎回そんな挨拶のような言葉いらない」
男「ん?」「そんな事を言わないでたまにはただいまと言ってくれよ」
女「気が向いたらな」
女は自分自身でも気付いていないだけで、本当は何かを失う恐怖を無意識に避けている。