宝剣
「こいつぁすげぇ、上物だな。おまえさん、どこでこんなもん手に入れた?」
「自分でもよく分かってなくて・・・・・・」
執事の人から教えてもらった場所にて、謎の剣を見てもらっている。
ビー玉のようなものがついた片眼鏡を付けて見始めたので、おそらくあれは鑑定ができるものなんだろう。ほしい。異世界三大チート、ほしい。大体の場合その三つは魔法、鑑定、アイテムボックスだが、魔法に慣れ親しんだ今のオレからすれば三大チートは剣技、鑑定、アイテムボックスだ。だってこの世界の剣士、上の方まで来ると魔法斬ってめっちゃ跳んで瞬間移動かってくらい早く走るし。あと映える。かっこいい。おっと、謎剣の話だったな。
「・・・・・・・・・・・・」
めっちゃ夢中になってら。ウケる。
「おいあんちゃん、これ宝剣だぜ。」
「ほーけん?」
「ん?なんだ、しらねぇのか。教えてやるよ。宝剣ってのはな、剣に『概念』が宿ったものだ。ピンからキリまであって、上位にもなると神剣とタメ張れるくれぇになる!有名なもので言うと剣皇が持ってる『断絶』だな。断つ、と言う概念が宿ったまさしく剣の中の剣。その剣、切れぬものなし!ってな。ちなみに今のとこ一番弱ぇのは『玩』っつう短剣で、玩具の概念が宿ったもんだ!切れない、刺せない、痛くないの三拍子よ!「あの」ちなみにうちにもいくつか置いててな、まぁそんな強いわけでもねぇが。せいぜい中位の魔剣クラスだが、『リトルフレア』と『スチーム』の二つだ。それぞれ少しの炎と湯気が出る。スチームは美容にいいぞ?なにせうちの嫁が使ってっからな!「あのー」ところで、あんちゃんはなんか買ってくかい?魔剣もいくつか置いてるし、槍も防具も何でもあるぜ!地方の貴族のボンボンもよく来るしな。あぁ、近くに剣道場があって、うちとそこで宣伝しあってんだ。用が済んだら見るだけ見てってくれや。「聞いてますー?」ところで、あんちゃん子供いるか?みたとこ経験もなさそうだが・・・・・「は、はぁ!?ああ、あるし!経験とか全然あるし!取っ替え引っ替えしてるし!」うちはもうちょっとで子供が生まれるんだよ。嫁の血が入ってるし、可愛い子が生まれるんだろうな。」
「ふぅ、やっと終わった。」
「ん、何だ?うちの嫁についてもっと聞きたいのか?いいぜ、語り明かそう!」
「ちょちょ!もういいです、お腹いっぱいです。それよりその剣についてもっと詳しく。」
「ん?ああ、忘れてたぜ、すまねえな。こいつの銘はネオ、『進化』の宝剣だ。
◇◇◇◇
「進化の宝剣って、どう言うことだ?」
鍛冶屋を後にしたオレは、言われた通り剣道場に向かっていた。
進化。思い当たる節はある。あの手に取った時の光。あれは魔纏鎧装を会得したのに合わせて進化した、と考えれば説明がつく。前と後で見た目全然違ったし。
ただ、そうすると一つ疑問が残る。誰が何のためにそんなものを置いたのか、と言うものだ。そもそも剣とか使えないし、プレゼント、と言うわけでもない。体の上に置いてあったし送り先を間違えたとかはない、と思う。
おっと、ここが道場か。
「たのもー」
何となく言ってみた。
「何だ、道場破りか!?」
「あいつ、強そうな剣持ってるぞ!」
「イキってんのか!?」
おおう、ウェイトウェイト。話し合おうよ、そんな物騒なものはしまってさ。互いの意思を伝え話し合うために人類は言葉を得たんだよ?
「何だこいつ、手なんてあげやがって。」
「舐めプか?」
「お前らなんかこれでも勝てるってか?」
悪い方にしか捉えられない。と言うか最後のやつ、火に油を注ぐんじゃねぇ。
「みんな、俺たちはこんな奴に負けないってこと、証明してやろう!」
「二度と剣を握れない体にしてやる!」
「再起不能にしてやる!」
何なの、怖いんだけど!とりあえずまとめて吹っ飛ばすぞ!?いいのか?いいんだな!やるんだな、今!ここで!
「竜ま── 「そこまで!」 !?」
「師範!」
「何故です!」
「殺すべきだ!」
こ、こいつら・・・・・・
「お主、その手に持っているのは宝剣じゃな?」
え、あ、はい。そっすね
「そこの鍛冶屋の紹介できたのか?」
まぁはい
「師範!」
「こんな怪しい奴と何話してるんですか!」
「問答無用で殺すべきだ!」
血の気が多いなこいつら!




