魔纏鎧装
手がズタズタだけど、氷対策は完璧なんじゃないか?
「フラウ、『氷弾』!」
「『風刃』」
顔ほどの大きさの氷塊が目の前で砕け散る。
よし、このまま決め──
「精霊鎧装」
刹那、これまでとは比較にならない冷気が迸る。
肺が痛み、手足の感覚が消失する。耳鳴りもする上視界がぼやける。
途切れそうになる意識を何とか繋ぎ、炎を発生させる。しかし、炎は弱々しく風が吹けばすぐに消えてしまいそうだ。
(やばいな)
先ほどの女性は消え、蒼い鎧のようなものを纏っている。
しかしなぜだろうか、鎧の中心部が壊せそうに見えるのは。
魔力の流れが見えるのは。
魔力の“色”が見えるのは。
それが、自分にもできる気がするのは。
「【魔纏鎧装】」
言葉は自然に紡がれていた。
☆☆☆
全身を覆う熱に意識が少しずつ戻ってくる。
見ればおれは炎を想像させるデザインの軽鎧を纏っていたて、それが冷気を相殺していた。
全身を魔力が迸っている
体が軽い
体が熱い
気分がいい
まさしく空でも飛べそうな全能感がある。
「精霊鎧装を自力で!?」
「あー、なんて言ったっけ、名前。まぁいいか、もう会うこともないんだし、オレの糧となりやがれ、三下」
フィールドを炎と冷気が舞う。ぶつかり合う。
一瞬の迷いも許されない、戦場がそこにはあった
氷を溶かし、蒸発させる。溶かして、蒸発。溶かして、蒸発、、、
「洒落臭ぇ!」
全てを溶かす、熱。名付けるとすればー
「『溶解』」
あたりが火で覆われて──
『勝者、クロノ』
☆☆☆
「死にたい」
「急にどうした!?」
無事グラーニを下し準決勝に駒を進めたため一旦ライと合流したわけだが、少しずつ興奮が冷めて先ほどの自分の言動がフラッシュバックして飛び出したのが先ほどのセリフだ。何だよ洒落臭ぇ!って。過去の自分を助走つけてぶん殴りたい。
「かっこよかったぜ!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ちくせう、まだ顔が熱い。
けど、さっきの試合で学べたことは多い。
まず、血液中の魔力濃度を高めて循環させ、強制的にゾーンのようなものに入る闘い方。おそらくこの世界の人たちの人間離れした動きはこれだ。
次に魔纏鎧装、、、ハズい!とにかく、それで大幅に戦闘力を上げることができる。さっきのおれは『私の戦闘力は53万です』状態だった。あの時は炎でやったが、おそらく風でもできる。炎の場合は全身から炎を出せたから属性に応じて変化する感じだろうか。次の試合でやってみようかな。
取り敢えず、今日はもう寝る。おやすみ世界
◇◇◇◇
おはよう世界
昨日は何もなかった。いいね?よし。
今日はまだ不完全な風刃の完成度を上げるために何かしようか・・・・・・ん?
体を起こそうとしたところで何か重みを感じた。人じゃない。何か平たい板のような──
・・・・・・剣?
† ←こんな形の、何の装飾もないthe 剣。一応鞘のようなものに入っているが・・・・・・
何でこんなタイミングで、からだのうえに置かれているんだ?
色々と妙だな。まぁ、オレは探偵でも何でもないし、後で詳しい人に見せよう。そう思って、手に取った。
剣が眩く輝き、その光は腕をつたっておれに吸い込まれていった。そして身体中のナニカが腕の方へ行き、そのまま剣に収まった。光はだんだん弱まっていき、光が完全に消えて数分後におれは変化に気づいた。剣が、禍々しい炎をイメージした昨日の『魔纏鎧装』のようなフォルムになっていた。
(これ持って鎧装発動したら強そうに見えるんじゃね?)
いかんいかん。とにかく、これは早いうちに誰かに見せたほうがよさそうだ。とりあえず左手に持っておこう。
「えっ!?」
腰のあたりに吸い付いた。背中にも回せるらしい。こいつは便利だ。
(じゃなくて)
「おーい、ライ!ちょっときてくれ!」
・・・・・・こない。そう言えば朝弱いって言ってたっけ。こんな時に限って!次!執事の人!
扉を叩くとどうぞ、と返ってきた。
「失礼しまーす」
「これはクロノ殿。いかがなさいました、こんな朝早くに。」
「大変なんですよ。起きたら変な剣が置いてあって、手に取ったらめっちゃ光って!」
「その、腰についているものですか?」
察しがいい。
「これ、何だかわかります?」
「残念ながら、わかりかねますな。」
そうか、わからないのか。じゃあ、、、
「こう言うのってどこに持っていけばいいですかね?」
「通りの向こうに鍛冶屋があります。そこで見てもらってください。」
さんきう!Dash!
ライのセリフ「かっこよかったぜww」を「かっこよかったぜ!」に変更。
今後ここに触れます




