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輪廻の力で最強目指す  作者: Bronze Empror
第六章 急襲編
31/32

襲撃

今日誕生日なので在庫投下

 ・・・・。

 オレはなんとも言えない気持ちで部屋を眺めていた。

 結界に閉じられた部屋ではなく、いつもの、寮の部屋だ。


 時は数分前に遡る。






 ◇◇◇◇






「あー、もう!破れろ!出せ!」


 オレはどれだけ押しても破れることのない結界にいらいらしていた。


「はー、一回落ち着こう。やり方が間違っているのかもしれない」


 この考えに至るまで数時間かかった。死ね。

 オレは呼吸に合わせて魔力を放出し、少しずつ落ち着いていった。


 そして、結界を操作できるようになった。



 結界は押し合うならばさっきまでの方法であっているが、形を変えたり性質を変えるのなら魔力をなじませる必要がある。

 結界から出て悪魔を瞬殺し、色々調べた結果わかったことだ。


 あと、悪魔をぶっ殺したら勝手に吸収された。






 ◇◇◇◇






「ということがあったの。この世界の神はワタシのことが嫌いに違いない。いつか殴ってやる」


「大変だったんだねー」


「そう、そうなの。わかってくれる?」


「うんうん、わかるよー」


 寝ぼけ目のリーンがこくこくと頷く。


「そもそもなんでこうも連続でトラブルに巻き込まれなきゃいけないの?おかしいよ。おかしいよね?ね?」


「おかしぃねー・・・・」


 結界から脱出したらリーンがいたので愚痴っていたのだが、そろそろ限界そうなので寝かせてあげた。かなりマイルドな表現だがオレの苦労は伝わったと思う。口に出すときに口調を変えなきゃならないのがもどかしくて敵わない。


 ていうか、昼間でぐっすりしているところで閉じられたし、全然眠くないんだよな・・・・。

 せっかくだし、夜の街に出掛けてみよう。






 そんな感じで店を回っていたところ綺麗な水晶玉を売っている店があったので聞いてみると、それはそのものの持つ情報を可視化することができる『鑑定球』というのだそう。武器防具を取り扱っている店には必ず置いてあるが、値段が高いため買う人は少ないらしい。

 オレは土魔法産の金属類を売った金が結構あるので買った。暇つぶしにはなると思う。


 使い方は対象に意識を集中して魔力を込める、だそうだ。使えなくなったステータス表示の代わりにならんかなー、と思いつつ試しに自分を鑑定してみた。



『種族名:人族 個体名:シルヴィア(1) 性別:女(1)

 身体能力値:6,000

 魔力量:2,000,000,000,000

 所持スキル:『輪廻転生』『結界』『圧縮』『進化』『成長率補正』『熟練度補正』『光』『闇』

 状態:悪魔吸収2』



 脳内に情報が流れ込んでくる感じがした。

 視覚的には何もないが、はっきりとわかる。

 とりあえずなぜか増えまくっているスキルを二重鑑定してみよう。


『輪廻転生:記憶や能力を魂に統合し、新たな器へ宿る』

『結界:魔力により構成された結界を張る』

『圧縮:魔力を用いて物質、現象を圧縮する』

『光:光を自在に操る』

『闇:闇を自在に操る』


 説明を読みつつ実際に使ってみた。

 光、闇は魔法だと思っていたもののようだ。魔力なしで使えることが判明した。

 他は後でだな。次は・・・・


『悪魔吸収:その身に収めた悪魔の数。悪魔が認めたものにしか発動しない特殊現象』


 。。。

 なんか吸い込まれたとは思ってたけど、えー?怖。

 どこ情報よこれ。怖。

 ・・・・・・・・寝るか。






 ◇◇◇◇






「おい、大変だ」


「一体どうしたんだ、そんなに慌てて」


「実は、ついさっき──」


 眠ろうにも眠れない状態で悶々とした時間を過ごしていると、くぐもった声が聞こえてきた。何人かいるようだ。


「や、やばい!逃げろ!」


 何かを話していたらしいが、慌ててどこかへいってしまった。

 なんとなく気になったので外に出てみた。




「魔法に自信があるやつは足止めだ!他は避難誘導!」


「もうだめだ、おしまいだ・・・・」


「うわあああああああ」


 そこには、地獄があった。

 その元凶に俺は見覚えがあった。

 5年前、オレを殺した相手。人は畏怖を込めて奴をこう呼ぶ。



『邪神』と。






 ◇◇◇◇






 オレは混乱していた。同時に恐怖していた。体が震える。


 [生徒の皆さん、危険です!直ちに避難してください!]


 放送がかかり、みんなが慌てて逃げていく。遅れないように逃げないとと思い、駆け出した。


「ガァァアアアアアアアアアアアアアアアア!」


 邪神が吼える。


「ヒッ」


 喉から短く声が漏れ、膝から崩れ落ちた。

 怖い。本能が。記憶が。魂が。逃げろと言っている。大音量で警報を鳴らしている。なのに動けない。


「シアちゃん!?」


 リーンが駆け寄ってくる。

 大丈夫だと言おうとしたが、声が出ない。歯がカチカチと音を立てている。


「どうしたの、顔、真っ青だよ!?早く逃げなきゃ!」


「ーぃ、いって。ワタシ、は、後から追いつくから」


 震えながらも声を絞り出し、風魔法でリーンを押した。

 自分も魔法で補助しながら立ち上がり、追いかけようとした。


「」


 体の奥底から湧き出る恐怖、吹き出す汗。

 心臓がバクバクと音を立てている。

 濃密な殺気を叩きつけられたようだと、自分の中の冷静な部分が言う。


 殺気は相手の攻撃を読む上で最も重要な要素だ。しかし、それは相手が初心者だった場合に限る。ある程度の強さを持つ者は殺気を出さないため、攻撃が読めない。

 数年前にオレが闘皇祭で敗北を喫したのもこれが関係している。

 そして、相手はその殺気を隠すことなくぶつけてきている。


 震える体に喝を入れ、走り出した。

 だが、奴は大きく飛び上がりオレの前へと立ち塞がった。


 頭が真っ白になった。

 しかしそれに相反して体は驚くほどスムーズに動いた。

 足元に上昇気流を発生させ、後ろへ飛びながら魔法を打ち続けた。

 魔力がなくなっても魔法を打ち続けた。





 気がつくと、そこは山の中だった。

 木にぶつかって気を失っていたらしい。

 慌てて周囲を確認し、あの恐ろしい気配がないことを悟ると、安堵から急に力が抜け、眠気が襲ってくる。

 ここで眠るわけにはいかないと思いつつ、しかし意識は薄れて─────





 目を開けると、とっくに周囲は明るかった。

 空を見やると太陽が空高く登っている。


「へぷちっ」


 ここまで寒いのになぜ眠れたのか?

 その答えは立ちあがろうとした時に分かった。

 重いのだ、体が。

 おそらくは魔力が尽きても魔法を使い続けたからだろう。


 オレは魔法を使い、慎重に木から降りた。







 手頃な大きさの枝を杖の代わりにしつつ下山し、街へ出て再びホッとする。

 ここはどこだろうか?と思うと同時に、腹がキュルル〜と音を立てた。

 体を弄り、文無しなことに気づいたオレは膝をつき絶望した。

 邪神ヤツはオレから色々と奪っていきやがった。絶対に許さねえ。

 あいつをぶっ殺せるくらい強く───

 いや、どうせ目指すなら・・・・・・









 なってやるよ、『最強』に!











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