おや?先生の様子が・・・・・・
謹慎期間長い!どうせ外出ないからそんな変わんないけど
ファっ!?
咄嗟に声を抑えたオレを誰か褒めて欲しい。急に砕けたよ、ほんと。もうちょっと頑丈に作れよ!危ないな!破片が当たったらどうすんだ!
「あ、あの大魔法使いの魔力にも耐えた水晶を砕いた!?」
いやいやいや、その大魔法使いさんがどれくらいかは知らんが、こんな脆いの砕いたくらいで──
あ、わかった。リップサービス的なのだろ。わざわざ個室でやってるし、多分生徒全員に行って自信をつけさせるとかそんな感じだ。おそらくこのあとアフターケアのためにこのことは誰にも言うな、とか言われるんだ。
「これが砕けたともなれば、我が校の信頼に関わる上君を狙いよからぬものが近づいてくるかもしれない。このことは誰にも秘密だよ?」
ほらね。
ていうか5歳児にそんな難しい言い方すんなよ。ま、秘密は守っておいてあげよう。
あ、そうそう。
「これ生徒に当たると危ないから、気をつけたほうがいいよ」
言ってからタメ口はまずいか、と思ったが、まぁイケるだろ。
で、これからどうすれば?
「あ、あぁ。試験は合格だ、こっちに」
なーんか腫れ物みたいに扱われてない?やっぱタメ口は不味かったかな。以後気をつけよう。
◇◇◇◇
「えー、まずは諸君、合格おめでとう。今回惜しくも不合格になってしまったものは、家まで送ろう。来年また挑戦してくれたまえ。では、まず我が校の歴史を──」
「あふ・・・・・・」
催眠術かよってくらい眠い。寝ていい?いいよね?
「ちょっと、起きなよ!」
うーん、あと五分。
「先生見てるよ!」
はい起きた!起きました!お目目ぱっちり!
キョロキョロと辺りを見回すと、結構見られてた。恥ずかしい。でも、オレ以外にも何人か寝てるやついるよね?なんでこんな1人注目集めてんの?やっぱタメ口はいかんかったか!
しゃーない、魔法の練習をしよう。
こう言う時に闇魔法って便利よな。他のように周囲に影響与えたりはしないし、光みたいに自己主張したりもしない。不可視光線操れるようになったし別に光でも良かったけど、なんとなく闇にした。スライムのようにして手元で遊んでいると先生がすごい形相でこっちに走ってきた。
なので慌てて魔法を解除して、何事もなかったかのように振る舞った。
「ちょっとこっちへ来なさい」
「どうしたんですか先生」
「いいから早く!」
なんだよ、魔法使うのそんなダメだった?て言うか声でかいよ。注目集めてるし。もうやめて、オレのライフはとっくにゼロよ!
「シルヴィア、なぜ魔法を使ったんだ?怒らないから正直に言いなさい」
それ、絶対怒るやつですやん。ああ、高松くんが恋しい。高松くんは怒らないから正直に〜って言って正直に答えたらマジで怒らない聖人だ。これは高松くんの聖人エピソードのひとつでしかないのだが、続きはあと。今はどのようにしてこの場をおこられずに、かつスマートに抜け出せるか!その一点に尽きる。この場で取れる選択肢は今のところ三つ。どのような場合でも即座に三つ、最低でも二つ思いつかないとやってらんない。魔境と言って差し支えない中学時代身につけた技術だ。
①何もかもを正直に話す メリット:早めに解放される可能性大 デメリット:怒られる。これ以上目をつけられたくない
②嘘で誤魔化す メリット:特になし デメリット:バレたらやばい
③逃げる メリット:皆無 デメリット:やばい
まず3はなし。となると1か2だが、誰かが嘘をつくなら最低でも真実っぽい嘘と嘘っぽい真実を用意しろ的なあれこれを言っていたので、嘘と真実を混ぜて話そうと思う。
「魔法を使ったのは、今後のために少しでも研鑽を積んでおきたいと思ったからです」
初っ端から嘘。とはいえ一応魔法の練習なのであながち間違ってもない?
「時と場所を考えろ!そして、さっきのあれはなんなんだ!」
キレたね。知ってた。時と場所ねえ。周囲に危険はないし良くない?
さっきのあれはなんなんだって言われても、あれって何よ?闇スライムのこと?
「えぇと、さっきのー、あの、どろどろとした黒い・・・・・・」
「闇魔法です」
「闇魔法!?いや、そうではなくて、あのドロドロはなんだと聞いているんだ。遊んでいたんじゃないか?」
やば、大の大人が真剣な表情でドロドロとか言ってんのちょっと面白い。てか、この世界スライムないんか?そう言われてみれば確かにクエストにスライム討伐とかなかったな。
「あの、伸びたり縮んだり、色々と形を変えていただろう!あれをなんと言うのか、それとやり方を教えなさい!」
顔にデカデカとスライムで遊びたい!って書いてある。この世界スライムないんか?ゴブリンとかは居たのに。
「スライムと言います。闇魔法や光魔法の形状変化でああしていますが、基本属性にも落とし込めるか研究中です」
最近知ったが火、水、土、風なんかを纏めて基本属性と呼ぶらしい。
「え、光や基本属性も使えるのか?」
え、使えないの?




