世界のレベル
引っ張りすぎな気がしてきたのでダイジェスト
闇魔法の翼は、カラスの羽のようで一枚一枚しっかりと生えていた。感覚もあるし、飛ぶと羽根が少し抜ける。つくづくロマン仕様だ。オレもまだ厨二だったらしい。
ライは見た瞬間顎が外れるんじゃないかってくらい驚いて、今は羽根にベタベタ触っている。付け根の部分はどうなっているのかと思ったが、普通に生えてるとのことだ。
普通ってなんだ、普通って。
羽は自由に出したり引っ込めたりできて、枚数も増やせた。四枚二対が限界だが、大きさも変えられる。
具現化に魔力を消費するが、引っ込めれば戻ってくる。便利すぎて。魔纏鎧装の価値がどんどん薄れていく。
魔纏鎧装?昔の女だよ。彼女とか居たことないけどな!
今までの傾向からするに朝起きたらネオが進化を遂げているので、デザインをしっかりと記憶してから眠りについた。
◇◇◇◇
やはり形なんかが変わっていた。全体的に悪魔を彷彿とさせる感じだ。少しかっこいいと思ったのは内緒。
けふから国際大会で候。全員バチボコにぶちのめしてやるぜ!
☆☆☆
全員バチボコにぶちのめしてやったぜ!
ここに至るまでの経緯を説明しよう。
①参加者が一ヶ所に集められる
②全員で戦って勝ち残った何名かだけが次へ進めます
③乱闘開始
④勝利
二つ名持ちはだいたい残っている。トーナメントはこんな感じ。
一回戦 ライVS知らない人
二回戦 知らない人VS知らない人
三回戦 知らない人VSリリィ
四回戦 オレVS凄まじく強そうな人
くじ運が終わってやがる。
もちろん顔見知りの2人は勝ち、知らない人同士の対決は知らない人が勝ち、凄まじく強そうな人には空を飛んでちまちま切りつけていたら叩き落とされたのでスキルによる食いしばりでなんとか勝利。もちろん痛みで動けなくなった。辛い。
☆☆☆
知らない人ともはやいつメンとなりつつあるおれを含めた三人で世界大会へ行くこととなった。
知らない人はクレイグというらしい。
馬車のようなもので移動だが、せっかくなので空を飛びつつ魔法の練習をしておく。
光魔法でも天使っぽい羽が作れることが判明し、水魔法の氷結を結構操れるようになった。
◇◇◇◇
「ここが世界の頂点を決める場です」
ついたようだ。
一旦重力に任せて高度を落とし、地面スレスレで何度か羽ばたいて着地。ミスったら足が折れるので、途中でちょっと練習したのだ。高所恐怖症とかじゃなくて良かったと思う。ジェットコースターは割と好きな方なので、飛んでいる最中は楽しかった。
「おうおうおう、こりゃまた随分と珍しい奴がいるじゃねえか。悪魔か、魔族か?」
筋骨隆々とした柄の悪そうな奴が寄ってきてそんなことを言った。
辺りを見渡すもそれっぽいのは誰もいない。こいつ、何が見えてるってんだ!?
「お前、名前なんて言うんだ?相当強えだろ」
心なしかこっちの方を見ている気がする。おれ、何かに取り憑かれているんだろうか?光魔法で浄化っぽいことをしておいた。
「な、光魔法が使えるだと!?なんて珍しい奴だ!」
え、まさかおれのこと言ってる?悪魔っぽい顔なんて・・・・あ、翼出しっぱだった。収納。
「翼をたたむとは、相当高位の悪魔だな」
「正真正銘人間なんだが」
誤解を解かねば斬りかかられそうだったので身の潔白を証明したい。
「嘘をつくな嘘を!騙されんぞ!」
あー、こいつ嫌い。人の話聞かないタイプだ。自分が正しいと思ったら意地でも意見曲げないタイプだ。頭を冷やせ!凍らせてやる!
「ぐぁ!?冷てえ!なんなんだコイツ!?」
もう無視して先行くか。多分時間経過で溶けるかなんかするでしょ。
「待てー!逃げんじゃねえー!」
「なぁなぁ、俺も翼生やせるか?」
ライが話しかけてきた。
「光魔法使えるなら天使の羽は出せるはずだぜ」
まぁ頑張れ、多分きっと応援してるはず。
ちなみにネオなもうわけわかんないくらい形が変わっている
◇◇◇◇
負けた。
ことが起きたのは二回戦目。
相手が『剣帝』と紹介された時点で嫌な予感はしていた。
空を飛んで魔法をぶつけて、相手の間合いに入らないように頑張ったんだ。
一体誰が、ただの跳躍であんな高さまで来るって予想できる?しかも地面に叩きつけられて、一方的にボコボコだよ?
死にはしないけど意識を失ってそのまま負け判定。これがっ、世界!って思ったよね。
しかも優勝者はそいつを一方的に殴って勝ってた。あれ、目から汗が。
やっぱさー、おかしいよコレ。上が見えないもん。オレも結構強いはずなのにさ。
「できた!翼できた!」
とライが無邪気に喜んでいたのがやけに印象に残っている。
次回から物語の今後に関わる割と重要なキャラが登場します!
もしかしたら長くなるかもだし、案外すぐ終わるかもしれません