プロローグ
処女作リメイク版
Hello 画面の前のみんな!オレの名は 黒野 仁斗呂、容姿端麗なうえに頭脳明晰、さらにスポーツも万能。モッテモテさ!と堂々と言ってみたかった人生。真実を教えよう。ごくごく普通のどこにでもいるノーマルな高校生、街を見渡せばそこら辺に軽く5人はいるようなやつ。それがオレ。
なんでいきなりこんなハイテンションなの?とか、なんで急に自己紹介してるの?とか思われそうだが、実はおれもよくわかってない。
なぜか。答えは目の前に広がるいかにも中世って感じの街並みとそこら辺を歩いている人たちの服装を見てみればわかると思う。
あっちのゴツい人は剣持ってるし。こっちの綺麗なおねーさんは杖持ってるし。下を見れば石のタイル、上を見ればサイズ感のおかしい鳥がジャングルにいそうなサイズの鳥を追いかけている。あ、食われた。
それはさておき、道ゆく人を冷静になって見てみれば、違和感があるのがわかると思う。やけに背が小さく、丸っこかったり。肌が青かったり赤かったり。明らかに4mはあったり。耳が尖ってたり。ケモミミがあったり。
テンプレすぎるだろうが、この一連の動作を六回ほど繰り返してようやく一つの結論に至った。
「ここ、異世界じゃね?」