登場人物紹介・あらすじ等(第3章終了時点)
※第3章終了時点までのデータです。ネタバレを含みます。
【登場人物紹介】
《メインキャラクター》
メルティ・ニルツ
本作品の主人公。
ジョブ適性が一切無い『ジョブ無しの少女』だったが、クルスから貰ったジョブマニュアルにより『スライム娘』となる。
修行を終え、現在新人冒険者として活動中。ランクはEクラス。
南南西の森・第23番旧坑道のクエスト、誘拐事件などに冒険者として参加した。
戦闘では、粘着ボールによる足止め、ナイフ発射、薬草を体液に混ぜて使う回復、体をゴムのように伸ばす体当たりなど、自身の体を生かした戦法を使う。
ほか、魔物言語のスキル、初級火炎魔法を使用できる。
クルス・オーディール
王都冒険者ギルド所属のAクラス(最高位)冒険者。
珍しい『女勇者』というジョブで、このジョブに就くと男から女に性転換する。
メルティにジョブマニュアルを譲り、その後メルティが一人前になるための修行をする。
現在は王都周辺にて活動中。
オパール
異世界からやってきた錬金技師。
冒険者では無いので戦闘には参加しないが、クルスたちとはよく冒険に同行していた。
性別は"無し"。オパールは通称名で、本名は未公表。
メルティが日常生活を送れるよう、人間に変装するための手助けをした。
現在は自分の世界に帰省中。
《冒険者ギルド》
ソレーヌ・ショルム
冒険者ギルド第7支部の受付嬢。事実上の副ギルドマスター。
メルティを彼女なりの立場で、裏から手助けをする。
クルスとは元婚約者の間柄だった。
本作品の、冒険者ギルド視点での裏主人公。
マリナ・ココ
冒険者ギルド第7支部の受付嬢。
ジョブ無し時代からメルティを支え続けた。
元第2支部所属、Dクラスの冒険者で、魔法の知識が豊富。
とある事情により冒険者を辞め、冒険者ギルドの受付嬢となった。
ロア
冒険者ギルド第7支部の庶務の男性。
裏方としてギルドを支える。
ジェイク・フォーグナー
冒険者ギルド第7支部の新任ギルドマスター。
一方で暗殺組織の一員としての裏の顔も持つ。
シィナ・カラス
冒険者だったが、ジェイクとソレーヌの要請を受け、ギルドの新人受付嬢となった。
裏の顔はジェイクの部下の暗殺者。表と裏の両面からジェイクを補佐する。
バルダー
王都冒険者ギルドに所属。男性では珍しい受付担当。
クルス一行の王都での冒険者活動をサポートする。
ミファー
冒険者ギルド第8支部の受付嬢。
心優しく、困った人を手助けせずにはいられない性格。
《冒険者たち》
【ロラン組】
メルティとは同期の冒険者。Eクラス。
スライム娘となって冒険者活動を始めたメルティを、南南西の森でのクエストでパーティーメンバーに誘った。
ロラン(弓使い兼シーフ)
ロラン組のリーダー。
適性は無いが戦士系志望のため、現在は適性のある弓使いとシーフのレベルを上げている。
ターシャ・ルミラ(魔法使い)
ロラン組の火力担当。火と氷系の初等魔法を駆使する。メルティとは仲が良い。
最大MPは多いが、魔法を連発するせいで枯渇しがち。
ミリィ・アタイヤ(武道家)
ロラン組の前衛担当。カポエラベースの戦闘スタイルで戦い、ほか踊り子のスキルも一部使う。
外国人のためか口数は少なめ。
【イルハス組】
メルティとは同期の冒険者。Eクラス。
ジョブ無しだったメルティとは距離を置いて接していたが、後に和解する。
第23番旧坑道のクエストではメンバーシャッフルしながらメルティと組んだ。
イルハス・ガーフィールド(戦士)
イルハス組のリーダー。
嫌味な性格のためメルティは苦手としていたが、第23番旧坑道では彼と組む事となった。
メルティとは喧嘩をしながらも、お互い交流を深める事となる。
マキノ・レモンバーム(レンジャー)
イルハス組の紅一点。探索や採取を担当する他、ボウガンやブーメランで戦う。
別の国の出身で、独特の話し方をする。
イサク・アルヴァン(僧侶)
イルハス組のヒーラー担当。やや口が悪いが気さくな性格。
第23番旧坑道では、メルティとはヒーラーと言うポジション被りのために、別パーディーで行動していた。
須藤光(侍)
イルハス組の近接戦闘担当。刀を用いた剣術で戦う。
遥か東の遠方の国の出身。仲間や他の冒険者からはコーストと呼ばれる。
戦闘時以外は非常に無口。
【ルーナチーム】
ルーナ・プリシス(プリンセス)
スカイ・ラヴァース(戦士)
タイム・ラニュイ(魔法使い)
ドーラ・ノード(羊飼い)
Cクラス筆頭の冒険者グループ。
ルーナのスキル『号令』による集団バフ効果を利用した連携をメインに戦う、チーム戦を得意とするパーティー。
南南西の森の調査を皮切りに、一連のゴブリン事件に関与する事となった。
【青きフロルの風】
リック・ディール(?)
ブルー・ラヴァース(ハンター)
フロル・フェイブ(僧侶)
(※他2名)
Cクラスの冒険者グループ。
アム・マインツの街にて発生したゴブリン襲撃事件に参加。
ブルーとフロルはルーナチームと共にボスゴブリン戦に参加した。
【銅の硬貨】
テレス・バルテ(戦士)
ボーマン・マリュス(武道家)
ディディエ・デュルフェ(僧侶)
Dクラスの冒険者グループ。
アム・マインツの街にて発生したゴブリン襲撃事件に参加。
ルーナチームと共にボスゴブリン戦に参加した。
【カルディチーム】
カルディ・デマルコ(風水師)
シフ・グランツ(僧侶)
アマンダ・リラ・グランツ(魔法使い)
Dクラスの冒険者グループで、元は第6地区で活動していたが、諸事情により解散。
カルディとシフ・アマンダは別の経緯で第7地区へと移動し、そこで再会した。
カルディは元魔物使いで、偶然メルティ達と知り合う。
シフは一連のゴブリン事件に参加。
アマンダはシフと結婚し、現在休業中。
【サンドチーム】
サンド・スタージ(魔物使い/故人)
ファルマ・シン(僧侶)
シャンティ・ラヴレス(魔法使い)
第6地区の冒険者グループだったが、リーダーのサンドの死により拠点を第7地区に移す。
現在はファルマのみが冒険者活動をしている。
シャンティは宿屋の子供・ザジ達とは仲が良かったが……。
【キャロスラック村ガード】
フォスト・シュタイン(ハンター)
ハーク・シュタイン(魔法戦士)
(※他6名)
湖畔の村・キャロスラックを護衛するガード集団。
ゴブリン集落に近い村を守るために滞在している。
【その他の冒険者】
ザガロ・ファイマット(バトルマスター)
第7地区在籍のAクラス冒険者。個人で活動している。
年中酒飲みの飲んだくれ。
ルーナチームの先輩であるが、彼女達からの評価は低い。
アイーシャ・アッダーヤ(マスターモンク)
第7地区在籍のAクラス冒険者。冒険者稼業は実質引退しており、現在は道場にて後進の育成に努める。
ミリィ・アタイヤは同郷出身の門下生。
ミゲル・グラスロード
元第2地区所属の冒険者。魔物の研究者で、学術的功績によりAクラスとなった。
現在は引退し、第7地区周辺の村落にて隠居生活を送っている。
マリナの大先輩に当たる人物。
【女勇者チーム】
クルス・オーディール(女勇者)
ジョルジュ・ヴァセラン(パラディン)
エリーゼ・パルミエ(導師)
ビビアン・フィービー(ウォーロック)
王都のAクラス(最高位)の冒険者グループ。
クルスは前述の項参照。
ジョルジュとエリーゼはクルスの幼馴染で、現在は恋人同士。
ビビアンは猫耳族の巨女で、メルティの修行中、魔素の使い方の指南を行った。
《街の住民》
オウル亭のおかみさん
メルティ達が宿泊する宿屋『オウル亭』のおかみ。
夫と共に宿屋を経営している。
スライム娘となったメルティを、変わらぬ態度で暖かく迎え入れた。
オウル亭の旦那さん
メルティ達が宿泊する宿屋『オウル亭』の主人。
妻と共に宿屋を経営している。主に食堂の厨房を担当する。無口。
ザジ・オウル
オウル夫妻の三女。4歳。
メルティがよく遊んであげている幼い少女。
とある事件に巻き込まれる。
ネリー・オウル
オウル夫妻の次女。13歳。
両親の宿屋を手伝う。
スライムが好きで、スライム娘となったメルティを好意的に受け入れた。
セシル・ブラン
オウル夫妻の長女。
現在は結婚してオウル亭を出て、嫁ぎ先の衣服洗浄店で夫と共に働いている。
《スライム達》
ワタシ(アオ)
南南西の森でメルティが出会ったスライム。
その後メルティが瀕死の重傷を負った際に、彼女の命を助けた。
その際にメルティと同化し、現在は一心同体の存在。
同化したメルティ内での一人称及び呼び名は『ワタシ』。
マリナ曰く、臆病だけど、いざという時は勇気を出せる性格。
3匹の中ではリーダー格で、メルティとは違う視点から彼女を支える。
メルティと分離する際は青色に着色されているため、外部的にはザジの命名のアオと呼ばれている。
あたし(ルー)
同じく南南西の森のスライムで、同様の経緯でメルティと一心同体となった。
マリナ曰く、気が強いけど、本当は一番甘えん坊な優しい性格。
同化したメルティ内での一人称及び呼び名は『あたし』。
同化を経て、メルティに気の強さを与えた。
性格上イルハスとは衝突が多かったが、様々な出来事を経て交流を深める事となった。
メルティと分離する際は赤色に着色されているため、ルーと呼ばれる。
ぼく(ミド)
同じく南南西の森のスライムで、同様の経緯でメルティと一心同体となった。
マリナ曰く、人懐っこい、好奇心旺盛な性格。
同化したメルティ内での一人称及び呼び名は『ぼく』。
スライムと感触が近いためか、女性の大きな胸を非常に気に入っている。
メルティと分離する際は緑色に着色されているため、ミドと呼ばれる。
ミカ
南南西の森のスライムだったが、ゴブリン達に捕らえられ、その後数奇な運命を辿る事となったスライムのうちの1体。
接触によりメルティの記憶や思考方法などを模してはいるが、ルー達とは違って同化はしていないため、独自の個体のスライムとして生きている。
メルティと同化する前のルーとは同一の群れにいたため、ルーやメルティ達からはおねえちゃんと呼ばれる。
他のスライム達が元の住処に戻る中、ルー達の傍に残る。
ザジによりオレンジ色に着色され、みかん色のミカと呼ばれるようになった。
レイ
南南西の森のスライムだったが、ゴブリン達に捕らえられ、その後数奇な運命を辿る事となったスライムのうちの1体。
ゴブリンに捕らえられる前、オパールが実験に使っていたスライムボールを取り込んだことにより、オパールの研究知識などを得る。
事件解決後もなんとなくメルティ達の傍に残る。
色は自分で選んだ灰色で着色している。
《その他の人物》
ジーン・スタージ
アム・マインツの孤児の男の子。
メルティの修行中、何度か交流する機会があったため、魔物(特にスライム)に強い興味を持つこととなった。
現在は妹のレニと共に隣の第8地区の老夫婦の養子となり、魔物牧場を子供ながらに手伝う。
ジャン・コーディ
憲兵隊の男性。
ソレーヌとは交流がある。
憲兵としての評価は、凡人とも優秀とも、人により大きく乖離がある。
ギザ
暗殺組織の一員。第9地区在籍時代のジェイクの部下だった。
アルマ・ココ
魔術師ギルド職員の女性。
冒険者ギルドのマリナの姉。
ルキウス・ガーフィールド
アム・マインツの現領主。イルハスの兄。
『本持ち』ゴブリン
南南西の森でメルティ達と出会い、交戦したゴブリン。後にソレーヌ達から『本持ち』の通称で呼ばれる事となる。
剣を持つ『ソード持ち』と呼ばれるタイプのゴブリンだが、他に魔法を用いる。
アム・マインツのゴブリン襲撃事件を陰で暗躍し、その後誘拐事件を起こす。
その正体は、メルティと同じく『モンスター職のジョブマニュアル』でゴブリンの姿となった人間だった。
事件後自首し、第4章開始時点では憲兵隊の牢獄に拘留中。
『青い男』
アム・マインツを襲った事件の黒幕の男。
その真の狙いは……。
正体は指揮官型ゴーレムで、指揮していた人物は別の場所にいたが、アム・マインツの一連の事件終了後、偶然通りかかったとある冒険者に雑に退治された。
【あらすじ】
《第1章》
ジョブ無しのために冒険者になれたかった少女メルティのもとに、女勇者クルスが、謎のジョブマニュアルを携えて現れる。
そのマニュアルのおかげでメルティは人間を辞め『スライム娘』となった。
戦闘どころか日常生活すらままならぬメルティを助けるため、クルスとオパールは修行としてメルティを助ける事となる。
1週間の修行を経て、メルティはマリナやビビアンの力も借りながら、無事に『レベル1程度の戦闘力』と『人間への変装術』を習得した。
《第2章》
晴れて冒険者として活動できるようになったメルティは、街の近くの南南西の森を中心に活動していた。
単独でのクエストやロラン達とのパーティーを経て、それなりに活動を重ねていった。
ある日、森の中で1匹のゴブリンと出会う。
ゴブリンの手によりメルティは重傷を負ったが、森の3匹のスライムによってかろうじて生還する。
その際に3匹と同化したメルティは、1人と3匹の不思議な共同生活を始めることとなった。
一方、冒険者ギルドのソレーヌは、メルティを攻撃したゴブリンの不審な行動を察知する。
来週の金曜日に何かが起こる事を予見したソレーヌは調査を開始。
同時にメルティ達にクエストを与え街から遠ざける。メルティの安全を守るために。
《第3章》
第23番旧坑道に出発したメルティ達は、クエストを通じて、イルハス達と交流を重ねていく。
一方、南南西の森の調査に参加したルーナチームは、森の中で一切れの本の切れ端を発見する。
その切れ端が発端となり、一連のゴブリン関連事件に関与する事となる。
ソレーヌ達冒険者ギルドの面々は、発生すると思われる事態へ向けて調査と推論を重ねていく。
街へのゴブリン襲撃を予測し、事態へ備え冒険者達を集める。
金曜日、アム・マインツの街で『ゴブリン襲撃事件』が発生。ソレーヌ達の予測は現実のものとなる。
ソレーヌから街を託されたルーナチームほか多くの冒険者達は、これの撃退に成功した。
アム・マインツに帰還したメルティ達の前で、宿屋の娘ザジが行方不明になったという事件が発生。
メルティは犯人からのメモを受け取り、これが誘拐事件であることを知る。
メルティは一人、ザジを救うため、夜の街の中へと消えていく。
誘拐犯である『本持ち』ゴブリンと、全ての黒幕である『青い男』と遭遇し、ザジ救出のため奮闘するメルティ。
その結末は……。
【世界観・地名】
《グレンディル共和国》
本作の舞台となる国。
中央に王都があり、その周辺を10の地区が取り囲む。
真北を第1地区、真南を第6地区とし、反時計回りに番号が増える。
《王都》
グレンディル共和国の中心部。
他の地域に合わせて第0地区と呼ばれたりもする。
クルス達が普段主に活動するエリア。
《第7地区》
グレンディル共和国の地域のひとつ。
国の南南東部一帯が割り当てられている。
区都はアム・マインツ。主に鉱業・被服業が盛ん。
メルティ達が住む、本作の舞台となるエリア。
《第2地区》
グレンディル共和国の地域のひとつ。
国の北北西部一帯が割り当てられている。
かつて新人時代のソレーヌと、冒険者時代のマリナ、ミゲルが在籍していた地域。
《第8地区》
グレンディル共和国の地域のひとつ。
国の南東部一帯が割り当てられている。
区都はオータムフィールド。
サンドチームがかつて在籍していた地域。
《アム・マインツ》
第7地区の区都にして中心都市。本作の舞台となる場所。
5つの地域に分かれており、各地域は水路によって分けられている。
北部は高級住宅エリア。クルスの拠点がある場所。第1章の舞台。
南部は庶民の住宅エリアで、冒険者ギルドはここに属する。第2章以降の主な舞台。
西部は工業地区、東部は商業地区。
中央部領主の館や憲兵隊本部などがある行政区となっている。
《南南西の森》
アム・マインツ南門を出てすぐの森。街から外周を監視できるほどに近い。
出現モンスターが弱く、初心者冒険者の最初の冒険先に選ばれることが多い。
第2章ではメルティが主にここで活動していた。
かつては『スライムの森』と呼ばれる程にスライムが多数生息していたが、
現在は何故かその個体数が大きく減少している。
何故かここにいないはずのゴブリンが出現したことが、その後の事件の発端となる。
一連の事件終了後はスライムが戻り、元の生態系を取り戻した。
《第23番旧坑道》
アム・マインツ近郊のダンジョン。
同じく初心者向けの冒険先。
メルティ達がソレーヌからクエストを託された。第3章前半の舞台となった場所。
【用語】
《異世界》
こことは異なる世界の総称。
うち1つが、錬金技師オパールの出身地。異世界渡航船を用いて移動してきた。
オパールは異世界の東京から来たが、錬金術が発達しているなど、"この世界"とはやや異なる。
この異世界から持ち込まれた技術や概念が幾つか、メルティ達の世界でも使われている。
メルティ達の世界の言語はオパールの世界と同じ。というか同じ言語の世界を選んでオパールがやってきた。
《勇者と魔王の時代》
遥か昔にあったとされる時代。現在ではおとぎ話とほぼ同義として伝わっている。
ジョブ、勇者、異世界転生など、この時代から伝わるキーワードが幾つかある。
《ジョブマニュアル》
この世界の冒険者が、ジョブに就くために必要な手帳サイズの本。
この本が無ければジョブに就くことが出来ないが、本があっても適性が無ければジョブチェンジ出来ないなどの制約がある。
今まで確認されていなかった『モンスター職』のジョブマニュアルが発見されたことが、一連の物語の起点となった。
《経験値オーブ》
この世界に漂う魔素のひとつ。
この経験値オーブを、ジョブマニュアルに一定数取り込ませることでレベルアップできるようになる。
人間以外は、これを取り込むことによって動物が魔物化したり、魔物が上位種に進化したりする。
そのため、人間と魔物との戦いは、この経験値オーブの奪い合いとも言える。
《スライム》
オパールによると、この世界のスライムは、魔水晶が液状化し生命を宿したケイ素生命体だと推測されている。
野生種のスライムは言語を持たないが、代わりに他のスライムとの接触により、記憶や意思を伝えることが出来る。
一般的には『最弱のモンスター』として知られているが、その生態などの研究は未だ進んでいない。
《硬化》
スライムの形状変化のひとつ。
ドロドロの液状の体をゼリー状に固める事を差す。
主に敵への攻撃用に使い、加えてメルティは物を持つなどの日常動作の一部にも用いている。
《シリコン化》
スライムはケイ素由来の生物であるため、特定の魔力を注ぎ込むことでその形状を変質させることが出来る。
火の元素フロジストンを使用する事により、その表皮を人間のような柔らかさに変換することが出来る。
メルティの人間への変装はこの技術を用いて行われる。なお着色は絵の具などを用いる。
《メタル化》
スライムがケイ素金属へと変貌した姿。半導体と非常に近く、硬くなるほか、情報伝達速度も大幅に上がり、速度上昇をもたらす。
多量のスライム達と意識をリンクする事によりさらに超高速で移動できるようになる。
雷属性の魔力を取り込む、もしくは闇魔法を反転させ雷属性化させる事で状態変換することが出来る。
しかし、MP消費が非常に激しく、現在のメルティが長時間使用すると、その反動を受ける事となる。
《スライム娘》
ジョブマニュアルによってスライムの姿と化したメルティを、野生のスライムと区別するために、クルスによって命名された名称。
基本的にはメルティ達の自称である。
元々はオパールの世界の、アニメ等のフィクションの世界で用いられていた呼び方。
《同化》
元は別々のスライムが、そのコアを結合し合う事で一体化し、ひとつの存在となる現象。
瀕死のメルティを救うため、南南西のスライム(アオ達)がメルティと一体化した。
野生種のスライムの場合、同化すると記憶や思考も完全同一化するが、人間の思考を持つメルティを含む同化は、それとは異なる独自の状態となった。
《ゴブリン》
緑色の皮膚をした人型のモンスター。
年齢や強さの序列により装備品が異なる。
戦闘員のうち、最も弱いものは『盾持ち』、その次が『弓持ち』、その次が『ソード持ち』と人間からは呼称されている。
さらに上位にはホブゴブリン、レッドキャップ、ボスゴブリン等がいる。
ゴブリン集落が各地にあり、その中で集団で生活をしている。
《魔法鉱石》
魔力を帯びた鉱石。第7地区周辺は特に産出量が多い地域である。
《魔水晶》
魔力を帯びた水晶で、様々なものに使われている。マナストーンとも呼ばれる。
《フロジストン》
炎の魔素。主に魔素鉱石として産出されるが、空気中にもわずかに存在する。
炎の魔法などは、これを燃料にすると言われている。
メルティのシリコン化は、主にこれを利用する。
《ネロジストン》
氷の魔素鉱石で、主に氷の魔法はこれを燃料にすると言われている。
フロジストンと同様に空気中に僅かに存在し、冬や早朝の空気中にはこの成分が多くなる。
メルティの身体を経由すると、魔法などの属性を反転させるという効果がある。
ほか、風の魔素鉱石アネモジストン(アージストン)、土の魔素鉱石ゲーギストンなどもある。
また、鉱石系魔素ではないが、光や闇の属性の魔素も存在する。
《ブル・アプサン》
傷を癒すHP回復アイテム。いわゆる薬草。
小さな青い花が咲くヨモギのような植物。南南西の森ほか、各地で採取できるごく一般的な薬草。
回復量は多くないが、新米冒険者程度のレベルなら充分な回復量を持つ。
食べるか、すりつぶして傷口に付けるかして使うのが本来の使い方。スライムのアオの着色にも使われる。
メルティの体内で溶かして取り込むと、体液が青色に変化する。その状態で人間の傷に触れると傷を癒すことが出来る。
第2章以降で主に使用する回復方法。
《薬草パウダー》
通常の薬草よりも回復量が高い回復アイテム。複数の薬草を粉状にして混ぜ合わせて市販されている。
メルティの体内で溶かして取り込むと、体液が緑色に変化する。
第1章で主に使用していたが、ブル・アプサンと比べると高級品のため、第2章以降では使用していない。
《ルージュハーブ》
本来は、MPを回復させるマジックポーションを作る材料のひとつ。
葉の状態ではごくわずかな量のMPしか回復できないため、市販されない。
メルティは体内に取り込んで、効果を倍加して自分のMPを回復できるため、街の道具屋に格安で譲ってもらった。
メルティの体内で溶かして取り込むと、体液が赤色に変化する。スライムのルーの着色にも使われる。
基本的には他者には使えず、自分のMP回復用。
《グリーンティー》
ごく一般的なお茶。スライムのミドの着色にも使われる。
お世話になっております。作者の日高うみどりです。
第4章を、3月1日より始めていきたいと思います。
今回は、初日を除き、2日に1話のペースでの更新とさせていただきたく思います。
全80話前後の予定です。
第4章は『日常』をメインテーマに、メルティ達の活躍を書いていけたらと思います。
長丁場ではありますが、どうかお付き合いいただけましたら幸いです。




