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3-2 カフェ

見慣れない場所、なにから始めたらいいかという不安、多くの心情が頭の中で交差する中にもどこか懐かしさを感じた。

 それは始めて異世界に来たときのこと。いわば全ての始まり。直前まで現実世界で、当たり前のように明日を待っていた。時としてそんな当たり前は、一瞬して消えるということを痛いほど学ばされた。だからこそ、些細な出来事、風のようにすぎる日々の一日一日を大切にしようと思った――実際にそうしていた。だが、そんな日常も自分では塞げない形で、無惨にも奪われた。誰がそんなことをしているのか、なんのために、どうして俺なのか、疑問は尽きない。

 ダンジョン内の出来事もそうだ。過去に行ったことについてグロッケンは何も知らなかった。確かに過去へ別れを告げることは出来た。しかし、わざわざやり直しをさせる必要はあったのか。


――だめだ、また悪い癖が出てしまっている、必要以上に悩むな。


なんとか自己暗示をかけて耐え忍んでは居るが、何度戦っても、どうやっても、全て消されるという形で否定されいるのだ、精神的に限界が近づいてきているのを感じる。

 正解などわからない、誰を頼れば信じればいいのか、それとも自分を信じればいいのか、誰も選択の先などわからない。だからこそ、わからないものをわかるようにするため、今は進むしかない。


「こうしちゃ居られねぇ・・まずは情報収集だ」


人生三回目の世界。今回の目的は、賢者の石を手に入れ、バリアを壊せるほどの力を得る。力を得ればなにかしら過去へ来てしまった事情がわかるはず、という目論見だ。

 

召喚された付近にある町へ行くことにした。この町は、いや村というべきだろうか。それほど小さな町ということだ。町の構造としては、湖を中心として、周りに建物が立ち並んでいる。異世界二度目となれば、始めに行くべき所は検討がつく。だが、この世界の人々にとって賢者の石はどんなものなのかということを知る必要がある。

 考えられる可能性は二つ。恐れられているor伝説の代物として商人の夢になっているかのどちらか。大抵そういうものには伝説――俗に言う”逸話”が付き物なのだが、それを信じている人々がどれほどいるか、というのが可能性の中のどちらかというを決めることになってくる。


――とにかく、顔見知りを作ることにしよう。飲食店の店主とでも仲良くなるか。


この街を一周したところ、飲食店は6つ。その大半が飲み屋だった。未成年ということもあり、飲み屋ではなくこの町唯一のカフェテリアらしい所へ行くことに決めた。


”ピカッ”

 

 素朴な外見に、見つかりにくい場所に建っているその店は、あまり人気がないのか人の出入りが極端に少ない。実際、自分もたまたま視界に入ったおかげで見つけれたが、何も知らずに町を歩いていても見つけられるとは思えない。


”カランコロン”


ドアについている”あれ”の音がなりひびく。


「ご注文は?」


「えっと、じゃあこのカヒってやつで」


この世界はなぜか日本語が存在している。もちろん言葉もわかる。

 とはいえ、物の名前、人の名前、建物の名前までは共通しているはずもなく、メニューの一番上にあるカヒを頼んだ。


「おまたせしました」


出てきたのはただのコーヒーだった。どうやらコーヒーをカヒというらしい。



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