【第三話】
朝起きた時と同じように若干だるさが残るが目を覚ました。
「…」
見慣れない部屋に疑問があったが、すぐ倒れる前の記憶を思い出し宝石を確認した。
様々な情報が頭に流れ込み自分が何者か、この宝石が何なのかを理解する。
「ダンジョンマスターになってしまった…」
正直この手の漫画や小説は見てきたが、できればチート能力を使って田舎でゆっくり暮らしたい願望はあったが、この流れだと人間と対決しないといけない展開になる。
色々読んできた本を思い出すと冷や汗が止まらなくなる。
流れ込んだ知識にも侵入者を殺すことで、ダンジョンポイントを稼げる事が分かっている。
生きるために人と戦うことになるかもしれない…。
その前に自分が殺されないためにダンジョンを作らないといけない。
まず自分自身の能力を情報解析する。
名前 サン
レベル1
種族 人間
職業 異世界人 ダンジョンマスター
スキル 超回復 情報解析 交渉術 経験値増加
HP 300
MP 300
攻撃力 300
耐久力 300
知力 300
精神力 300
敏捷 300
幸運 300
…ちなみに一般的な兵士のレベル1の平均は
HP 100
MP 30
攻撃力 30
耐久力 30
知力 30
精神力 30
敏捷 30
幸運 30
である。
もちろんレベルアップするたびに強くなるが、最初からゲームオーバーな展開は少なくなったため少し安堵する。
またダンジョン外では能力が半減するため気を付けないといけない。
今必要なことは8つ
・ダンジョンマスターが死亡した場合、ダンジョンのモンスター及び、奴隷が消滅する。
・ダンジョンを作成するにはダンジョンコアに触らないと作成できない。
・ダンジョンを作成し地上と繋げない場合、1週間後にランダムで繋がってしまう。
・ダンジョンコアは王の間(今いる部屋)から動かす事ができない。
・ダンジョンのレベルは、ダンジョンマスターのレベルが上がるたびレベルが上がる
・ダンジョンのモンスターを強化するには、ダンジョンのレベルを上げる事により強化できる
・ダンジョン内で侵入者を殺すことで経験値が手に入る、またはダンジョン外でモンスターや人間を倒すことで経験値が手に入る
・ダンジョンポイントは人間だとレベル×1000ポイント、モンスターだとレベル×10ポイント手に入る。
この他にも細かいルールはあるがそこは後回しだ。
ダンジョンポイントが初めから3000ポイントと異世界人ボーナスでSSSランクモンスターチケットが1枚ある。
まず王の間の隣に大部屋を500ポイントで作り
SSSランクモンスターチケットを使う。
可愛いエルフや天使などがきたら、この世界のことを教えてもらいながら毎日俺と一緒に寝る事を命令したり、もしかしたらドラゴンなどが出てきて部屋に入りきらないと考えて大部屋を作ることに念を入れたり考えていたが…
チケットが光った途端、急に部屋が暗くなりドス黒い空気が流れこんでくるのが分かる。
黒い空気の中心が晴れてきて挨拶をしてきた。
「至高なる我が主君…我が名は『リッチ』魂を操る者」
…!!
正直めちゃくちゃ怖い、生きている事に絶望するような恐怖感と、エルフや天使が生まれなっかた絶望感で滅茶苦茶な気分になっていたがリッチの忠誠心が直接俺の心に伝わってきたおかげで何とか落ち着く事が出来た。
「今後必要な物があれば言って欲しい」
と声をかけると
「必要なものはありません。ただダンジョンを強化するのであれば、骨が欲しいです」
と返事が返ってきたので「分かった」と伝え王の間に戻った。
王の間で冷静に考える。
先ほどリッチを情報解析した時、黒い空気に瘴気と出ていた。
瘴気とは生きている者に、毎秒ダメージを与える事ができ瘴気が濃ゆい場所だと毎秒1ダメージ与えることが出来る。
そうなると他のモンスターは生物じゃないほうが望ましい。
またダンジョンは洞窟型の方が瘴気が溜まりやすくリッチも戦いやすいと考えダンジョンを作成する。
1階に小部屋を100ポイントで設置。
地下1階に小部屋を100ポイントで設置。ボタン式扉を100ポイントで設置。
地下2階に先ほど召喚で利用した大部屋に500ポイントで迷路を追加。
地下3階に中部屋を300ポイントで設置し300ポイントで毒部屋を追加。
地下4階に中部屋を300ポイントで設置。リッチを入れる。
地下5階に小部屋を100ポイントで2つ設置。
地下6階に王の間
地下5階の小部屋にモニタールームと全部屋に監視カメラを200ポイントで設置。
生活できる家具・トイレを100ポイントで設置。
もう一つの小部屋をスキル付きの牢屋(牢屋に入れられた者は完全無力化になる)を500ポイントで設置。
1階に噴水を100ポイントで設置。
モンスター 魔菌 50ポイント
種族 植物 魔物
スキル 瘴気 繁殖
地下1、2、3階に配置
モンスター スライム 50ポイント
種族 魔物
スキル 増殖(水が必要)
1階に設置。
ダンジョンの入り口は村と湖が近くにある場所に設定し、3000ポイント使い切った。
あとは1週間、スライムと魔菌がどのくらい繁殖するか確認するだけだ。
そう考えていると、上から『ジリリ…』と音が聞こえる。
そうだった…
自分の借りているアパートと繋がっているのを忘れていた。
すぐ王の間から階段を駆け上り目覚まし時計を止める。
二つの世界を行き来できるこれは正直面白い。
にやけ顔が止まらなくなり仕事をしてから、インターネットで色々調べる事にしようと考え自分のディスクに座った。