異変
沙織の体に異変が起きたのは、彼女が19歳の誕生日を迎えた数日後。
生理が終わり、本来は体調がよくなる時期に、
急な発熱。
39℃を超え、さむけや嘔吐、下痢も。
すぐ、女性のマネージャーに連絡して、
クルマで病院に連れて行ってもらった。
沙織は自宅のマンションで数回もらしていた。
水のような下痢で、トイレまでがまんできなかった。
女性マネージャーは、「お腹はどう?もらしたりしなかった?」
沙織は率直に打ち明けた。
マネージャーは病院の女性看護師にもその件を伝え、
沙織は入院させられた。
紙パンツをはかされて。
診断は「急性胃腸炎」で、
約3週間の安静加療。
少なくともその間は、アイドルとしての仕事はできない。
それについては芸能事務所の公式サイトでも告知され、
沙織の実家から母親が上京。
芸能事務所が手配したホテルから、日中だけ病院に来てくれることになった。
事務所は誠実で、母親が「このたびはたいへんご迷惑をおかけしてすみません」と
言ったのに対して、
「元気になるまで、しっかり療養しましょう。さおりんの大勢のファンから、お見舞いのメールをいただいています」
沙織は3週間余入院して、自宅へ。
母親は実家に帰って行った。
自宅でしばらく休養して、体調をみながら少しずつ仕事を再開する予定が立てられた。