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70、それを説明とはいわない気がする


「嘘だろ……魔龍ガールと聖女様が同じグループに…………」

「だから魔龍ガールではないと言っていますよね?」


あの後、状況を知っているのか知らないのか……どちらにしても空気の読めないアレックス先生が森へと私達を飛ばしてくれた。

昔、ミフィリアと初めて会った場所だ。


「今日は、一日この森の中でサバイバルをして欲しい!」


その言葉に大きくざわめく。そりゃそうだろう、ここにいるのは多少の知識と魔法を持った箱入りのご貴族様方ばかりなのだから。

サバイバルなんて論外、使用人のいない所に1時間といた事のない者達しかいないのに、この人はニコニコと笑っている。空気が読めないとかそういう次元じゃない。

いやもちろんこの学園の卒業生達には、魔法騎士団に入ったり騎士団に入ったりと実戦を視野に入れた人が多く、そういう方々のことも考えると結構いい課題なのかもしれない。

ただ、そんなこと微塵も考えていないおぼっちゃまや、紙で指を切っただけで失神するようなお嬢様も強制参加とは……なかなかすごいことを強行しているな。


「グループで森の中に入り、各々魔物の観察をして欲しいんだ。グループの数だけ小屋もあるから、それを見つけて基点にしてくれ。あまり深い所にはないから安心してもらっていい、多分出会う魔物はこちらを見て逃げるものか向かってきても君達なら対応できるくらいのものしかいないよ、時間は夕方までなんだけど……帰ってくる時間には僕の精霊でお知らせするから」


「じゃあ始め!」と強引に話を終わると、いつの間にか姿を消した。あの先生、実はかなりすごいんじゃないのか……?

他のグループでは、果敢にも森へと入っていくところや、アレックス先生の悪口を言って座り込むところ、どうしたらよいかわからずに立ちすくみ震えるところと様々だった。ちなみに私のグループは、3つの中の1番目に該当するのだろう。


「聖女の私が魔物からお守りいたしますからね!」

「だからといって目に入るもの全てを攻撃しないでくださいね?魔物には戦う意思のないものだっていますもの」


ただし、アイナ嬢がから回っているが。

マーフェディアから言われたことを根に持っているのか、彼には近づかずレオン様にも適度な距離をとるという萎れっぷり。不用意に魔物に危害を加えて欲しくないので、と宥めているものの、私を魔女と認めた日から彼女は遠慮がなくなったのだ、前よりも幾分か攻撃的になり、それに伴い『聖乙女教』の教徒達も大きく出るようになった。最近は私が参考書を閉じるだけで聖女様に呪いをかけているのだと聖乙女教の者達は噂するもんだからたまったもんじゃない。

まぁ、魔女という名前が広まっているからこそ私の迷惑がメイリーン家にかからないのも事実だ。私が『魔女』だから聖女様に反抗している、となっているし、『メイリーン家の伯爵令嬢』が反抗しているとはなっていない分まだましなのか。


「あれが小屋ですかね?先に見てきます」

「マーフェディア様早っ……」

「リズはゆっくりでいいよ?なんなら抱きついてもらっても抱えさせてもらってもいいのに」

「そんな不敬罪まっしぐらなことするわけないじゃないですか!」


「それは残念」と笑いながら私の手をとるレオン様についていく。そういえば、と、アイナ嬢とミリアンナ嬢に意識をとばす。彼女達はどうしてそこまで仲良くなったのだろうか。










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