61、大人しくしてくれればいいけど……
ちょっと色々と手が離せない案件が多かったので久しぶりの投稿です。
ごめんなさい。
「やっぱり……エリザベス様は魔女だったのですね。私が光属性の力を持っているからこんなことを……エリザベス様の催眠で皆様こんなことになってしまったのでしょう?」
「貴女ねぇっ!」
その言い草についにイヴちゃんがブチ切れて掴みかかろうとする。咄嗟にジルが抑えてくれたけど、ジルの顔も凄いことになっている。リューとレオン様も無表情でアイナ嬢を見据えていた。
「……それは、エリザベス・メイリーン伯爵令嬢と、我々、ひいては僕レオンハルト・リスタニアへの侮辱と取っても構わないんだね?」
「そっ、そんなわけではありません!私はこの世界を救う聖女です。きっと皆様の洗脳を解きますから!童話のように、聖女の務めを果たしますから!」
そう叫ぶと、私を一睨みして走って行った。レディとしてありえない程綺麗なフォームで走っている。もはや敗者を感じさせないでかなり立派な気がするんだけど。
「……あれが聖女とは、この世界も末だな」
「いやだわジオラーク様、私はあの売女を聖女だなんて思ってもないですもの。真の聖女様はエリィ様です」
「イヴちゃん私聖女とは程遠い位置にいるからね、ミフィリアが拗ねちゃうからそんなこと言うのやめな?」
一周回ってニコニコしながらイヴちゃんとジルが話すのを、必死にストップする。いや本当にあの子が聖女なんだから、私を聖女もどきにしないで、魔物と契約しているうえに私悪役令嬢なんだから。
「…………リズ、聖女誕生祭の日に予定はあるかい?」
「いえ……まだ先のことで断定はできませんが、きっと無いかと」
「なら、少しだけ時間をくれるだろうか?聖女様が君を魔女だと言いふらしているから辛いこともあるかもしれない。だがその分、君は俺の婚約者であり愛している人だと刷り込んでおきたいんだ。変な気を起こされる前にね?」
「は、はぁ……」
「ドレスも全てこちらが用意する。実は王妃様がリズのアロマを気に入っていてね、あれがないと眠れないとまで言っているんだ。国王陛下もリズの手腕や柔軟な創造力を買っていて、王族は君のファンだらけなんだよ?そんな君のためならば助けてくれる、王妃様に至ってはリズを義娘にする気満々だからね」
おぉ……それは凄いことを聞いてしまった気がする。
私王室にアロマを送ってないんだけど、もしかして正規ルートで買っていらっしゃる?なにそれ私不敬罪?しかも気に入ってくださっているだって?下手なことできないぞこれ……したこと無いけど。
「いやあの、私領地の経営もあるんだけどー」
前途多難過ぎるだろこれ。




