58、この人が1番怖い
「祝福っていうのは、聖女様にしか使えない魔法だ。土地や作物なんかに対して力を使い、豊かにする力のこと。この世界の飢饉とかは祝福があれば大抵は解決するんだよ」
うんうん、知ってる。だって私この国の大飢饉救ったしね。ゲームでなんだけど。一年後にここリスタニア王国に大飢饉が起こるのだ。
そこでヒロインは聖女として国中を憂い、祈りで無意識に国中に祝福をかける。その後、疲労で倒れたヒロインにルートの攻略キャラがお見舞いに来るというストーリー。
「精霊についてはだいたい話し終わったかな?それじゃあ魔物についてだ」
心做しか精霊の時よりも生き生きしている気がする。
「魔物には位があるんだ、ざっくり言うと5つに分けられる。
1、ドラゴンやワイバーンなどのドラゴン型
2、フェンリルやカーバンクルなどのアニマル型
3、ピクシーや木霊などの妖精型
4、人喰い花やアルラウネなどの植物型
5、その他の下型
の順で位が高いんだ。魔龍ガールの幻影の魔龍は、ドラゴン型の中でも最上種なんだ!興奮するね!」
「そうですか……」
「森にはたくさんの魔物がいるけど、奥に入らない限り強い者には会わないから安心してくれ。いつか皆には森で魔物の観察と、討伐をしてもらうつもりだからな!」
時間が来たのかキラキラの笑顔で締めるアレックス先生に置いてけぼりの生徒達がポカンとしている。
なかなかに自由な人だけど、面白い授業だった。前世の学校で人気者になるタイプの先生だろう。ミフィリアと私が危ないけどね。
「それじゃあ、今回の授業は終わりだ!礼!」
ありがとうございました。と礼をして、机の上のノートを片付ける。




