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57、急な先生モードだわ……

後一つくらい山を終えたらエンドになりそうだけど、それまで私が持たなそうだわ……


「…………さて、今黒板に精霊と魔物のだいたいの説明を書いた。今日はこれを覚えていってもらう」


 教卓についた両腕に体重をかけながら、ニコニコと黒板を指した。数人がノートを取ろうとバッグを探っている。こんな風な座学や筆記のテストだとかは少ないから、ノートを取ろうとしている人は数人しかいなかった。ちなみに私とイヴちゃんとリューはノートを取っているが、残りの2人は余裕そうに頬杖をついている。

レオン様に至っては、顔を正面に向けたまま私を凝視している。やりにくい。


「まずは精霊からだ。精霊には5つの属性がある、火・水・風・土・光だ。ここリスタニアは風の加護が強いからこの辺りの精霊は風属性が多い。まぁ、ここら辺は契約の時に説明されてるだろうからとばすぞ。……このクラスには上級精霊と契約しているのは何人いる?」


私が手を挙げ、ワンテンポ遅れてジルが勢いよく手を挙げた。……いや、隣のリューが頬杖にしていた方の手を無理やり挙げたからガクンとかっこ悪く頭を打ちかけている。


「ほうほう、2人もいるのか……しかも魔龍ガールもか、君はなかなか才能があるぞ……あぁ、上級精霊は普通の精霊とは魔法の威力が違うんだ。中でも最も違うのは精霊に体があること。上級精霊にだけは目に見える体があって、契約者にのみその姿を見せるんだ。君らの精霊はどんな姿だい?」

「私の精霊は、水でできた蝶の姿ですわ」

「…………俺のは鳥の形をしているな」

「ちなみに上級精霊や、精霊を2体同時に契約している者はかなり希少価値のある人物だからね?自慢していいことだよ?」


バチンと私達の方へとウインクをして、ケタケタと笑う。この人の頭は大丈夫なのだろうか。


「そして光属性の精霊は、世界を救う賢者や聖女の力となる者達だ。数百年に一度しか選ばれないらしいから、そこの聖女君は運がいいね!」

「運ではなく私はなるべくしてなったのです」

「そうかい!いやぁ、自信があるのはいいことだ!」


アイナ嬢いたのね。気づかなかったわ……あれ?隣にいるのは緑の髪の……何嬢だったかしら?

とりあえずアレックス先生の印象が『変人』から『変人で残念なイケメン』にイメージが変わったわ。

それにしても、聖女ことアイナ嬢はなんだかゲーム内と違う言動を多くする気がする。なんでだろうか。


「光属性だが……攻撃力がない。防御も援護もできない。できるのは回復だけなんだが、回復のできる水属性の回復よりも性能が格段に上なんだ。しかも聖女様になったらできることが増える……祝福ができるんだ」


隣のレオン様がピクリと動いた。






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