35、真の友情というやつですわ
「ハハッ……んだよそれッ」
「ジ、ジル?」
腹を抱え、目尻に涙を溜めながら笑うジルにオロオロしていると、急にジルがこちらを向いた。笑いすぎて顔が真っ赤だし口角が上がりっぱなしなんだけど。
「なるほどな……お前らしいな。前から変わり者だと思っていたがここまでとは思わなかった。自分のためじゃなくて魔物のためってところとか聖女の座をハンデとして渡すとか、本当にお前は……バカだろ」
「言い過ぎですわジオラーク様!……エリィ様、私はエリィ様の御心に惚れ込んでいますの、ですから、エリィ様が自らの道をお決めになったのに私が応援しないなんて選択肢はありませんのよ!」
「そうだね、君は僕らの友達なんだろ?それじゃあ応援するさ。聖女だなんて面倒事は押し付けておくのがいいよ」
皆が言い終わって私の目を見てニコリと笑う。
しかし、それと反比例するように私の顔は渋くなった。
「なんで皆レオン様と同じことを言うの……」
ミフィリアのことを最初に伝えたのは婚約者であるレオン様だ。
その時も「リズらしい〜とか自分のためじゃなくて魔物のため〜とか応援する〜とか面倒事は〜とか」言っていた。なんで?
それが口に出ていたのか、皆が一斉に笑い合う。ジルなんて死にそうだしイヴちゃんもリューもいつもの上品さをどこに置いてきたのか疑うくらいに笑っている。
「…………やっぱりレオンハルトには勝てねぇなァ」
「確かに……王太子殿下には敵いませんわ」
「殿下が一枚上手……だったみたいだね?」
口々に笑いながらレオン様を褒めているが、全くもって面白くない。何が一枚上手だ、あんな殺人王子に負けただなんて。
あぁ、まだ私は生きてるから未遂なのか。ってそんなことどうでもいいだろう。
「……契約ってことは寮にもそいつを連れて行くのか?」
「えぇ、私と契約しているわけだから連れていくわ」
「そうなると一部の人から嫌がらせを受けるかもしれないよ?」
「あら?天下のメイリーン伯爵令嬢に嫌がらせが出来るものなら受けてたちますわよ?」
「それでも私達と王太子殿下はエリィ様の味方なので、私達も嫌がらせ撲滅致します!」
「ミフー!」
いつの間にかミフィリアがお茶請けのマドレーヌを頬張っていたが、自信ありげに一鳴きした。
入学まではあと3年もあるというのに、私の大好きなお友達は気が早いようだ。今までとは違う胸の熱さに、最近膨らみ始めたそこを強く抱きしめる。心から笑えた気がした。
はい、序章終わった!
もうちょいで本編!
これからもよろしくお願いします!




