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20、お父様始動!です


「まぁとりあえず王太子殿下との婚約破棄についてだな」

「は?ちょっ、お兄様?」


お兄様にガシッと腕を掴んで待ったをかけるが、それすら何処吹く風に私を引きずりながらお父様の書斎へと向かう。

マジでやばいって、私が色々とまずいんだって。

ほら、お兄様と私ではコンパスの違いが大きすぎるんだからすぐに着いちゃったし、本当に、レオン様も大変だったけどお父様を鎮めるのも大変だったんだよ。あの時納得してないって顔してたから良い機会だと本気で動くよ絶対。


「ウィシリオです。父上」

「わ、私エリザベスもいますわ!」

「あぁ、入れ」


お兄様が大きな扉を開けて、私と共に書斎へと入る。お父様は何か書類を整理していたらしく机の上に白い巨塔が出来ている。

もしかして王宮の上役さん達はワーカホリックなんじゃなかろうか。


「僭越ながら、エリザベスの婚約者レオンハルト殿下の件について話したいと思いました」

「やはりか」


なんか若干嬉しそうになりましたねお父様。いい大義名分が出来たとか思ってないですよね?……絶対思ってるあの顔。


「で、でも情状酌量の余地はあります。レオンハルト殿下が一緒にいたのはアイナ・シトラル男爵令嬢で、彼女は光魔法の使い手だったので仕方の無いことかと」

「シトラル男爵令嬢は光魔法の使い手……だと?」


疑わしいと顔全体で表しながら私の言葉を復唱する。隣のお兄様も信じられないと顔に書いてある。

それも仕方ない、この世界で光魔法の使い手とは国内だけでなく世界全体を最良の未来へと導く者だと言われているからだ。ゲームでもこの設定が大前提で進んでいたし。昔物語や御伽噺でも、『大昔に光魔法の賢者が大飢饉を救った』とか『光魔法の聖女が一雫涙を落とすだけで世界中の穢れが浄化された』とか『光魔法の神の使徒が祈るだけで原因不明の流行り病が治った』とかが探せばごろごろ見つかる。

つまり、この世界は種族差別とか格差とかはあるくせに光魔法を使えるというだけでこの世界の誰よりも優遇されるのだ。


「目の前で魔法を見ることができたか?どうだった?」

「えぇっと……胸の前でこのように指を組んで祈ると光の円が彼女を中心に広がって……確か半径二メートルくらい?でした」

「……半径二メートル?たったそれだけなの?」


お兄様がそう問いかける。しかし本当にそんなもんだったんだからしょうがない、私は嘘は言ってないし。


「そういえばジオラーク……ミスミレン伯爵家の次男様が彼女の魔力量が極端に少ないと仰っていました。私と彼女ではミジ……針穴と王宮くらいの魔力量の差があるとか。半径二メートル程の範囲の魔法を放つと無くなる程度しかないと」

「その言葉に信憑性は?」

「彼は風の上級精霊の使い手です。試しに魔法騎士団の副団長殿の魔力量の鑑定をしたところ、結果はピッタリ同じでした。副団長殿のお墨付きですね」


「そうか」と短く反応して何かを考える素振りを見せるお父様に少しかっこいいと今更ながらに思った。いつもこんな風に威厳ある父親として振舞って欲しいのに。口を開けばお母様と私がかわいいとしか言わないんだから威厳もくそもない。


「ウィシリオ、婚約破棄の件は保留だ。お前は光属性の発見にあたり各貴族の対応と反応について学友から探りを入れろ、私はシトラル男爵について調べておこう」


……どうやらヒロインの発見は意外にも大事だったようです。

とりあえず婚約破棄騒動が沈静化してよかったけど。







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