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2、死亡フラグが立ちそうです

お父様の名前は、デリアス・メイリーン

お母様の名前は、セシリアート・メイリーン

です。

すみません何の説明もなしに登場してます。


「エリィ、明日に控えた舞踏会だが一つ言っておきたい事がある」


眉間に深くシワを刻みながら、父もといお父様が書斎のデスク越しに私へと話しかける。

傍らにはお母様が腰掛けていて対照的に美しく微笑んでいるが、どことなく部屋全体に重苦しい雰囲気が漂っていた。


「舞踏会には王太子であるレオンハルト殿下がいらっしゃる」

「存じておりますわ」

「殿下はお前と同い年で、しかも見目麗しい御方だ」

「えぇ、それも存じておりますが?」


つまり何が言いたいのお父様?

と暗に示しながらコトリと首を傾げた。

王宮主催の舞踏会なのだから王太子殿下がいらっしゃるのは当たり前なのだし、王様も王妃様もとてもお美しいお顔なのだからきっと王太子殿下もお綺麗なのでしょうね。

ていうか私前世で16歳の王太子殿下攻略しましたし。

まだ唸っているお父様に痺れを切らして、お母様が横から代わりに繋げてくれた。


「つまり、お父様は貴女に王太子殿下に惚れて欲しくないのよ」

「おいセシリアート、余計な事を」

「あら?私に毎日泣きついて来たのは誰だったかしら」


扇子で口元を隠しながらそっぽを向くお母様に焦って反論するお父様にちょっとかわいいなんて思ってしまう。

私の両親は美形だし、未だ社交界では頬をそめる方もいるくらいには整っていると思う。娘の贔屓目で見てもそうだと思うし。


「お父様、安心してください。私にはまだ婚約者は早うございます」

「……そうか、ならば念のため地味な服装で」

「デリアス?私のエリィにパッとしないドレスを着させるつもりかしら?8歳とはいえ王宮主催の舞踏会は初めてなのだからこれまで以上に着飾らないと」

「お母様?私そこまでしなくても」

「何か言ったかしらエリザベス」


はいすみませんでした。美人さんだから余計に怖いよお母様。

まぁ、随分前から準備して貰っているキラキラのドレスや宝石は今着なければ勿体ないし前世でこんなの着た事なんてない訳だし。

着てみたい、って思うのは仕方ないよね。


「エリィ、明日は夜からの開会だけれど、ちゃんと早起きしなさいよ?やる事はたくさんあるからね」

「はいお母様、では失礼します」


扉を閉めてコツコツと優雅に自室へと戻る。

……待てよ?

レオンハルト殿下のいる舞踏会ってことは、明日私と殿下の婚約が決まるんじゃなかろうか。

確か幼い頃の舞踏会で一目惚れされて父親の権力最大活用アンドゴリ押しの婚約だって、レオンハルトのヤロー言ってやがったな。

あ、ゲーム内の話だから、決して不敬罪とかじゃないからね。

ということは、私がゴリ押ししなければいい訳ね。

おっけー絶対婚約なんかするもんか。

満足顔で自室の扉を開けると、中に控えていたサラが怪訝な顔で私を見ていた。おい私は伯爵令嬢だぞ、扱い酷くない?





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