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17、商会立ち上げですわ

新編です。


「ねぇ、イヴちゃん」

「はい!エリィ様!」


私の呼びかけに、最高の笑顔と小学一年生もびっくりのハキハキしたお返事で答えるのは私の初めての女の子のお友達、イヴちゃんだ。

数日前にお茶会のお手紙を出して、驚きの早さでお返事が来たのを鮮明に覚えているが、今日も座るやいなや「お誘いのお手紙が届いて1度、今日までの間も1日に3度、今日も家を出る前に5度も気絶していまいましたの」と衝撃告白をされた事がそんな驚きをことごとくかき消してしまった。

もはや彼女と関わらない方が彼女のためではないかと思っている。


「あのね、貴族の女性はやはり香水をつけなきゃいけないのかしら」

「そうですね……つけない方は見たことありませんわ。どうしたのですか?」

「実はね、私香水の匂いがあまり得意ではなくて。アロマみたいなのを探していて」

「……アロマ?それはいったい?」


不思議に聞き返すイヴちゃんを見て、ふと気づく。

やっぱ無いんだ。この世界には香水しか。確かに使用人や侍女達に聞いても知っている人は誰一人いなかったし、サラにいたっては「また何言ってんのこの子」みたいな冷たい目線を向けられてしまった。

何度かこの世界と前世のゲーム内との違いを見つけようとサラに一般常識レベルの質問をしていたから仕方ないのかもしれないけど、さすがに冷たすぎないか?私は伯爵令嬢だよ?扱いひどいって。


「いえ、私新しい香水のような物を考えつきましてね」

「まぁ!それは素敵ですわ!では商会を立ち上げますの?」

「商会……」


貴族が商会を立ち上げるのはさして珍しい事ではないが、私としては元庶民のOLの血がビビって尻込みしている。

ゲーム内の設定とは離れた事はあまりしない方がいいのかもしれないけど、お父様からも好きなことをしなさい、と言われているためハードルや技術面での心配はほとんど無い。


「そうね……まず自分で試作品を作ってみて考えるわ」

「エリィ様のお作りになった物ならばきっと大人気になりますわ!」


屈託の無い笑顔で笑いかけてくれるイヴちゃんに、ありがとう、とお礼をする。

そういえばアロマってどうやって作るんだろう。

私の簡単な知識では、植物を蒸してその水蒸気を冷やすと出来る、はずなんだけど。とりあえずミントとかから初めてみようかな。

庭師のダンヒルおじいちゃんにミントを大量に仕入れて貰おうか。


「もしよければ、最初の試作品のテスト役をさせていただけませんか?」

「えぇもちろんよ。もう少しかかるから待っていてね?」


優雅にアールグレイを飲み、少し微笑む。やっぱ金持ちの紅茶は美味しい。あぁ、また言葉遣いが……なんて思っていたが、直後にイヴちゃんが「んあ゛ぁ゛ぁ゛〜!!」という凄まじい雄叫びと共に倒れてしまったので現実に引き戻された。

本当に私は彼女と一緒にいてもいいのだろうか。








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