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11、魔法とは奥深いものですのね


「それでは、魔法についての講義を致します」


眼鏡をクイッと押し上げて副団長さんが続ける。

ガーデンに、最初の通りに座って真面目に聞く皆様の中には睡魔と激闘を繰り広げている方や、ガリ勉よろしくメモをとっている方もいた。もちろん私の隣にはレオン様がいらっしゃるが、私の反対側にはアイナ嬢が座っている。

最初はそこに座っていなかったでしょう貴女。


「魔法には属性があり、そして属性ごとに得意な魔法があります。

火は、前線での攻撃の魔法が得意です。

水は、状態異常や体力の回復の魔法が得意です。

風は、後方での支援付与の魔法が得意です。

土は、防御やトラップなどの魔法が得意です。

光は、攻撃力が皆無で回復魔法しか使えません。

しかし、上級精霊の場合得意な魔法が変化する可能性があるので注意が必要です。」


ほうほう、私の場合は上級精霊だからお楽しみって訳ですか。

それにしても、アイナ嬢講義そっちのけでレオン様に話しかけてるわ。すっごい根性だこと。


「これから皆様にはあちらにあるドールに向かって魔法をかけていただきます。全力で構いません、その後ドールを傷つけない程度に加減して魔法を放ってください」


副団長さんが話し終わると、そのドールとやらに目を向ける。

少し遠くに一体の影、ドールというか案山子だなこれ。へのへのもへじ描いてあるじゃん、手ぬぐいに色あせたTシャツ来てるしどう考えてもこっちの世界の案山子だろ。


「ではレオンハルト殿下からお願いします」

「わかりました」


にこりと王子様スマイルを副団長さんに向けて、案山子もといドールの前に立った。

そして両手をドールの前にかざすと、少し離れた私達の所でもグッと周囲の温度が上がって真夏のように汗が滲んだ。

これが火の精霊の力。

その後一瞬ドールが光り、ゴウッと音をたてて激しく燃える。

周りも息を呑み、その光景に釘付けになってしまって誰もが微動だにしない。


「ありがとうございました。では次にドールを傷付けずに周囲の草を燃やしてもらえますか?」


そう言い終わると一瞬のうちに轟々と立ち上っていた炎は消え去り、煤や焦げ跡すらない元の案山子に戻っていた。

レオン様はまた同じように手をかざし、緊張感が走る。

しかし、先程とは違い急激な気温上昇は感じられなかった。赤い光りがドールをつつみ、守るようにして周りを焼く炎を抑えている。

成功だ。


「すごいわ!レオンハルト様さすがです!」


皆が呆けて戻ってくるレオン様を見ているのに対して、アイナ嬢はまるで自分の事のように飛び跳ねてよろこんでいた。

私よりも婚約者らしいわね。さすがヒロイン、やるわこの子。


「では次は……ジオラーク様、よろしくお願いします」


後ろでのそりと動く気配がした。

次は、ジオラーク。2人目の攻略キャラだ。








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