目的地
話は少し前に戻り
オロチの助手席で十字はアゲハと鎌の化物の死闘を固唾を飲んで見ていた
カジノが合法化し、カジノ街が出来て過去よりは確かに治安が悪くなり、Ai内蔵の無人自動車やドローンを誘拐するような新しいサイバー犯罪が生まれるなどしたが、やはり日本は秩序があり平和な国だった
この数日間で起きた出来事のスピードにそれなりに人道的に生きてきた十字の脳は追いつけないでいた
目の前の化物と化物の戦いが終盤に差しかかる頃、オロチの失われていた自由が戻る
小型ロボのパグが見事に役目を果たした結果だった
オロチを起動させると同時ほどにリリは、護身用ドローンを作動させ、ドローンはカマキリ男をロックオンする
カマキリ男の追撃を少しでも遅らせる作戦だった
護身用ドローンはオロチを追い車庫出たカマキリ男を追尾する
外に出た途端、一飛びで50メートルも進むありえないジャンプをするカマキリ男の着地地点を計算しネットランチャーから金属の網を発射する
網にかかり自由を奪われたカマキリ男だったが鋭い鎌で脱出する
ネット弾は三発あり、この攻防を弾の数だけ繰り返す、リリの護身用ドローンは最終的にはカマキリ男の発射する針で破壊されるが、見事にその役割を果たした
オロチはこの空きをつき、小型ロボのバグを回収し電子エンジンを最大限回し走り去る
オロチは助手席に十字を後部座席に黒本ライを乗せ、東京の山岳部にある村の一角に建てられた大日本帝国研究所に向かうために国道を走る
普段は物資を運ぶ長距離無人トラックが多く走る道路なのだが、この日はパトカーやポリスドローンがやたらと目につく
おそらく、派手にビルを破壊する化物や手投げ爆弾などを投げるイカれた殺人鬼のせいだろ
防犯カメラや検問に捕まらないように
リリはこれも不測の事態のために用意して置いた偽装パーツ、データを使い オロチの登録ナンバー 車体ナンバー ナンバープレートなど偽装し、車体の色も黒から赤に変えるなど色々なカモフラージュをし、パトカーやポリスドローンの監視の目をくぐり抜ける
オロチの偽装により無事、大日本帝国研究所に着いたリリはそれまで警戒し後部座席に監禁していた黒本ライに境界線だった強化ガラスを開け外に出て受付をするように促す
大日本帝国研究所はまさに要塞である
日本宇宙機構の宇宙船が巨大な隕石から持ち帰った地球には存在しない高硬度な金属を元に造られた建物で
無数の監視カメラがあり、軍事用の無人兵器が建物の護衛をしている
オロチが研究所の敷地入り口の門に近づくとすでに無人兵器の円盤型の攻撃型アンドロイドがすでに監視をはじめていた
Aiの進化が進み、人間の生活に影響し始めた頃
各国の指導者たちにより兵器を完全に人工知能に委ねるべきかが議論される
多くの指導者たちは完全な機械、人工物が人間を殺す事に抵抗を持ち、兵器のAIへの移行にNoを出す
特に核兵器 ミサイル 宇宙兵器など大量殺戮兵器は人工知能の暴動を恐れ、完全な移行は行われなかった
戦車 戦闘機 戦闘アンドロイドなど一部はAI化するものもあったが兵士の護衛など補助的な意味合いが強く、直接的な攻撃は無人兵器が行う様になっていた
兵士は離れたコックピットから無人兵器をリモートで操り、敵を攻撃する、戦闘は無人兵器の壊し合いに変わっていった
その中、殺人を目的としない警察機構だけは武器をもつ人工知能、ポリスドローンが普及し全世界に広がっていく
日本においてもこれに同じく、人工知能は人の補助をする相棒的な要素が強く、兵器などには用いられなかった
大日本帝国研究所の様な要塞的な軍事施設であっても、この円盤型の無人兵器は警備室のパイロットにより操作されている
黒本ライは無人攻撃型アンドロイドに警戒されつつ、研究所の門の受付ディスプレイを開き、新庄に訪問を伝える
巨大な要塞の門は開き、オロチは無事に目的地に到着するのであった




