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東京ピラミッド  作者: らっきー
10/32

困惑

冷たい檻の中で十字はうなだれていた

ベルトも靴ひももコントロールキットなど通信機器もお気に入りの金のコインウォッチも没収され

手首には手錠をされた跡が残り少し赤く腫れていた


襲撃を受けた二人は思わず逃げ出してしまったが

十字はどこに移動するより警察に保護してもらうのが一番ベストだと思い直した


しかし ライは警察に行くのを固く拒否する

理由を言わないライにシビレを切らして強引に連れようとしたがライは腕を振りほどき そのまま消えてしまった


十字は消え去ってしまったライを探すことはせず襲撃現場に覚悟を決め戻る事にした


しかし近くまでくると一旦物陰に隠れ様子を伺う


倉庫にはパトカーが集結しポリスドローンや警官の姿が多数ある


十字は顔面を両手で叩き気合を入れるとパッと大きく両手を上げ 満面の笑みで倉庫に向かい歩き出した


十字が数歩も歩かない内に数台のポリスドローンに囲まれ、ドローンたちは攻撃態勢に入り銃を作動させる


程なく警官たちもハンドガンを構え十字を取り囲むと地面に押し倒し後ろ腕に手錠をした


「ちょっと待って」


十字に耳を貸す者は皆無で速拘束され連行されてしまった




ある程度広い留置場で十字は床に座り、こんなはずではなかったと後悔していた


留置場には十字の他に男が二人いて

「これが一番最初に彫ったやつだ」


アウトローの二人は入墨を見せ合い自慢話をしている


アウトロー二人の光景を見ていると余計に気が滅入る


「いつから殺人までやるようになったんだ?」


傷心している十字に鉄格子ごしに話しかけてくる男がいた


東南アジア系の顔にグレーのスーツを着てサスペンダーをしている


スーツは安物だが靴だけは割と上等なものを履いてるこの男は


ビリーポー 警視庁の刑事だった


捜査のためには白黒だけではなくグレーもあると考える彼は 十字の店の客で盗聴器などをよく購入する常連客だった


ビリーポーは鉄格子に右手を入れるとつまんだ留置場の鍵のキーホルダーをチャリンチャリン鳴らすと軽く笑う


十字はビリーポーと音を鳴らして揺れる鍵を見て深く安堵した



留置場から開放された十字は没収された私物を返還され 金のコインウォッチをはめて癖で時間を確認する


襲撃された倉庫には防犯カメラがなく犯罪行為をしてない十字は釈放となったが ビリーポーには聞きたい事が山ほどあった


使われていない会議室に十字を通すとビリーポーは不味いカップのコーヒーを差し出した


刑事の笑顔だったが目が全く笑っていない 広い会議室の簡易なテーブルに二人は座ると 刑事はポケットから灰皿ほどのコントロールキットを出し起動させる


ディスプレイには某沿岸の駐車場の防犯カメラの映像が流されていた


セダンの車 赤毛の女 カメラに映らない幽霊のような男 鎌


見た事のある場面だった


「本当は見せたらダメなんだけどオフレコだからな」


刑事は映像を流しながら話を進めた


十字はライに関わった事を後悔したがもう後の祭りだった




















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