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一話であって一話ではないかな


「いやぁ、本当に竹森と望月が入部してくれて助かったわー」


「部長、その話何回目ですかー」


「貴様は今まで食べた女の数を覚えているのかー?」


「一人ですかねー」


「生々しいなおい」


女性が女性経験を持ってるのをおかしいと思われない星花女子最高かよ

是非とも先輩の経験談をお聞きしたい


「望月は騙されて後に引けなくなったって感じだけどねー」


「体験入部にも来ない蘆花が間抜けなんですよー」


「「「それなー」」」


アタシは、(かしま)しいというには微妙なラインの会話をしながら牌を取る


「今年もなんとかやったし、来年も頑張れよー」


「もう他人事とか薄情ですね部長ー」


「来年には天下の天寿に就職だからねー」


「現実見ましょうよ部長」


「いい加減、夢から覚めたらどうです」


「そろそろ見てられないですよ」


痛々しい先輩の姿に涙が零れそうだ


「おい急にマジトーンになるなこっちが泣くぞ」


「あ、ツモ。12000です」


女子高生四人が貴重な時間を浪費して麻雀をしていた

それが我等、ゲーム部である

麻雀といっても賭け事はしてないので健全なアナログゲームである

たまに、顧問も参加してる

部員はここにいる三年の先輩が一人と二年の先輩が二人、それとアタシとここにはいない友人の五人だけという弱小な部活である

ゲーム部、星花女子に認知されてない説まである

アタシが見つけたのも偶然だったし

中等部の大人しい系のゲーマー女子を愛でたかったのに0人とは、全く恐れ入ったよ


「また、竹森の和了(あがり)か」


「滅法、強いな竹森」


「鍛え方が違いますよ鍛え方が」


こちとら家族で日課のように卓を囲んでるんだよ

身内に比べればゲーム部の先輩なんてチョロいチョロい

ただ、三人で結託して潰しにくるのは卑怯だと思うの

先輩としてのプライドはないのか


「うぜぇ」


「この間、望月に焼き鳥にされてたけどね」


「狙い打ちだったね」


ちょっと、イキっただけで傷に塩を塗り込むの酷くない?

アタシも出来るならそうするけど

思い出すと悔しさムクムクよ


「うぬぬぬ、このアタシがもやし娘に負けるなんて…」


あのもやし娘、どのゲームでもアタシより上手く立ち回ってくる

いずれ完膚なきまでにボコしてやるからな

というか、あのとき一回も和了できなかったのは先輩の妨害もあったからだからね

実力で負けた訳じゃないから


「そのもやし娘最近来てないけどどうしたのよ?」


「蘆花なら面白い子に絡まれて面白いことになってますよ」


人付き合いが苦手な友人が、いつの間にかゲーム仲間でもなさそうな女子に絡まれるようになっていた

何があったか気になるところだが、まぁ、面白そうなので様子見に徹することにした

百合イベントの匂いがぷんぷんするぜ


「ふぅーん、幽霊部員でもいてくれるだけありがたいよ」


「ところで一位のアタシにご褒美はないんですかー?」


「賭け麻雀禁止つってんだろ」


「やだなー賭けじゃなくて褒美を一方的に要求してるだけですよー。先輩の唇でもいいんですよ?」


「そろそろいい時間だな」


「そうですね」


「じゃ、今日は解散ってことで」


「「「お疲れ様ー」」」


「……」


先輩等はそそくさと牌を片付け帰宅の準備に移っていた

誠に遺憾である

腹いせに暫くサボってやる



アタシ、竹森たけもり 輪子りんねは女の子が大好きな普通な女の子だ

女の子と女の子の恋愛とか大好物です

ここ、私立星花女子学園はそんなアタシには楽園のような場所だ

世界広しといえど、お遊びではない本気の女の子同士で恋愛が多く見られるのは星花女子だけだとアタシは確信している

勉強は得意じゃないけど、友人を巻き込んで死ぬ気で受験勉強して入学してやった

アタシを招き入れたことを後悔するがいいわクックック

別に悪いことするわけじゃないけどね

携帯に通知が来ていたので目を通す


『たすけて』


友人からの救難信号を無視して華麗に帰宅路につく

命短し百合せよ乙女だ友よ

巻き込んで連れてきた友人だけど、蘆花は蘆花で青春を謳歌してるようで安心したよ

いつかアタシも……本気で誰か一人を愛してみたいと強く思う


「そう、アタシは恋に焦がれる美少女……」


すれ違った女の子の蔑むような視線たまりませんわ





「この話飛ばしてもよくない?というかなんで書いたの?なんで?」

「駄目ですよ。そういうこというから輪子は彼女できないんですよ」

「今それ関係ある!?てか、蘆花も彼女いないんじゃん!」

「少なくとも、輪子よりは先に出来ますよ」

「ウケる」

「急に真顔になるのやめません、か?」

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