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在ゲルニカ日本国領事事務所
「ヒューミントから連合王国、合衆国、ルガランドは停戦に向けた、世論誘導、野党党首との擦り合わせが確認されています」
日本国外務省の榎本が報告する。
「連邦としても確認しています。越境を伴う強行偵察が完全に無くなり、戦線は非常に穏やかです」
ゲルニカのデッカー大佐も同意する。
「連合王国、ルガランド帝国の内地、各集積地への直接攻撃が効いた様です。戦闘員、後方要員の大規模な喪失に、航空機はもちろん、戦車などの機甲部隊維持に支障が出ているとの事」
アレフのランドヴァルド特命大使も根拠を付け加える。
「だが彼らが目指しているのはただの停戦。終戦でも、平和条約締結でもないので、その対応を検討しなければならないでしょう」
デッカー大佐が問題提議した。
「日本政府は中央大陸内のアレフブラハム帝国にて、国際博覧会の準備を続けています。日本国が保有する技術、文化を紹介し、認知度を向上させたいと考えています。そこで……」
「では招待状を送らなければならないな。首相と、外務大臣に報告する」
「アレフは元戦友諸君に招待状を送ろう」
榎本は続ける。
「これより国際博覧会の概要をご覧頂きます」
持っていたタブレットを操作して、プロジェクターモードを選択する。
天井照明は徐々にフェードアウトし、カーテンも自動で閉じられる。
「これは……」
自ずと暗室と化す設備動作に戸惑う。
そして映像が投映される。
「付け加えて、日本政府はゲルニカ連邦に複数のパブリックビューイング設置を検討しています。映像と音響、供食によって万博会場の熱気を、アレフに行けない方々にも感じていただく機会を提供したいと思っています」
「これは鮮やかな……庶民はさぞ喜ぼう。長らく続いた戦時体制が解かれ、復興に努める者に活力をもたらすだろう」
ランドヴァルドは映像への反応を示しつつ、内容にも好感を示した。
「PA(パートナーシップ協定)理事国には各都市に設置予定です。広域通信ネットワーク整備地域では各家庭のスマートディスプレイである、Smart Info Hub with PAを通じて生放送番組、体験コンテンツを提供します」
映像で機器と、提供コンテンツが紹介される。
「その様な事が……」
デッカーは思わず言葉を漏らした。
「私が今持っている、これはタブレット端末と言いますが、これを画面をより大きく、機能をより絞った、家庭用情報端末です」
「情報端末、つまりラジオや無線の様なものか」
「情報端末からは音声だけでなく、映像でも、体験アプリとしても提供しています」
「映像ですか。それにアプリとは一体」
「そういえば高位の方々は補佐官がタブレット端末を携帯していましたね。後でご覧になって下さい」
榎本は各々の疑問を切り上げた。
「PA理事国のパブリックビューイングは基本的に広場に設置予定で、一部は設置恒久化される予定です。経済水準の低い地域ほど、設置恒久化し、公衆情報伝達機能を強化する傾向があります」
「ラジオ公園の目で見られるタイプか」
プロジェクターの映像で2人は理解していった。
「これはますます、PAの、日本の力を示す重要な機会になりそうだ」
「パブリックビューイング設置場所の選定について、ご協力をお願いします。では次に護衛艦の停泊地について……」
その後も様々な提案と協議が続いた。




