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強制終了、国王の兄

要請の数日後、日本政府より通知が届いた。


日本国政府はゲルニカ連邦政府による、連邦内における人権状況の調査、改善の為の協力要請について、支援を決定。


協定会議顧問による提議について、顧問に対して説得し、取り下げを求める。

同意できない場合、協定締結文書における合意事項、第十二により、拒否権を行使し、共同調査に関する手続きを停止します。


第十二:全ての事項に関する理事国会議の決定は、常任議長国の同意投票を含む四カ国の賛成投票によって行われる。



「先ほど、ニホン国政府より、共同調査と関係する問題への理事国による手続きを停止する様、通達がありました。異議申し立ての場合、速やかに拒否権を行使するとの事です」


「谷さん、ありがとう」

「失礼します」


谷さん、日本政府が協定による国際機関へ派遣する人材育成支援として派遣されて来た専門家だった。


もう一人、専門家が派遣されている。


「余計な事だったかな」


粟田はデスクトップを操作して、各国の外相へのテレビ会議をアポイントした。


ディスプレイには時間折衝がリアルタイムで表示される。お互いの空き時間が入力され、重なった空き時間帯を特定、最終確認を承認された。


「結局、深夜か……」


応接セットのソファーに横たわり、目尻を押さえる。



粟田が意識半分になっていた時、唐突に扉が叩かれる。


「誰かな?」

「俺だ」

「オズか?どうぞ……」


オズが扉から入って来たが、衛兵と拘束された金髪の男を引き連れていた。


「それで、誰かな?」

「アルドリウス・ハーマン、前皇太子、つまり、俺の兄だ」


その男は、高い背丈、オズ同様に煌めく金髪、宝石の様な碧眼を持ち、隙間から彫刻の様な胸筋の割れ目が顔を覗かせていた。


「それ、パジャマか?」


古代ギリシアかローマ帝国の様な布地のひだをあしらったガウン、シルクなのか艶やかに輝いている。


「……」

「アルドリウスは喋らないのか?」

「そういう訳ではない。ただ、どうでも良いのだろう」


アルドリウスは睨ませず、視線も合わさず、突っ立っていた。粟田もその容姿に視線を合わせずにいた。


「中に入れば?」

「いや、俺はこれから所用があるから、この者を預けようと思ってな」


「……」


アルドリウスがオズと粟田を一巡する。


「動いた!」


おいおい、と言いながら近衛に拘束を解かせる。


「この者に今は、権能は無い。議会から特別な権限を委任されたお前の方が高位の筈だ」


よろしく頼む、と近衛と後にする。


「アルドリウス、そこに座って貰えるかな?」

「ああ」


応接セットのソファーに座った。


粟田は冷蔵庫から適当に飲み物と、棚からお菓子を見繕い、置いた。


「少し用事を済ませるから、待ってて」


粟田はデスクに戻った。

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