機上会議
政府専用機B787 アラック王国・ハーマン国際空港行き
転移災害後、国際便の完全停止、政府による石油系燃料の供給制限などで、国内の旅客機に大幅な余剰が生じた。政府は民間の機体を一定の価格で買い取り、分解して窒素下保存を実施。この機体も、復帰した内の一機だった。
機内、執務室
「この度は、臨時会合への招集に応じて頂き、ありがとうございます」
専用機の一室、分割モニターの映る協定理事国の高官
パートナーシップ協定理事国は五カ国。
アラック王国:最初の参加国、農産物の最大輸出国、東方大陸以東唯一の鉄鋼生産国。
シャハール民主共和国:二番目の参加国、北東部で石油生産が発展。
セレスト王国:赤道上に位置する砂漠国、大規模なタワー式太陽熱発電所を保有し、莫大な液化水素生産量を誇り、協定参加国に輸出している。
リルクール諸島連合:東方大陸より南に位置する島嶼国、コンクリートなどの製造に必要な海砂の大規模な採取場があり、主に日本に輸出している。
ツェリ共和国:東方大陸北部の北極圏に位置し、レアアース、ウラン鉱石などの希少金属を日本に輸出。日本政府による最重要国家に指定され、莫大な支援、投資が持続的に実施されている。現在、広域熱供給インフラを整備しており、既に首都とその近郊では60〜70度程度の中低温の温水が供給されている。
「写真を拝見しました。連邦の人権侵害について、我々はその危機感を共有しています。協約に則り、現地警察、司法当局の権限を一時的に停止し、共同調査を実施するべき、かと思います」
アラック王国の協定担当大使が提案した。
「強権発動は控えたい。できれば、連邦側が進んで調査に協力する様、促したいと思う。あくまで穏便に……」
リルクールの外相が穏便な対応を求める。
同国は経済成長が鈍く、分担金の上昇を懸念していた。
「支援物資の供給も、制限を加えるべきでは?連邦がもし、そのような国であるなら中央大陸といえど、占領してしまい、人権侵害が拡大してしまうのでは?」
シャハールは人権侵害に重点を置き、発言した。
「現在の連邦は、継戦ですら必死、他国を占領するなど不可能。協調を促すべきだ」
ツェリは協調を促す。
粟田は対応方針を纏める。
「では、連邦に対し共同調査を受け入れる様、申し入れを行うことにしよう。受け入れるか否か、連邦が選択した後、会合を開き、方針を決めよう」
票決は全会一致で可決した。




