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異世界行ってもチーム・グリフォン!  作者: 財油 雷矢
MISSION:千客万来を迎えよう

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色々話をしよう

お盆休みだー

あんまり休みな感じがしないけどー

 美味しいものは人を幸せにする。最後にハーブティと一緒に供された砂糖菓子に皆の心が幸せに包まれた。

 ちなみに砂糖の塊のようなのだが、サクサクホロホロと口の中で溶ける。どうやって作ったのか、全く分からないのだが、まぁ甘いものは正義だ。

 テールスープも絶品だったし、この砂糖菓子も美味しかった。でも頭の中のルビィは何も語らない。いる感じはするので、寝ているとか姿を隠している、という訳ではなさそうだ。……どうしたんだろ?


「正直、本気で驚いた。

 城の料理人でもここまで作るのは難しいかもしれない。最後の菓子は砂糖なのは分かったが、作り方の想像ができん。」


 ギルさんが心底本気で感心しているようだ。

 それから周囲をキョロキョロと見回す。


「しかもこの部屋全体を照らす光や、涼しい風。しかも薪などの火の匂いがしない。そしてそのすべてから魔力が感じられない。

 ……ある意味、恐ろしいな。」

「魔法だろうが権力だろうが所詮は『力』です。力が恐ろしいのではなく、それを行使する『心』が恐ろしくさせるのですよ。」

「真理ではあるが、それを臆面おくめんもなく言える胆力は大したものだな。」

「いやいや、非力な人間の戯言ですよ。」

「なるほど、嫌味だな。」


 達人(?)同士の会話が進行している。

 王子がつまらなそうな顔になってるから、そろそろ何か動きが欲しいところだ。


「お邪魔するよ。」


 そう思っていたら、入り口が開いて、この町の領主であるジェニーさんが入ってきた。その後ろに同じく常連であるガイザックさんとバモンさんが続く。


「キューブのチャージと、今日のおすすめ、それにいつもの冷たいワインを頼む。」

「俺たちはそれにビールだな。」


 ジェニーさんがいつも座る席に、ガイザックさんとバモンさんが同じテーブルにつく。

 そして汎用箱型作業機械キューブが二体、壁に開いた専用の入り口から入ってきて、壁にへばりつき充電を始める。


「あれは……」

「……なんだ?」


 王子とギルさんが初めて見るキューブに首を傾げる。その声で初めて気づいたような顔でジェニーさんが二人を振り返る。


「どこかで聞いた声かと思えば、はなたれ王子にギル坊ではないか。」


 爽やかな笑顔で巨大な爆弾を落とす。


「嫌な予感がするかと思ったらこれか……」


 ギルさんが思いっきり嫌そうな顔をした。良い意味かどうか抜きにして、どうやらジェニーさんとこの二人は知り合いらしい。呼び方から判断すると、それなりに昔の話っぽい。


「積もる話はあるが、まずは食事にさせてくれ。どこぞの誰かが派手にやったせいで、仕事がまた増えてしまった。

 ジェラード君、やっぱり君は私をゆっくり忙し殺そうとしているのかね?」

「人聞きの悪い。」


 いや、それに関してはジェルが悪い。


 それでもキューブと美味しい料理のおかげか、最初来た時ほどの疲れた感じはしない。


「ほぉ、これは尻尾か。さすがにロックバッファロー。味が深い。」

「ロック……」

「……バッファロー?」


 再び王子とギルさんの声が疑問に染まる。

 ジェニーさんが自分のことじゃないのにドヤ顔しながら説明する。


「少し前の話だがな、普通の数倍の大きさのロックバッファローを仕留めてな。ここで出してくれるんだよ。」


 その言葉を聞いて、ギルさんがむぅ、と考え始める。


「ロックバッファロー……

 待てよ、確か最近、結構な大きさの魔石がオークションに出るって噂を聞いたな。ここからか?」

「さっきのはロックバッファローだったのか。道理で旨いはずだ。」


 王子は別の感想を持っていたようだが。


「ちょっと待て。ロックバッファロー自体が小規模災害扱いされるくらいの魔獣だろ。それの大きさが数倍? どうやって倒したというんだ?」


 ギルさんの表情を見ると、カイルがワンパンで止めたのは相当常識外のことらしい。


「私も報告を受けた時は驚いたが、ギルドのサブマスが見ていたし、実際に素材が出ているから、嘘はない。」


 ちなみにどうやって倒したかは、言ったところで信じてもらえないだろうけどな、とニヤニヤとするジェニーさん。


「恐ろしい魔獣を容易く捻り、魔法じゃない不思議な道具、そして見たこともない料理。どれもこれも素晴らしいと思うよ。」


 ちなみに「捻る」というのは比喩でも何でもないところが実に恐ろしい。


「ちなみに彼らの願いは、権力に振り回されずに平穏に過ごすこと、だそうだ。」

「つまり、」


 ギルさんの視線が強くなる。


「利用することはあっても、利用されたくない、ということか。」

「そうだな。利用しようなんて下らないことさえ考えなければ、実にいい友人になれる。遠からず彼らのことは王都にも伝わると思うが、その時にどうするかは君たちにかかっているんじゃないかな?」


 クイ、とワインを空けたジェニーさんが不敵な笑みを浮かべる。


「ギル、俺の答えは決まった。お前はどうするんだ?」

「……少し考えさせてくれ。さすがにある程度の根回しが必要になりそうだ。」


 なんとなく、この二人も「味方」になってくれそうな雰囲気だ。

 ギルさんが考え込み始めたので、手持ちぶさたになった王子にちょっと聞いてみた。


「ねぇ、王子って兄弟とかいる?」

(……!)


 頭の中に驚くような意識が感じられた。


 やっぱり、かな?

お読みいただきありがとうございます。

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