表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界行ってもチーム・グリフォン!  作者: 財油 雷矢
MISSION:千客万来を迎えよう

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

80/620

魔法使いと話をしよう

……ぬぅ、反省


そういえば、ブックマーク10名達成!

感謝感激でごじゃりまする。

「面倒ですなぁ。」


 ジェルがいつものようにいつもの口調でボヤく。ギルさんはこめかみに青筋を立てようとするが、コホンと咳払いをして気を落ち着かせる。と、あたしの方に目を向けた。


「この男はいつもこんな感じか?」


 そう言ってから、何か思い出したのか、立ち上がると恭しく一礼をする。


「失礼した。レディを前に名乗らなかった無礼を許してほしい。」


 堂に入った礼儀作法だ。気負ってもいないし、身に染みている。簡単に言うと、様になっているわけだ。


「私はギルバート。そこのバカ王子のお目付け役だ。こちらは…… さっき名乗ったからいいか。」

「おい!」


 なるほど、このギルさんは「いい性格」をしているらしい。ジェルと似ているが、おそらく王子に振り回されているのだろう。


「そして高位の魔法使い。魔術師? それとも他の呼び方ですかね?」

「……この世界では一般的に魔術師、と呼ぶことが多いな。魔法使いが大きなくくりで、その中の魔術師、となる。」

「なるほど。魔法の系統もそれなりにある、ということですか。」


 ……ああ、なるほど。種類が少ないなら、魔法使いなんてまとめ方はしないか。


 む、とギルさんが唸る。

 ジェル相手に迂闊な発言は危険と判断したんだろう。口元に手を当てて、考え込む。と、その背中を王子?がバンバンと叩く。


「ギル! お前は考えすぎだ!」

「お前は考えなさすぎだ。」

「……バランスとれていいだろうが。」


 ホント、いいコンビだなぁ。


 見た感じ、王子?はあたしと同じくらい。ギルさんはジェルたちと同い年くらいかな? 年は離れているが、実に仲が良さそうだ。正確に言えば、王子に振り回されてる魔術師ってとこだ。口は悪いが、なんとも面倒見が良さそうだ。

 あれ、なんだろこの既視感。なんかこんな光景、いつも見ていたような気が。


 あああああああっ! 違う! 違う!


 年の差とか関係とかそれっぽいけど、あんなのとはたぶん違う! 違うったら違う! あ、そうだ。ジェルはきっとギルさんより間違いなく性格が悪い。そうだそうだ。


「色々愉快なことを考えてるのは分かりましたが、その最中にド失礼なことを考えるのはいかがなものかと思いますが。」


 ジェルの癖にうるさいぞ。


「もう一度言うけど、ギルは考えすぎだ。確かに一癖も二癖もありそうだが、俺が見たところこいつらは悪いやつじゃないぞ。」

「……む。」


 ギルさんが黙り込む。


「特にこいつは悪いやつじゃあない。それどころか何もない。」

「…………」


 王子の言葉に今度はジェルが黙り込む。「何もない」っていう言葉がヤケに耳に残る。多分ジェルを一人で放っておいたら何もしないのだろう。卑下するわけでも自慢するわけでもないが、あたし達がいるからジェルはこうやって色々やっているような気がする。

 ……今更ながらジェルは楽しいんだろうか。ジェルが普通に笑っているところを見たことがないよね、そういえば。


「え? なんだなんだ?」


 なるほど。この王子は空気読めないタイプだ。ただギルさんが黙ったところを見ると、この王子の人を見る目には何か根拠があるのかもしれない。魔法があるんだから、もしかしたらそういう特殊能力とか。現にあたしだって借りものだが動物の言葉が分かるわけだし。


「……バカ王子がそう言うなら、悪意のある人間ではないのだろうな。」


 はぁ、とため息をつく。


「だがそれとこれとは話が違う。

 改めて聞こう。ワザとか?」

「ええ、もちろん。」


 ギルさんの言葉にジェルが即答する。

 はぁ~、とさっきよりも長いため息が漏れる。


「ちなみに、私たちのような者がいなかったらどうする?」

「どうするも何も、普通に叩きのめしてましたよ。心強い仲間もいましたからね。」


 違うテーブルについていたヒューイにカイル、そしてサクさんは素知らぬ顔してハーブティを飲んでいる。

 それらを見て、ギルさんが頭痛を堪えるようにこめかみのあたりに手を当てる。


「武力で攻めてくる限り負けない自信があった、ということか。」


 となると、次は「法」に訴えてくることだろう。正当な理由なく貴族に歯向かえば、そりゃ大罪だ。仮にそうなれば、今度は「国」が相手だ。相手にできなくはないが、そうなるとアイラやリリー達に迷惑がかかる。


「もしかしたら、それくらいの魔法が使える実力者がいるかもとは思いましたし、そうじゃなくても、我々の無罪を証明する方法はありましたからね。」


 やれやれ面倒ななことです、とジェルがワザとらしく肩を竦める。


「何となーくの見当はついているんだけど、実際に何やったの?」


 モヤモヤする疑問を解決するためにジェルに聞いてみた。


「簡単ですよ。」


 ジェルがイタズラに成功した悪ガキのようなドヤ顔をする。


「王都の空に、あの貴族とのやり取りをリアルタイムで放映してみました。」


 ……そりゃ、王の名誉を守るために飛んでくるわな。

 相変わらずロクなことしねぇな、こいつは。


お読みいただきありがとうございます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ