プロローグ1(2/4)
降伏した異業種の方々を適当に他の捜査官に任せると、本格的に帰路に就く。
広大な宇宙。
本当に広くて何もない。
地上で考えれば信じられない速度で飛んでいるんだけど、全然スピード感がない。
〈そろそろワープできますが。〉
この宇宙船の制御コンピュータであるシルバーグリフォンがそんなことを言ってくる。あとで説明する機会があるかどうか分からないけど、こんな風に流暢にしゃべるコンピュータってまずいないからね。それにこの船の性能も「普通」って何? ってレベルだ。
無論、こんな非常識まみれの物を作ったのは、あたしの前で生返事している白衣の変態科学者だ。
「はいはい、跳べ跳べ。」
〈了解。ワープシークエンスに入ります。
現在地確認。座標固定。航路計算完了。エネルギーチャージ完了。
ワープフィールド形成……
! シークエンスブレイク! 機関停止します!〉
色々ディスプレイに出ていた文字が消えたかと思うと、赤い文字が溢れ出す。
「何事だ!」
ジェルが叫びながら、キーボードに素早く指を走らせて、流れるメッセージを読み取りながら、難しい顔をしている……と思う。こっちからは後頭部しか見えないしね。
「空間の歪み。そして謎の図形…… って、魔法陣か?!」
〈残念ながら現在取れるオプションは突っ込むか全力で攻撃するかのどちらかです。〉
とりあえず思考が追いつかないが、現在メインスクリーンに円の内側に細かな模様が描かれた図形が見える。それがどんどん大きくなっていて、どう考えても衝突コースだ。
何故か図形の向こうに青い色が見える。
ありえないと思うのだが、あたしにはそれが「空」に見える。
(助けて……)
え?
(私たちを…… 助けて!)
何か聞こえた。ジェル達が反応しないところを見ると、あたしだけが聞こえる幻聴のようだ。でもその声には心がこもっていた。真摯な願いがこもっていた。
(突っ込め!)
「……慣性制御フルパワー。シールド、いやアサルトシールド全開。
前方は大気圏内の可能性がある。急減速に備えろ。」
あたしが小さく呟いただけのはずなのに、それに反応したかのようにジェルの声が飛ぶ。
メインスクリーンの中の図形が大きくなると、図形の隙間から「奥」が見えた。
未だに信じられないけど、空が見えた。白い雲も見えた。宇宙空間にまるで魔法の扉のように図形――ジェルは魔法陣、って言ったっけ――がある。
そしてシルバーグリフォン号はその魔法陣へと突っ込んで、そして宇宙空間から姿を消した。
長さの感覚がよーわかりません。今までの投稿考えると短すぎるなー




