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異世界行ってもチーム・グリフォン!  作者: 財油 雷矢
MISSION:千客万来を迎えよう

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おっさんたちの話を聞こう

 夕飯のホットサンドを食べてまったりしていると、おっさんズとカイルがこちらのテーブルにやってきた。

 微妙に嫌な予感がする。

 なんかこう、カイルが考えも無しに安請け合いして、ジェルが巻き込まれるパターンのような気がする。となると、基本的にはジェルと一緒に行動しているあたしにも面倒が来ることになる。


「よぉ、ジェラード。」


 バモンさんやガイザックさんは微妙に顔が赤くなっているが、カイルはどう見ても素面に見える。というか、カイルが酒に酔った姿を見たことがない。

 まぁ、酔わなくてもハイテンションだからよく分からないのだが。一応でも酔ったのかな? と思うのが「いやぁ、飲んだ飲んだ。寝るわ。」って、いきなり床で寝始めた時ぐらいだ。

 確か任務中だったが、戦闘の気配がした瞬間に目覚めたんで、もうそういう生き物だ、と思うことにしている。

 ちなみに、というか、ジェルとリーナちゃんは体質的に酔えないらしい。元々お酒もあんまり好きじゃないらしいが。あたしは人並み、ヒューイはカイルほどじゃないが程々強いそうだ。

 そんな思考がよぎったのは、たぶん予感がしたんだろう。


「酒の作り方教えてくれ。」


 ほら。


「漠然としてますなぁ。」

「もうちょっと強い酒が欲しくてな。」

「……技術革新に首を突っ込んで良いものですかね?」


 ジェルが微妙に渋い顔をする。


「どういうこった?」


 今更の話だが、「雄牛の角亭」に大幅な魔改築をして、多くのオーバーテクノロジーを叩きこんだ。が、それらの技術もこの世界で新しく作るのは不可能だし、ジェルがいなくなれば維持も困難になる。

 けれど、たぶんジェルが今考えているのは「こちらの世界」でも実現可能な新しい技術なのだろう。意外と「こんなことで?」でできたり、ヒントさえあればこちらの人たちが試行錯誤して一気に発展できるのかも知れない。

 で、ジェルが懸念しているのは、それを自分が広めていいのかどうか、というところだろう。


「ガイザックさんにお聞きしたいのですが、お酒は国とかで製造を制限されたり、管理されてたりしますかね?」

「それこそ王様とか貴族が飲むような酒はともかく、平民の飲む酒はどうでもいいな。」


 ただ、お酒というのは何だかんだで単価が高い。また消費量も結構多くなるので、それなりにお金が動く商品でもある。

 新しい手法で商品価値が上がったとしたら経済に影響を与えかねない。

 が、それでも構わない、新しい酒だ、とのことだ。

 酒飲みの執念を垣間かいま見て、ジェルがどこか呆れたような顔をしながらも、説明を始める。


「まずご存知だと思いますが、お酒の基本は糖を見えない生き物の力で酒精アルコールに変えることです。ですから、適当な濃度の糖があれば自然にお酒になります。

 蜂蜜酒ミード林檎酒シードルが分かりやすい例ですね。」


 相変わらず何か調べた様子もなく、よどみなく語りだす。ホントにこいつの頭の中身はどうなっているのやら。


「それから穀物を麦芽で糖に変えて、お酒にしたのがエールとかですね。

 で、この見えない生き物――酵母っていうのですが、これが実は酒精が濃くなると死滅してしまうので、この方法ではある一定以上の酒精までしか作れません。」

「へぇ。」


 ガイザックさんが感心した声を上げる。あたしたちは見慣れてるが、そう考えるとジェルの知識の広さ深さは驚きを超えて不気味に見えるのかもしれない。これだけではなく、「雄牛の角亭」に施された様々なテクノロジー、そしてカイルの装甲服。すべてジェルの知識が関わっている。


「やっぱり友人でいたいもんだな。」


 バモンさんがぼそっと呟く。


「ああ、敵対する気もない相手を敵視するほどバカなことはねぇ。」


 今度はガイザックさん。


「止めとけ止めとけ。ジェラードに喧嘩売ったら旨いもんも喰えなくなるし、面白いことも無くなってつまんねぇぞ。」

「ド失礼なことをほざきやがりますな、この筋肉は。」

「よせやい、褒めたって何も出ねぇぞ。」


 誉め言葉に聞こえるんだ…… カイルのポジティブさはたまに見習いたくなる。


「まぁいいです。

 で、お酒は大雑把に言うと水と酒精の混合物です。加熱すると、水と酒精では酒精の方が先に蒸気になります。」

「と、言うことは……」


 ガイザックさんが何かに気づいたような顔をする。


「意地悪する気はありませんが、ヒントはここまでです。すでにある技術だったら、それの応用となります。」

「なるほどなぁ。それがあんたらの世界の技術ってわけだ。」


 ガイザックさんがそう言うと、ジェルが口の端を皮肉っぽく歪める。


「別に鎌かけなくてもいいですよ。

 実際そうですが、大々的に宣伝するつもりもありませんけどね。」

わりぃな。

 俺たちとしてはもう大丈夫だとは思うんだが『上』がうるさいんでね。」

「こっちも別口だが、下っ端は仕事しないとダメなのさ。」


 ガイザックさんとバモンさんが開き直ったように言う。でも仕事のつもりなら、その木のジョッキから口を離せ。


「よしっ、仕事は終わり! 飲むぞ!」

「「おーっ!」」


 ……もう勝手にしろよ。

お酒と蒸留の話は結構適当です。

間違っていたらごめんなさい&ご指摘ください。


一応、この世界ではまだ酒の蒸留の技術がほとんどありません。おそらく錬金術あたりで使用しているかもしれませんが、一般的な技術ではない、ということで。

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