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異世界行ってもチーム・グリフォン!  作者: 財油 雷矢
MISSION:衣食住を充実させよう

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今日も頑張ろう

 夢の中でルビィに呼ばれることもなく目が覚めた。相変わらずジェルの腕の中。気恥ずかしさを除けば、こう悪くはない。


「おはようございます。」

「あ、おはようジェル。」


 あたしが身じろぎしたのに気づいて、ジェルが枕もとの眼鏡をとって装着する。前から知っていたが、ホントにジェルの眼鏡って度無しの伊達のようだ。なんで? って聞いたら、


『眼鏡をかけてると、印象がそっちに引きずられるでしょ。それに、それでこちらを舐めたり油断してくれたらやりやすいじゃないですか。』


 と、相変わらずな回答だった。それ以外にもカメラだったり、小型のディスプレイとしても使えるそうなので、まあハイテクな便利グッズなんだろう。おそらくは拳銃の弾くらいなら跳ね返すに違いない。

 また部屋の隅で着替えて、いつの間にかに部屋に増えていた洗面台で朝の支度をしてから二人で下に降りる。


 下に着くと、カイルとリリーがテーブルについて待ち構えていた。昨日からそんな気がしていたが、リリーはどうやら腹ペコキャラらしい。カイルとの大きさの対比が凄いが、なんか気が合っているようだ。

 カイルの「これが旨かった」話によだれをたらさんばかりに喰いついている。朝食前だからなおさらだろう。

 ヒューイは巻き込まれたくないのか、違うテーブルで別人のふりをしている。同じテーブルで黒猫スコッチが丸くなって真っ赤な口を開けた。

 と、スコッチが顔を上げて、台所の方を見た。


「お待たせいたしました。」


 リーナちゃんがアイラと一緒にワゴンを押しながら入ってきた。


「手抜きで申し訳ございませんが……」


 と、大量の揚げパンを大皿に乗せて、取り分けていく。もうすでに分かっているのか、カイルとリリーの前に結構な山ができていた。


「丸いのがカレーパンで、楕円形のがピロシキとなります。」


 もう暴走しかけているカイルが見えて、慌てて皆で手を合わせる。


『いただきます。』


 都合が合うのなら、顔を合わせてみんなで食べようがチーム・グリフォンのポリシーである。単にご飯はたくさんで食べた方が美味しいからなんだけど。


「うめぇ!」

「美味しい!」


 腹ペココンビがシャウトする。

 表面はカリッ、中の具はジュワッと旨みが広がる。こういう時はカイルのような無限の胃袋を持っていないのが悔やまれる。あたしじゃあせいぜい一個ずつ食べて精一杯だ。

 アイラはアイラでいつものように、味を確かめながら作り方を思い返している。リーナちゃんは料理に関して隠し事はしないので、アイラにとって良い刺激になっているようだ。

 珍しく、というか、リーナちゃんが計算を間違えたのか、いくつか揚げパンが余ってしまった。まぁ、そんな日もあるだろう。別に困る話でもないし。



 朝食が済んだところで、今日の予定だ。

 と思いつつも、実は昨日も今日もあたしがすることは基本的になかった。

 買い出しにも行けないし、大工仕事もできないし、料理を作っておきましょう、なんてのも出来ない。

 ジェルがコンピュータ相手にポチポチやってるのを、アイラと一緒に見ていたくらいだ。


「とりあえず、カイルとヒューイは改築の仕上げを。アイラさんは新しい部屋を作ったので、そちらに引っ越し願います。

「新しい部屋?」

「ええ、少しばかり増築したので、せっかくですからアイラさんの引っ越しを。」

「少しばかり……?」


 なんかアイラにジト目で見られた。

 そういやぁ、昨晩、リリーを寝かせようとして迷いかけたっけ。


「ええ、少しばかりです。」


 表情を変えずに言い切るジェル。

 アイラが言い返せずにガックリと肩を落とした。


「今までのあたしの部屋はどうしよう? 何かに使うには中途半端だし。」


 まぁ、客室にしては場所は良くないし、倉庫にするのもどうかと思う。


「……ふと思ったのですがね、リリーさんのお泊り部屋にするのはいかがでしょうか?」

「へ?」


 急に名前を呼ばれて、リリーが間の抜けた声を上げる。


「どうやらリリーさんはよくこちらに来られれてた様子。それなら部屋の一つくらいあってもよろしいかと?」

「確かにそうかも。」

「え? アイラいいの? しばらく来るな、って言ってたのに。」

「えっと…… うん。もう大丈夫。」


 まぁ、変なのが来ても撃退するしね。


「食事もお一人よりは皆さんで食べた方が美味しいですよ。」


 リーナちゃんのフォローは胃袋をつかまれたリリーにはとても魅惑的な提案だった。


「いいの?!」


 お泊りできることよりも、そっちの方に喰いついてくる。


「アイラさんが良ければ、ですが。」


 と、二対の純真な目がアイラを見つめる。


「ああもう、そんな顔しなくたっていいわよぉ! それにちょっとしばらく心配だから、リリーはしばらく家で寝泊まりしなさい。

 ……それでいいんでしょ?」


 と、アイラがジェルに目を向ける。


「察しが良くて助かります。

 リリーさんが畑仕事をする場合は、誰かつけますのでご安心を。」


 なるほど、いろいろ考えてたわけね。


「今日の予定を整理しましょう。

 ヒューイとカイルはさっき言った通り。アイラさんは室内の整理とかを。

 リリーさんは私と一度冒険者ギルドまで一緒に来てください。

 リーナとラシェルはどうしますかね。」

「それでは私も同行いたします。」

「あたしも冒険者ギルドへ。」


 と、大体決まった。まずは昼くらいまでを目途に、ってことらしい。


「異常があったら随時連絡を。なにか来たら適当に紳士的な対応を、でお願いします。」

「分かった。」

「おうよ。」


 ヒューイとカイルの返答を聞くと、さぁ行きますか、とジェルが立ち上がった。


「ホントは働きたくありませんが、今日も頑張りましょう。」


 勤労意欲ゼロの発言の物理的にツッコみながら、今日も一日が始まった。

お読みいただきありがとうございます。


……宣伝とかどうしたらええんだろうか?(ふと)

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