プロローグ2(1/2)
え~と、まだまだ色々書くべきものがあるのに何? と言われそうですが、ふらりと書きたくなりました。今までとは違って、各話短くまとめていく予定ー
その巨大な姿はそれ自身が「死」をまとっていた。鱗のほとんどは剥がれ、見える皮膚もあちこちが破れて筋肉が見えていた。場所によっては内臓や骨まで見えている。
全身から堪えきれないほどの腐臭を放ち、ボロボロの羽を動かすたびに身体のどこかしらからか腐った肉片や体液が滴り落ちる。
『いかがですかな姫。私の呼び出したこのドラゴンは。』
空に浮かぶ腐敗した竜が、眼球のない目で見降ろすと、そこには仕立てのいいドレスを着た少女と、その少女を守るように立ちはだかる鎧姿の男たちがいた。
同じ鎧をまとった男がほかに何人か倒れている。その顔は苦し気に歪み、すでに息をしていない。
少し離れたところには豪華なつくりの馬車が横倒しになっており、曳いていた馬は食い散らかされ、肉の破片となっている。
『私は嬲るような真似は好きじゃないのでね。さっさと仕事を終わらせてしまいますか。』
腐敗した竜から聞こえてくる優越感に満ちた声に、少女は怒りに身体が震えるのを感じた。
いきなり空から襲われ、護衛の騎士たちが身体を張って少女を逃がすために戦うのをせせら笑うように追いかけまわしていたのはどこの誰だ。
距離を離したと思えば、空から回り込んでくる。もうかれこれ二時間近くも命がけの追いかけっこを繰り返している。
また一人騎士が膝を折る。腐敗竜のまき散らす毒素が少しずつ命を削っていく。幸か不幸か、少女にはその毒は効かない。ドレスにかかっている魔法の加護がその身を守っている。
「姫、申し訳ございません。
この老いぼれの命をかけてもあの竜に一撃を与えられるかどうか……」
一番近くで守っている老騎士が苦渋の表情を浮かべる。
「なりません。こうなれば私が魔法を使います。あなたはその隙に逃げて城にこの状況を伝えるのです。」
「それこそなりませぬ! 姫の召喚魔法は魂を削るといわれるもの。姫こそお逃げください!」
「……命令です。お逃げなさい。」
老騎士にそれだけを告げると、二歩三歩と前に進む。
『ほほぉ、姫の召喚魔法を見せていただけるのですな。是非とも拝見いたしましょう。』
勝利が揺るがないのを確信しているのか、腐敗竜を悠々と旋回させている。
『先にご教授しますが、今呼べたとしても、2~3ランク低い魔獣程度でしょう。それで勝ち目があると?』
その通りだ。
あれだけの強大な存在が召喚された為に周囲の魔素が一時的に枯渇している。この状態では術士の力が多少あっても召喚できるものには限界がある。
(魔獣クラスならキメラ? マンティコア? グリフォン?
相手が不死の魔物なら破邪の銀属性があれば……)
思考を巡らせながら少女は必死に少ないマナを集め始めた。
ちなみにプロローグの視点は1~3まであります。次はプロローグ1の予定




