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異世界行ってもチーム・グリフォン!  作者: 財油 雷矢
MISSION:衣食住を充実させよう

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素晴らしき世界に招待しよう

嘘だーっ!!(ちなみに投稿日は4月1日)

 する必要もない強行突破を回避して、あたしたちと箱型汎用作業機械キューブ十六体が「雄牛の角亭」に戻ると、玄関のところで丸まっていた黒猫スコッチが顔を上げる。ということは、アイラたちはまだらしい。

 ジェルが何か言うまでもなく、十六体のキューブが背中というか、自分たちの上に載せていた荷物を下ろすと、梱包を解いて、様々な部品や資材が姿を現す。


「とりあえず組み立てられるものから始めますか……」


 と、ゴソゴソと部品を組み合わせて、アンテナっぽいものを組み立てて、バッテリーっぽい箱を繋げる。

 ジェルが耳を指でトントン叩く仕草を見せたので、ポケットから耳にかけるタイプの通信機を取り出し、装着する。


「グリフォン、通信状態はどうだ?」

《良好です。

 通信状態がだいぶクリアになりました。この集落を中心に情報収集を開始します。

 言語解析には数日かかると思われます。》


 お、山の中に埋まってるシルバーグリフォンからの通信だ。


「現状は?」

《シールドはまだ数パーセントしか解除できてませんので、こちらからの支援はあまり期待しないでください。

 鉱石の取得及び機体の発掘は順調です。時間さえかければ状況は解決できますので、地道にお待ち願います。》


 なるほどねぇ。まだまだ先は長いか。

 どっち転んでもシルバーグリフォンが山の中から出られないと、元の世界に帰るのは不可能なのだろう。

 となれば、まずはこちらで住みやすい環境を構築せねば。って、あたしがするんじゃないけどねー。


 と、買い物組が戻ってきたようだ。

 巨大な材木を両肩に抱えてきたカイルに、デカい袋を背負っているヒューイ。リーナちゃんとアイラは野菜とかが顔を出している紙袋を抱えてる。まぁ、昨晩は食糧庫の中身を根こそぎ奪い取るような勢いだったしなぁ。


「さて、」


 ジェルがパンパンと手を叩く。


「早速、文明開化を始めますか。」



 まず始めたのは電源の確保。

 作業着に着替えたリーナちゃん――さすがにいつものワンピース姿で高所作業はね――が屋根に上って、ペンキを塗っている。

 ヒューイはリーナちゃんにさせたくなかったようだが、建物や屋根の強度が明確でないので、より体重の軽いリーナちゃんが、ということに。何かあったときの為に黒猫スコッチも一緒にいる。

 ちなみにペンキ、っていうのは、正式名称は知らないけど、一般的に太陽電池ペンキと言われている物だ。適当に塗って、端子をつけておくと電気を発生させてくれる、という結構一般的な品だ。断熱効果もあるし、屋根の塗料としてはなかなか便利である。

 そうそう。言い訳がましいかも知れないけど、リーナちゃんよりも小柄なあたしの方が体重は軽い。ただ運動神経とかの関係で、リーナちゃんが屋根に上ったわけで、もともとあたしとジェルは候補から外れてたんだからね! とても重要なことだから強調しておく。

 それはともかく、屋根を塗ってる間に、建物の裏にある井戸に浄水器兼ポンプを設置する。後はホースを埋設して、中に引き込む。


 さらに並行して、木材を加工して角材や板を作り、補修に増改築が始まる。

 何がすごいって、キューブたちが木材の加工をするわ、柱立てたり、壁を張ったり、と大活躍中だ。早回しを見ているようなスピードでどんどん組み立てていく。数が少なくなったなー と思ったら、地面に潜っていたり内装をやっていたりと大活躍だ。

 そんなこんなで、ヒューイとカイルはあちこち駆けまわって足りない資材を調達してきて、リーナちゃんも細かい物を買いに行ったり、昼食用の仕込みとかをしているようだ。

 あたしとアイラは何かできるわけでもなく、何か言われるわけでもなく、転がってた丸太に腰かけて、眺めているだけだ。う~ん、なんか気まずい。ジェルもあたしの隣に腰を下ろしているが、だらけてるように見えるが、図面を投影して確認しているっぽいから、一応は仕事をしているんだろう。

 なんか、あれよあれよという間に、部屋がいくつか増えたようだし、外装もきれいに塗りなおされた。


「お、水回りが完成しましたか。」


 ジェルが立ち上がる。


「素晴らしき世界にご招待しましょう。」



 自分たちにとっては当たり前のことが、実は結構すごいことって意外とあったりする。


「え? これを倒すと、って水が?!

 これが魔法?! って、今度はこっち……熱っ! ってお湯?! お湯が出るなんて聞いたことない!」


 ええと、あたしたちの世界ではごく普通のシステムキッチン……


「この箱を開けると…… ええ、なんか冷たい?!」


 冷蔵庫でこれなら、冷凍庫見たらどうなることやら。


「これで調理が? でもどこにまきを入れたら…… え? 薪がいらない?!」


 調理用のヒーターね。


「な、な、なによアレは!

 いや、確かにきれいになったし、その洗った感じが、その、えっと、痛気持ちいいというか……?」


 その内慣れるわよ。


 どんなに文明が発展しても、温水式便座は必須よね。まぁ、厳密にいえば通常の重力下の限るんだけど。それでも昨日一日は辛かった…… 詳しくは描写を避けるけど、辛かったのよ、乙女としては。

 下水に関しては、分子機械ナノマシンで有機物を分解し、水を浄化する水循環システムを使っている。まぁ、資源が豊富だとしても、無駄遣いしないのが、宇宙時代の常識である。

 後は建物内に電線を通し、明りはすべて電気照明に切り替えた。ランプや蝋燭も不要で、しかも明るくにおいもない。更にエアコンも導入して、夏でも冬でも快適生活。


 ……こうして考えると、あたし達の生活って、電気が無いと全く成り立たないんだ。その電気も、太陽電池ペンキが順調に発電中。太陽熱も蓄熱して温水の効率をアップ、というわけだ。


 アイラの反応を見ると、ちょっとやりすぎた感が半端ない。ま、いっか、便利だし。

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