町を目指そう
道なき道をテクテクと下る。
次に戻れる時までには道を整備しておくらしいが、これが現代人にはなかなか辛い。
それでも小一時間ほど歩くと、平地に出た。ふむ、とジェルが唸ると、一方向を指さす。
「こちらに三十分ほど歩けば街道っぽいところに出ますね。
……なんか今日だけで十日分くらい歩いてますな。」
お前はもう少し動け。
と思ったけど、ジェルだけじゃなくヒューイやカイルも周囲への警戒を怠ってない。
ジェルも眼鏡に何か映っているのか、腕に着けているコンピュータをチマチマ操作しては視線をあげて周囲を見回してる。
「とりあえず敵対的な生物の気配はありません。進みましょう。
できれば野宿は避けたいですし。」
そのまま歩いて半時間。
足元に絡みつく草の量も減って、土の地面が見えてきた。舗装されているわけじゃないが、たくさんの人や何かが通って自然に道になったようだ。
左右どっちを見ても地平線の先まで道が続いている。……なんか凄いなぁ。
実感はないが、たぶんこの「世界」には建設機械とかそういうものは無いんだろ。人力や牛とか馬とかを使って、これだけの街道を作ったに違いない。
「なぁ、退屈だなぁ。」
カイルが歩きっぱなしで飽きたのか、伸びをしながら物騒なことを言い出した。何が物騒か、ってこの大男にとっての熱中できることは、破壊や爆発とかそーゆー系統のことだ。こんなところに来てまで暴れること前提は勘弁してほしい。
「人が集まれば自然に面倒ごとになりますよ。とりあえず人里を目指さねば。」
黙れ物騒その二。
「ちなみにジェラード、」
「ん?」
「お前の方針としてはどうなんだ?」
ヒューイの問いにん~と口元を歪める。
「平穏にこの世界を調査したいのが本音ですが、騒動に巻き込まれるか首を突っ込む未来しか見えませんな。」
ままならないなぁ。
でもジェルの言うことも分かる。
うん、分かるんだ、これが。悲しいことに。
「まぁ、嘆いてもしようがありません。進みましょう。どちらに行きますかね?」
ひょい、と首をこちらに向ける。
右か左か確率は半々。
どっちが町に近いのか……
「よし、左!」
「残念。正解は右でした。
一ポイントダウンです。」
じゃあ、聞くなよ。
「路面状況等考えると、夕方前くらいまでには集落に着くようです。
とりあえずカイル、私とラシェルのトランクも持ってくれ。ヒューイはリーナのだ。」
しょうがねぇなぁ、と合わせて三つのトランクを組み合わせると、一つの塊にして持ち上げる。ヒューイは両手に一つずつ持って、という感じだ。
リーナちゃんが申し訳なさそうな顔をするが、そこはヒューイがハンサムスマイルでかわす。さすがだと言えばさすがだ。
重さを全然意に介してない大男に感謝の意を示すと、気にした様子もなく手をヒラヒラ振りながら歩きだす。
そうやってテクテクと歩くことしばし。幸か不幸か誰にも何ににも会わない。物語だと盗賊や怪物に襲われてる馬車とか出てきそうだけど……って、出られても困るか。
まだ投稿ペースが分かりません。とりあえずある分まではそれなり更新ですが、またパタッと止まります。
ゴメンナサイ。




