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プロローグ3(1/2)
視点:???
また今日も朝が来た。
朝なんか来なければいいのに。
仕方ないから起きる。
建物内は静かだ。そりゃそうだ。あたししかいない。
昨日の余り物で朝食を済まし、薪を拾いに近くの森に行き、市場で食材を仕入れる。
昼は昼でご近所さんがちらほらやってくる。ご近所さんはちゃんとお金を払ってくれるけど、そんなに頻繁に来てくれない。
午後は誰もいない部屋を掃除。いつ誰が泊まりに来てもいいように、なんだけど報われたことはない。
そして夕方になったら「奴ら」が来る。
散々飲み食いして、小銭を投げつけ、足りない分は請求しろ、と。貴族の私兵で誰も逆らえないからってやりたい放題だ。
一度店を開けないことがあったが、その時は扉を壊されて、店内をメチャクチャにされた。
逃げようと思ったこともあるが、あたしには両親が残してくれたこの店しかない。冒険者にもなれない小娘がどうやって生きていけばいいんだろ?
散々暴れられた店内を片付けている内に夜も更けてくる。
誰も助けてくれない。でも明日はまたやってくる。
朝なんか来なきゃいいのに。
「彼女」の登場は結構早いです




