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採集地

【採集地とは】

 主に〝特定採取指定保護区域〟としてディングレイズ国とアカデミーから認定を受けている土地を指す。たいていは綴導術師の素材供給ための環境保護を受けた自然公園であり、自生する素材の貴重性や場所によっては綴導術師以外の立ち入りが一切禁じられていることもある。

 素材の乱獲は禁止されているので、持ち帰ることのできる量には限りがある。持ち出し可能超過分については現地管理人もしくは王都の入都監査室が『採集代行料』として買い取ってくれるので、直接収入が得られることもあるだろう。


 王室から直接の管理と保護を受けており、世界中への素材流通元ともなっているので〝特定採取指定保護区域〟に定められた区域内で許可なく採集を行なった者は処罰されてしまう。<アカデミー>生はこの立ち入り許可に関しては、学院との条約により全面的に免除される(ただし、土地の危険度に対応して学内ランクや所持装備、護衛の雇用環境等による審査は受けなければならない。また、現地管理官が配置されている場合、到着時の体調などによっては立ち入りが許可されない危険な土地もある。体調管理、回復薬の準備はしっかりと)。


 しかし綴導術師にとっての採集地とは結局のところ『綴導術に必要な素材が調達可能な場所』にすぎないので、道端で偶然自生していた素材を拾うことも立派に採集活動であるし、局所的に発生し、国からの認定を受けていない、未発見の採集地を獲得する可能性もあるだろう。



【項目の解説】

▼地名

●所要往復期間:

 王都を出た地点を出発点とし、目的地にいって同じ地点に帰ってくるまでに要する期間。なので家に帰るまでを含めて+1日がかかる。採集地への滞在期間も別カウント。


●探索ランク:

 主なモンスターのランク、素材ランク、環境の厳しさ等の総合から割り出されるランク。なのでかならずしもこれとまったく同じランク品の入手や、モンスターへの要警戒度を約束すものではないという点には注意しなければならない。


●理解度:

 上記探索ランクの各項目によって得られてゆく、採集地に対するスフィールリアの『総合的理解度』。モンスターや素材の種類や場所、特性、生態、分布、などなどを実体験として知ってゆくことによって増えてゆく。『図書館・勉強』や『うわさ話・民話』などによっても変化。モンスター遭遇率やアイテム採集率に影響。

 一定値を超えると、上位採集地への道が開けることも……?



【採集地】


▼近くの森(ちかくのもり)

●所要往復期間:0日

●探索ランク:F~E

●理解度:★★☆☆☆☆

●特記事項:工房から直接探索に向かうことができる。


●主なモンスター:

コケコックル、テッポウリス、フォレスト・ワン・オー、首領(ドン)コケコックル

●主な素材特性:草花、木の実

●主な素材アイテム:

アストラ草、アツ草、ひっつき草、リラックサ、しいたけ、ゼンマイ(ほか山菜)、マツリキノコ、木材、サクラ材、薪、砂金(レア)

●季節限定アイテム:

(春)タケノコ、桜結晶の欠片(レア)、スズカゼアゲハの繭、スズカゼアゲハの羽(レア)

(夏)夏火花のタネ

(秋)鉄針栗、紅葉結晶の欠片(レア)


-ABOUT-

 あたしの工房のすぐ近くにある森の一部。

 そんなに深い森ってわけじゃないので見晴らしもいいし、きれいな小川もあって、ピクニックにもちょうどよさそう。でも単純に広いので、もっともっと探索したらなにかありそうな気配……。

 学院が用意した採集地のひとつなので、あたし以外の学院生が訪れることもちょいちょいあるんだ。と言ってもこの森に住んでる『コケコックル』は爪がすごく硬くて、怒らせると怪我をすることもあるから油断は禁物だよ!


-Background-

 学院内の森にある採集指定地。

 拡張を繰り返してきた学院の歴史の中でも、比較的初期ごろからある古い土地。

<アカデミー>は綴導術師たちの総本山である。彼らが学院に施したさまざまな綴導術的機構と、彼らが日ごろ行なう秘術の数々が〝蒼導脈〟の側から土地へ影響を与えたために、綴導術の素材になり得る植物などが自然するようになった。

 現在では学院側が意図的にこれらの環境を維持して、生徒や教師たちのための基礎素材の調達元となるようにされている。

 しかし学院郊外に位置するので、反対方向に住む生徒などは基礎的な素材は<アカデミー・ショップ>でまかなってしまうことも多く、あまり人とはち合うことはない。

 最基礎素材がまかなわれるための、最低限の植生環境維持活動以外は基本的に放置されているので、最古の領域の環境がどうなっているのかを把握している者は少ないという。

 秋に実る『鉄針栗』は、鉄のように硬くて鋭いトゲに覆われているが、内部の実は非常に栄養価が高く、人間にも獣たちにとっても美味。

 この地に生息する『コケコックル』たちの爪が大変硬質に変化したのはこれを獲得するためで、『テッポウリス』のジャンプ力は彼らから栗を奪い取るために進化したものと思われている。なので秋の時期に生まれる『コケコックルのタマゴ』は大変に質がよいという話だが、これの獲得は『鉄針栗』よりもタイヘンだ。

『コケコックル』の中には炎を操り実を弾けさせて、種のためにまとめてこの栗を確保する性質を獲得した首領的固体がいるというウワサもあるが……。




▼クファラリス精霊邸湖

●所要往復期間:4日

●探索ランク:F~D

●理解度:★★☆☆☆☆

●主なモンスター:ドロップ、コケコックル、コロコロ

●エリアボス:いっちゃん、にっちゃん(クファラリス・チョウサンショウウオ)

●主な素材特性:草花、木の実、水

●主な素材アイテム:アストラ草、リラ草、精霊邸湖の水、ファイヤーツリーの皮、大翼樹の葉、ドロップの種(レア)

●季節限定アイテム:

(春)アストラホーンの角


-ABOUT-

 用事があって通りかかった時に知った採集地。

 とっても大きくて澄んだ湖があって、周りの草原もすごくキレイなんだよ! 少し外れたところにある水場なら、夏に泳ぐこともできる。

 ここには王室から委託された管理人さんが住んでいて、宿泊なんかに関して力を貸してくれるよ。あと、仲良くなるとバーベキューに誘ってくれたりするんだ。

 でも精霊の邸|(宅?)ってどういう意味なんだろうね。いるのかな?


-Background-

 肥沃な土地に育まれ、薬効の高い草花が多く存在する。王都からの定期便も出ており、ここを訪れる学院生も多い。定番な採集地のひとつ。

 湖底には古い『大翼樹』が沈んでおり、かつてはこのあたりも<クファラリスの森>の一部であったことをうかがわせる。

 大陸100景に数えられる美しい景観のためか、この地を訪れた旅人らが伝える、神秘的な逸話も多い。そのひとつに、『夜に中央の湖面に煌く光を見た』『とある乾き切った旅人が訪れた際、あと一歩で湖にたどり着くところで力尽き倒れてしまったその旅人を、精霊が救った』などというものがある。

 また、湖底には絶滅危惧種である『クファラリス・チョウサンショウウオ』が二頭棲みついているようだ。性質は非常に人懐っこく穏やか。しかし警戒心も弱くはなく慎重なので、初見では出会うことも難しいと言われている。ウワサによると、ある特殊なエサを湖に投げ込むと出てきて、力比べに肩を貸してくれるらしいが……?



▼クファラリスの森

●所要往復期間:4日

●探索ランク:C

●理解度:★★★☆☆☆

●主なモンスター:ディープ・コケコックル、イービス(灰、赤、黒)、モリウルフ、吸血コウモリ(赤、黒)、ジェイルロック

●エリアボス:変異ジェイルロック(イベントボス)、フォレストシェイカー

●主な素材特性:木の実、鉱石、木材

●主な素材アイテム:

スチウム鉱石、エムル鉱石(レア)、リフェルの実、キルトの実、旧ディングレイズ金貨(レア)、ヴェノムしいたけ、ケッゴウカガリ、深水草

●季節限定アイテム:

(秋)黄金クリ

(冬)渡り羽の羽


-ABOUT-

 戦技教官さんから聞いた採集地。<クファラリス精霊邸湖>のすぐ隣にある。

 とても深い森で、千年以上前からこのあたりに広がっているんだって。<クファラリス精霊邸湖>とは違った意味で神秘的な場所だよ。

 いろんな生き物や植物の生活が折り重なって、複雑な生態層を見せてくれる。だからいろんな素材品の宝庫でもあるんだ。

 奥地の方にいくと、森が深すぎて、光も届かないぐらいなんだって。

 モンスターのランクもちょっと上がってるから、要注意だね。きちっと準備してからいこう。


-Background-

<クファラリス精霊邸湖>に隣接する大森林。

 肥沃な土地に育まれ、非常に豊かで複雑な生態相を形成している。定番な採集地のひとつであり、新入生が学院に慣れたころに次なる練成のステップを踏み出すための素材品の宝庫とされている。

 いろいろな綴導術の素材が集まっているため、素材同士の特殊効果が入り混じって、さまざまな、微細な〝効果〟を生み出している。

 奥地になるほど古代の森林層が残されており、化石や植物、学術的価値が見出される遺物が多く眠っている。


 この森に頻出するモンスター『イービス』は亡者のような姿をしていることもあって森に迷い込んで果てた冒険者が悪霊化したものだという風説をよく耳にするが、当然そのようなことはない。その正体は森に淀んだ不活性蒼導脈が精霊と反応を起こして擬人化を果たした半幽体である。人を襲う性質も遭遇した人間の不安、恐怖心を反映して獲得されるもので、本質的に〝意思〟は持っていない。なので場合によっては『人を助けるイービス』がいてもおかしくはなく、実際、そのような固体が現れたことがあるという逸話も残されている。


 かつてはエムルラトパ王朝時代の都市があった場所でもあると言われており、奥地にはその遺跡がひっそりと佇んでいる。




▼アガルタ山

●所要往復期間:12日

●探索ランク:B~A

●理解度:★★☆☆☆☆

●主なモンスター:ラージドロップ、コケコックル・ワイルド、ガーゴイル(灰、赤、黒)、レッドドラゴン

●エリアボス:魔竜エルバルファ(イベントボス)、レッドエルダードラゴン

●主な素材特性:岩石、鉱物、宝石

●主な素材アイテム:

アガルタ石、火炎草、竜鱗、ドロップの種(レア)、ルシル・アル・テクト鉱石(レア)

フレアルビー(レア)、フォルトガーネット(レア)、リィンサファイア(レア)、ルシルダイヤモンド(レア)、ムーンライト(レア)

●季節限定アイテム:

(冬)ドラゴンズホーン、冬鉄火、不死鳥の羽


-ABOUT-

 王都の北東方面にそびえる霊峰アガルタ山。王都から片道6日かかるよ。

 このエムルラトパ大陸ができるころから存在するっていうすごい山で、さまざまな逸話や伝説を持ってるんだって。

 上級採集地としても有名で、貴重な鉱石、宝石、レアメタルが眠っている。人々に語り継がれるような強力な武具の原料は主にここから供給されるって言うぐらい。

 階梯を積んで上級への扉に手をかけた学院生が、ワンランク上の装備を手に入れるために、一度はかならず通る場所とも言われてるんだ。あたしにもいつかそんな日がくるのだろうか。

 その代わり環境としてもとても厳しく、上級採集地と呼ぶにふさわしい難所。生半可な装備と編成じゃあ通用しない。充分に準備期間と対策を練って挑んでも、途中で耐え切れなくなって下山してくる人が続出中。なのでこの山を攻略する時は護衛費用も潤沢に使って、なおかつ複数のサークルで手を組んで共同戦線を張るのがセオリーになっているらしい。

 それだけじゃなくて山の随所から噴き出す『魔素』がいろんな状態異常を引き起こすのでとてもたちが悪い。……回復薬各種はたくさん用意していこうね。

 でも最基礎素材のひとつである『水晶水(赤)』を作るのに一番適してるのが、ここで採れる『アガルタ石』なんだけど……上記の通り生半可なレベルじゃ手が出せなくて、新入生レベルにとっての関門のひとつにもなっている。あたしも先輩たちが市場に流した『アガルタ石』を高値で買うしかなくて、ぐぬぬ~ってなったなぁ。

 活火山だから途中に温泉があるんだけど、魔素が溶け出してできた毒性が強すぎて入ることはできないらしい。もったいないなぁ。


-Background-

 標高、五千百二十メートル。

 王都の西側に存在している大山脈<キクリエリウム大列剣脈>と同じく、原始大陸の崩壊時に、大陸が引き裂かれる力で隆起したとされている。その当時に大地へ加わった圧倒的な力がさまざまなレアメタルの鉱脈を山の中に宿らせた。


 中でも『ルシル・アル・テクト鉱石』は最上級の武具の材料となることで有名である。神の涙が地中で固まったものとも言われ、この金属から打ち出された武具には伝説級のものも多い。

 有名どころとしては、天空真竜スカイ・エンペラー・ドラゴンの試練に挑む西の天境の勇者に無名の刀匠(記録が残っていない)が贈ったという『聖剣ファルガニィル』(天境の一族の本館に現存)、西方大陸ルシル・エル・アルトの内乱を治めた戦乙女が携えたという『双天 クル・エルファ、エル・アルパ』(エル・アルト国立第一博物館所蔵との説)などがある。

 その業界に身を置く者なら一度は扱うことを夢みると言われている素材で、当然、市場でもまず見かけることはない。入手者のほとんどが自分の武具を作るために使うためである。


 五合目付近からは森林限界を迎え、荒涼とした岩と砂利と氷雪の景色が支配する。

 山に多く出現するガーゴイルは魔石を食って存在を維持する半無機物の魔導生命体であり、放置すると取り返しがつかない数になって山の外にまで進出してくるために、これの討伐のために定期的な遠征がなされる。大陸の治世が安定しないころには山への出兵も容易なことではなく、周期的にガーゴイルの大群が人里を食い荒らしに訪れる『大侵攻』として恐れられていた歴史もあった。

 という特性を持つために次から次へと出現して登山者を襲う、アガルタ山を最低ランクBたらしめているモンスターである。


 また、山の八合目からを支配しているのはレッドドラゴン種族である。彼らの固体戦闘力はガーゴイルの比ではない上に、群れをなして集団で〝狩り〟を行なうため、この領域の攻略はランクA以上の戦士でも容易なことではない。八合目以降に挑む採集者や戦士には役所に遺書を預けることが義務づけられている時代もあった(現代では任意である)。

 レッドドラゴンの中でも強力な力を持つ個体の一部は、角の内部に『王竜金』と呼ばれる希少なマテリアルを宿していることがある。一説によると群れの王となる資質を持つ固体だけに生成されるもので、その中からのみ王が選定されると言われているが、学術的真偽は確認されていない。


 ガーゴイルやドラゴンの話ばかりが恐れられるこのアガルタ山だが、同所に住み着くコケコックル・ワイルドもあなどれない強敵であることは押さえておきたい。怒らせてしまったコケコックルが、ガーゴイルを執拗につついて破片を撒き散らしている姿などを目撃したことがある者も多いのではなかろうか。


 アガルタ山の名は、かつてこの山に住まっていたという賢人アガルタからきていると言われている。人間嫌いのアガルタが強力な人払いの術をかけたその庵が今も山岳のいずこかに形を留めたまま残っており、彼に気に入られた者だけがその地に招かれると言うが……。



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