【王城関係者】
▼エストラルファ・ファル・ディムオール=ディングレイズ
Age56 Height200cm
-PROFILE-
聖ディングレイズ王国、第三十二代目の現国王様。
歴代でも随一の偉丈夫で、立派な衣装の上からでも筋肉がモリモリなのがよく分かるすごい迫力を持つ人。実際にすごく強いらしくて第一聖騎士団長〝白竜皇〟との稽古試合でも勝ったことがあるほどだそう。それも格闘戦と剣技試合の両方でだって。すごいね……。
でもそんな見た目とはまったく裏腹にすごく穏やかな物腰をしていてどんな人にも最初には敬意を持って接し、〝暖王〟とも評されている。
歴代王族の例に漏れず統治者として非常に優秀な才を持ち、数々の功績を残してきた。そのすべては国を、国民の生活をよくするために発揮される。だれもが彼の王としての資質と信念を疑わず、貴族も、市民評議会も、自らの意思によって彼にかしずいている。
同時に、数々の不思議な伝説を持つ王城や王族の秘密のすべてに通じているであろう人でもある。
魔王が王都に現れた際には自らが直接出向いて戦いもした。
▼庭園のおじいさん
Age??? Height170cm
-PROFILE-
王城前荘の隅にあるささやかな庭園を管理しているおじいさん。
とても穏やかな物腰と優しい眼差しでこの国の行く末を見つめている。
立派な衣装を着ているから偉い人なのかなぁと思っていたら、なんと歴代王族の祖霊のひとりだった。学院長の話によると死したのちも霊体のような状態になって国を見守り、その知見によって現王に知恵を貸したり、時には因果の流れを見極め国の岐路と進むべき方向を教えたりしているひとりなのだそう。おばけとは一線を画する存在。
偉大なる祖霊とおばけは違うからね。そこは勘違いしちゃいけない。ぜんぜん違うものだから。おばけじゃないよ。いいね。
▼イルウェスタール・ファス・リィンオール=ディングレイズ
Age22 Height183cm
-PROFILE-
聖ディングレイズ王国、第一位王位継承者の王子様で、三人いらっしゃる現王家兄妹のご長男。
会ったことはないけど、耳にする噂は将来を期待する声ばかり。容姿は見目麗しく、人格は穏やかかつ優れており、積み上げた功績はすでに輝かしくて、人望は果てしなく厚い。
陛下の王としての資質を余すことなく受け継いでおり、彼が王位を継いだ際には間違いなく王国はさらなる発展を遂げるであろうと言われているのだそう。あの王様が先代として君臨していらっしゃるお国の後継者としてそうまで言われるのはすごいことだと思う。
だけど現陛下が〝暖王〟と称されるのに対して、彼は一部からは〝氷雷〟と表現されているらしい。
ひたすらに温厚・穏やかな陛下とは違って、〝悪徳〟に対しては氷のように容赦も慈悲もなく、稲妻のごとく対応行動が迅速であることから、そんな風に対比されるんだとか。そのことから〝暖王〟が敷いてきた制度や方針に冷たい一針が差し込まれるのではないか、という一抹の不安の声も、ないことはないらしい。ただし、やはり非常に優れた未来へ導く名君になるだろうという大勢意見が絶対的優位みたいだね。
▼ジルヴェスト・ファム・ゼクサス=ディングレイズ
Age21 Height181cm 好感度★☆☆☆☆☆
-PROFILE-
聖ディングレイズ王家の次男。つまり、第二王子様。
そして、王都にきたばかりのころ、あたしをナンパしてきたハンサムさんでもある。あの時は下心丸出しで、いかにもチャラ男の遊び人ってカンジだったし、さすがのあたしも引いたよなぁ。まさか王子様だったとは……。
王子様としての顔や評判は、まったく知らない。というか第一王子様に比べて驚くほど世間への露出が少なくて詳しい人もあんまりいないみたい。ってそりゃそうか……あのお兄様がいてどうして弟様がこうなのか…………。
なんだかよく分かんないんだけど、ある日突然ウチに訪ねてきて、あたしのことを嫁にするとか言い出した。なんでなの………………。
▼マリネル・リナ・エリンネール=ディングレイズ
Age13 Height137cm
-PROFILE-
聖ディングレイズ王家の末妹。第三王女様らしい。
詳しくはぜんぜん知らないけど、とても見目麗しく可愛らしいご令嬢らしい。
▼ウィルベルト・ホーン
Age22 Height177cm
-PROFILE-
第三聖騎士団<薔薇>の騎士団長補佐役。つまり副騎士団長。アレンティアさん直属の部下さんということ。
あっけらかんとしていて事務や政治的なことに疎いアレンティアさんの補佐役なのでいろいろと苦労は多いらしい。また、用兵の専門分野を習熟しているわけではないアレンティアさんに替わって実質的な指揮も執りつつ、要所要所で彼女が直感した意見などを作戦に取り入れたりする役割にある。
前団長さん(今ではアイバのとこの教官さん)の異動とアレンティアさんの団長就任に際して、前団長さん自らの強い推薦を受けて副長の席に抜擢された。武人としては超がつくエリートの中でもさらにエリートな聖騎士団において、さらなる大躍進と言える異例の昇格だった。
だけどそれだけに本人さんは自分の資質と経験にはまだ疑いを持っており、副長としてふさわしい存在になれるよう常に努力をしている。自分の未熟さを認めているから必要な時には自分よりベテランの部下にも頭を下げて意見を請うことも辞さないが、普段は副長としてのリーダーシップを他人以上に発揮しなければならないとも考えており、とても毅然とした態度を取る。その信条は公私をきっぱりと分ける姿勢に現れている。
……でもアレンティアさんと一緒だとそれもなかなかにままならず、そういう面でもやっぱり苦労しているっぽい。
あたしが知り合った最初もアレンティアさんが混同しがちな〝私〟の部分の一部だと思われていて(まちがってはいないんだけど)若干煙たがられている節はあったんだけど、<クファラリスの森>に起きた異変の一件を境に認めてもらえたみたい。今では用事で庁舎にいくことがあればこの人の方から声をかけてきてくれて、どうすればアレンティアさんに隊長としての自覚や振る舞いを分かってもらえるのだろうかとか、アレンティアさんに言うことを聞いてもらうにはどうしたらいいんだろうかとか、いろいろと相談を受けることもあるんだ。苦労してるだなぁ……。
アイバのこともけっこう認めてるらしくて、<薔薇の団>にスカウトもしたんだってさ。
器用な方じゃないかもしれないけど、誠実でいい人だよ。
▼アルフュレイウス・ディウヴォード・パルマスケス
Age33 Height179cm 好感度☆☆☆☆☆☆
-PROFILE-
第一聖騎士団<世界樹>の団長さん。ディングレイズ王国最強の騎士と言われていて、〝白竜皇〟という異名も持つらしい。
きれいな銀髪をうしろで束ねた美男子さんで貴族の婦女子さん方からの人気も高い。
でも本人はすごく実直で生真面目な性格をしており、今のところ色恋などにはあまり興味を示していないのだとか。あたしはひと目見ただけだけど、たしかに気難しそうなお顔をしていたなぁ。
とりあえず、今のところ頭にあるのは王国、そして王への忠誠だけらしい。
最強と言われてはいるけど別に絶対無敗の無敵というわけではないらしい。王都の〝武〟の頂点である聖騎士団において〝最強〟の形は一概には言えないところがあって、実際に試合の形式や条件によっては彼に勝てる団長さんは割かしいるんだって。国王様もそのひとりらしいしね。
しかしながらその上で、そんな『並み居る最強』たる聖騎士団長の中において、彼の持つ〝武力〟は傑出していると言われている。
それこそが〝白竜皇〟の名の由来でもあり彼だけに抜くことが許されている魔剣『剣鱗アルコ・ティコ・ユラスト』であり、その力を完全に解放した時、彼の武力は王国全戦力さえ上回る可能性もあると言われている。だれに言われてるのかは知らないけど、もしも本当ならすごいね。
魔王エグゼルドノノルンキアが王都に顕現した際には逆上して剣の力の一部を開放したらしく、その時は体中が刃の集合でできたみたいな大きな竜の姿を取っていたからもはや〝剣〟という領域にある武器じゃないことはたしか。魔王の言によると魔王使徒ほどの存在さえ害し得る武器だとも。だけど、魔王使徒エルハルシャンティ・ノノルンキアには勝てなかった。
▼ガランドール・ミーズ・バズマ
Age34 Height189cm
-PROFILE-
第二聖騎士団<リモーネ>の団長さん。
身の丈以上ある黒くて禍々しい戦斧と黒鎧を専用装備としていて『崩撃の砕禍』というふたつ名を持っている。公式試合においては第一聖騎士団長のアルフュレイウスさんにも勝ったことがある。アルフュレイウスさんとは個人的にも親しいらしく、『アル』『ガラ』と呼び合う仲なのだそう。
〝檸檬〟の名前には到底結びつかない人だけど、果実が示す〝情熱〟って言葉にはひょっとしたら合ってるの、かも……? …………いやぁ~、正直どうかな、あはは。
ご本人さんの性格はひと言に豪放磊落。剛直で、難しいことは言わず、考えず、さっぱりとしている。とにかく戦うことだけに情熱を捧げていて、ほかのことに向いていないのは自他ともに認める事実らしい。
逆に、だからこそ細かいことに気を配れるアルフュレイウスさんやウィルベルトさんのような人には敬意を払うみたい。そういうことができる人は根本的に思慮深いと思うけどね。……でも、第十二聖騎士団長さんのことは逆に頭がいい方に突き抜けすぎていてどうしても苦手なのだそう。
その見た目とふたつ名の通り、一撃が要塞の壁さえ打ち崩す威力を発揮する。
全騎士団中攻撃力最強とも言われていて本人も自負を持っている。その点からかどうやら一度キアスさんと本気で戦ってみたいと思っているみたい。キアスさんが応じるかは別として、このおふたりが本気でぶつかる姿は想像しただけでゾッとする。ただ、キアスさんの言によると装備の質に差がありすぎるので自分では到底満足に足る相手はできないだろうとのこと。ほっ……。
魔王が王都に顕現した際には局所時空圧縮を試みるあたしたちを隠す囮役として魔王の軍勢の足止めを買って出てくれた。
ちなみに、団に二名いる副長は指揮・作戦立案役のほかに、彼自身のことを『止めることができる』という基準で選出されているらしい。
▼エーデルリッツァー・クォルクトル・アーケイン・ホルン
Age18 Height167cm
-PROFILE-
第十二聖騎士団<フリージア>団長さん。女性。あたしは声だけでしか会ったことはないけど、本人さんも常にローブとフードで容姿を隠していて素顔をちゃんと見た人はすごく少ないらしい。でも声だけの印象だけど、きっとかっこいい人だと思うなぁ。
姿だけでなく経歴も不明な点が多く、ある時、突然、聖騎士団に現れて今の団長の席次に納まったのだと言う。そのため、アレンティアさんのようにどこかからか王室にスカウトされてやってきたのだという説が濃厚だけど、やっぱり詳しいことはだれも知らない。
〝レ・クラゼポル台本〟というふたつ名と『世界最弱の聖騎士団長』というレッテルのふたつを持つ。
最弱というのは、彼女自身には戦士としての実力や才覚がまったくないことから。
そして〝台本〟というのが、彼女だけにある特別な実力と才能を示している。
その能力というのが、〝作戦指揮能力〟。
彼女が指揮を執る時、個々人に至るまでの戦力の詳細と戦場の情報すべてを読み取って、まるで戦場が彼女の描く〝台本〟に沿っているかのように動き始めることからそう言われるようになったそう。その〝台本〟の構成速度は常に現実時間を上回り、精度は秒単位の調整に及び、局所的な気流の流れさえ作り出してしまうほど。って、言っててそんなこと本当にできるのかって思っちゃうくらいすごいね……。
なもので、実はディングレイズ王国軍部の切り札たる団長さんらしい。
騎士個人としての頂点はアルフュレイウスさんだけど、彼女が指揮を執った時の聖騎士団こそが〝軍事力〟としての真の〝最強〟だと、多くの人が認めているんだって。
ただ、そんな彼女だけど、式典だとか、国が誇る聖騎士団としてオフィシャルな意味合いの公務や行事にはほとんど出席しないのだそう。恥ずかしがり屋さんなのかなあ?