excavater 09
「『現場監督』がお呼びです、お待ちのお客様は五階へどうぞ」
館内放送が流れたので五階に向かった。
万が一の場合を考え渚に同行してもらった。
ケモナー幼女で鬼畜なオレ。何かがあっても骨は拾わない。
「ちょっと前までみんな堀師マスターのこと『将軍』って呼んでたはずなのに、『現場監督』って仕様が変わったのかな?」
不思議そうな顔で渚はそう言っていた。
「誰だっけ?アッ!思い出した!」
ノックの後にドアから顔を出した堀師マスター。
白Tシャツに腹巻、下はステテコ、足に雪駄。
なぜか片手でお尻を押さえていた。
「はいこれ!LV15おめでとう!」
電気炊飯器をもらう。大家族用かなり大きい。前が見にくくなった。
「アッ!これもあげる!」
鍵をもらった。
「忙しいからまたね!ウホッ!」
バタンとドアが閉じられた。頑張って訪ねて来たのにこれだけかよ!
その場にいても仕方ないので、よたよた歩きながらエスカレーターに向かう。
ふと建物案内図に目が止まった。
四階…『ポーチ』のおうち。
思わず二度見。うそだろ!
「すごいすごい!」
渚が驚いていた。
これはどういうことだ?事実を確かめるべく四階に向かった。
四階の入り口であるドアの横には、確かに『ポーチ』と書かれた表札が取り付けられていた。その下には元看板らしき木の板が転がっていたので、ひっくり返してみた。
『堀師第二次入学試験会場(陵辱編)』。
試験?オレ受けてねーし?ちょっ陵辱編って何だよ!?
堀師マスターから貰った鍵を使ってみるとドアが開いた。
内部は体育館いやそれ以上、アリーナクラスの規模はあった。
炊飯器のフタを開けてみた。
中には『合格』と筆文字で書かれた紙切れが一枚。小さなショルダーバッグ。『スグクル』というロゴの入った携帯端末が入っていた。
携帯端末を手に取るといきなり着信。相手は堀師マスター。
「アッ!言い忘れた!今日から四階がキミの家。使わなくなったからあげるね!」ブツッ。
それでいいのか?軽すぎじゃねえか?
でも……貰える物は貰っておこう。てへっ♪