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かがく講座1『ぶんれつせかいってなぁに?』

高田のストレス解消企画~! いぇ~い! どんどんぱふぱふ~♪


『混沌のアルファ かがく講座』を本能に赴くまま、書いてみました。設定を硬い文章で書くのはキライだけど、こういう会話形式での表現なら、描くの好きなんですよね~。


この企画では『混沌のアルファ』本編で分かりにくかった設定の話を会話形式で、事細かに説明していきます。あくまでも本編での補足事項に過ぎませんので、これを読まなければ、本編が分らないということは一切ありません。ただ、分りづらい部分はこれを読んで頂ければ、理解の手助けになるとは思いますー。


ちなみに中のお話や理論はあくまでもフィクションです。事実を元に造ってある理論もあれば、都合よく改変してしまっている理論もありますので、『これ事実とちがくね?』という、野暮な突込みはカンベンしてください。

突っ込まれても、高田は微笑を浮かべながら、『ファンタジー』としかいいませんw


それでは始まり、始まり~















川原「混沌のアルファを読んでいる皆さん、こんにちは! D-計画担当の川原奈々恵です。世界の最先端を誇る三ツ葉社の研究施設へようこそ!」


武士「同じく、D-計画担当の石和武士だ。よろしく頼む」


千恵子「石和武士の妻の石和千恵子です。どうぞよろしく・・・って、あ、あれ? あたしなんでここにいるのかな、武ちゃん」


武士「俺も詳しくはよく分からんが・・・千恵子、お前は生徒役だそうだ」


千恵子「せ、生徒? いったいなんの? 武ちゃんは先生なの?」


川原「ちがうわよ、千恵子さん。先生はあたし。川原奈々恵よ。これから千恵子さんにはあたしの授業を受けてもらうわ」


千恵子「え? え?」


川原「このページで発表している『混沌のアルファ』っていう自作小説なんだけど、幾人からの読者から、どうにも設定が難しくて分かりにくいっていうクレームが来ているのよねえ。まあ、作中じゃあすべての熟知している研究員同士が話し合っているから、分かりづらいのは当然ななんだけどね」


武士「一応、話を始める冒頭に世界観の説明を載せたんだが、あれで更にややこしくなったというクレームが来てな。だったら、こうした会話形式で、改めて混沌のアルファについての説明をしていこうというのが今回のコンセプトらしい」


川原「まあ、つまりは作者の実力不足を補うコーナーってことね♪」


千恵子「あ、あははは・・・・・・身も蓋もないですね。で、でも、それでどうしてあたしがここにいるんですか? 武ちゃんの妻とはいえ、あたし部外者だし、専門的なことはなにもしらないんですけど」


武士「だから、いいんだ。今回のコンセプトは『分かりやすく説明すること』だからな。何も知らない千恵子に一から教えていくほうが、皆にも分かりやすい」


千恵子「そ、そういうものなのかな? でもでも、第五研究所の中の情報って、規制がかかってるんでしょう? 部外者のあたしにそんなレクチャーしたらまずいんじゃあ―――――」


武士「別に問題ない。本編じゃないからな」


川原「そうそう、ノープロブレム♪ まあ、この文章自体落書きみたいなものだから、別に本編には何の影響もないわよ。ちなみにここにいるキャラクターが本編キャラと違っていたりすることもあるかもしれないけど、ノークレーム、ノーリターンでお願いします」


千恵子「ノークレームは分かるけど、ノーリターンって?」


川原「あらあら、千恵子さんはどうも乗り気じゃないみたいね。別にイヤなら辞めてもいいのよ。無理強いはしないわ。そうなると石和くんとあたし。二人だけのプライベート授業になるけど、あたしもそっちのほうがいいかしらね」


千恵子「―――――っ! や、やる! やります! あたし授業受けます!」


武士「おお、急にやる気になったな。俺のやっている研究に調味を持ってくれることは素直に嬉しいな」


千恵子「うんっ! あたし頑張るから! 武ちゃんを守るからね!」


武士「? なんだかよく分からんが、頑張れ。俺も出来る限りフォローしていこう」


川原「くすくす。それじゃあ、千恵子さんのやる気が満々になったところで、そろそろ始めましょうか。あ、本編のネタバレはないので、一見さんもよろしかったよんでやってくださいね♪」


武士「で、川原、今回はなんのレクチャーをするつもりだ」


川原「当然、最初は物語の基本となる『分裂世界』についてね。これについての理解が弱いと話の根本が分からなくなるもの」


千恵子「ぶんれつせかい・・・?」


川原「そう。千恵子さん、あなたは平行世界っていう言葉をしっているかしら?」


千恵子「あ、はい。漫画や小説なんかでは聞いたことがあります。確かパラレルワールドとか呼ばれていたような・・・・・・あたしたちが住んでいる世界と似ているけど、なんか少し違う世界がたくさんあること、ですよね」


川原「くすくす。よくできました。その通りよ。平行世界―――パラレルワールドは世界はひとつじゃなく、可能性の数だけ存在していて、それが無限に連なっている世界のことを指します。たとえば、ここにあたしと千恵子さん、石和くんがいるけど、他の世界では千恵子さんが存在してないかもしれない。更に他の世界では千恵子さんが独身で、あたしと石和君が結婚している世界かもしれない」


千恵子「そ・・・そんな世界あるわけないよっ! どの世界でもあたしと武ちゃんは結婚しているもん・・・・・・!」


武士「ち、千恵子、あくまでも例え話だからな」


千恵子「ぐすっ・・・・・・た、武ちゃんの浮気者」


武士「いや、してないだろ! 川原、千恵子をあおるような発言はやめてくれ。話が進まなくなる」


川原「くすくす。千恵子さん、可愛いわね。からかい甲斐があるわ」


武士「・・・・・怒るぞ・・・・・・」


川原「ごめんなさい。話を続けるわね。平行世界の理論は物語の中だけではなく、量子力学の分野できっちり研究されてきた分野でもあるの。厳密には違うけど、エヴェレット解釈なんかがそれに当てはまるわね。コペンハーゲン解釈から派生した理論で、観測者を軸にした考え方だからあたしはあまり好きじゃないんだけど・・・・・・千恵子さん、シュレーディンガーの猫の話は知っているかしら?」


千恵子「え、えっと・・・・・・砂糖をまぶした猫?」


石和「シュガーじゃなくて、シュレーディンガーな。まず、蓋のある箱を用意して、この中に猫を一匹入れる。箱の中には猫の他に、放射性物質のラジウムと、ガイガーカウンターを1台、青酸ガスの発生させる装置を1台入れておく。もし、箱の中にあるラジウムがアルファ粒子を出すと、これをガイガーカウンターが感知して、その先についた青酸ガスの発生装置が作動し、青酸ガスを吸った猫は死ぬ。しかし、ラジウムからアルファ粒子が出なければ、青酸ガスの発生装置は作動せず、猫は生き残る。どっちの可能性もある。こういった装置を設置しておいて、一時間放置しておくんだ。」


千恵子「動物虐待実験だね、それ。猫かわいそう・・・・・・中の猫はしんじゃうんじゃ・・・」


武士「千恵子はどう思う? 箱の中の猫はどうなっていると思う?」


千恵子「え? も、もちろん生きていてほしいとは思うけど、箱の中身を確認しなくちゃわからないよ」


武士「そうだ。分からないな。つまり、そういうことだ。『箱の中には青酸ガスが発生して、死んでしまっている猫とアルファ粒子が出ずに、無事生き残っている猫のふたつの可能性がそのまま入っているんだ。』箱の蓋を開け、確認した瞬間、一つの可能性に収束するんだ」


千恵子「それって、猫は生きても、死んでもいないってこと?」


武士「ちがう。『生きてもいるし、死んでもいる』。二つの状態が箱の中に重なり合ってるんだ。そして、箱の中を空けて、確認した瞬間、どちらかの可能性に確定するんだ。つまり、観測者が確認した瞬間二つの可能性の世界が一つの可能性に収束するんだ」


千恵子「え? ええ? そんな無茶苦茶だよ。だって、箱は確認していないだけで、どっちかになっちゃってるはずだよ」


川原「まあ、その通りだけど、この理論はそういうものなのよ。ちょっとオカルトじみてるわよね。二つの可能性が一つの事象に収束する。これを『波動関数の収縮』というの。で、エヴェレット解釈はこれを逆に考えたものなんだけど、どういった理論か、分かるかしら?」


千恵子「逆・・・・・・ですか。えっと、二つの可能性が一つになるのが『波動関数の収縮』だから、ふたつの可能性がそのまま残るとか、ですか?」


川原「はい。正解。よくできました。波動関数の収縮は観測者が確認することによって、ふたつの可能性がひとつになるに対して、エヴェレット解釈は『可能性が二つに分岐する』ということなの。これを多世界解釈と呼ぶのよ」


千恵子「多世界解釈・・・・・・波動関数は収縮しないんですね?」


武士「そうだ。コペンハーゲンでは『生きた猫』と『死んだ猫』、どちらか一方が観測した瞬間に収束するが、エヴェレット解釈では『生きた猫』、『死んだ猫』が同時に存在するということになるわけだ」


千恵子「ふぁ・・・・・なんか面白いですね。SFみたいです」


川原「そうね。実際SFファンにはかなり指示されている理論だし、こういう話が好きな人にはたまらないんじゃないかしtら?」


千恵子「あ、それでようやく分かりました! 『生きた猫』と『死んだ猫』、ふたつが同時に世界が分かれて、分岐した世界が進んでいくのがパラレルワールドなんですね」


川原「ん~・・・正解! といいたいところだけど、それはちょっと違うわね」


千恵子「え・・・?」


武士「千恵子、エヴェレット解釈と平行世界――パラレルワールドの概念はまったくの別物だ。多世界解釈はパラレルワールドじゃないんだ」


千恵子「え? ええええ? だ、だって今までの説明はパラレルワールドの話じゃあ――――」


川原「厳密には違う、っていったでしょ? まあ、よく勘違いされやすいことらしいけどね。よく知らない人が話をつくったりすると、この辺がごっちゃなった小説や漫画がありそうよねぇ」


武士「作者も知ったかぶりレベルだけどな」


川原「それは言わないお約束」


千恵子「で、でも、それじゃあ、なんの為に今までコペンハーゲン解釈とかエヴェレット解釈の話をしてきたの? パラレルワールドとは全然関係ないんでしょう?」


川原「それは話を分かりやすくするためよ。『混沌のアルファ』の世界で重要視されるのは多世界解釈でも並行世界でもない『分裂世界』なのよ」


千恵子「???」


武士「分かりやすく、ひとつひとつ説明していこう。千恵子、まずはこれをみてくれ」


挿絵(By みてみん)


千恵子「これは?」


武士「平行世界の図だ。横にAは俺たちのいる世界と考えてくれ。B以降が似て非なる世界。こうして世界が平行に世界が進んでゆく概念を『平行世界』と呼ぶんだ」


千恵子「これならあたしにも分かりやすいかも。この世界の線はどのくらいまであるの?」


武士「可能性の数だけ。すなわち無限だ。ありとあらゆる可能性が内包されている。まあ、これも一つの考え方ってだけだ。フィクションの世界では特に理屈はなく、ただ、パラレルワールドって概念を使ってる作品が多いからな。なんとなくこういうものだと把握しておけ。それで充分だ」


千恵子「うん、わかった」


川原「で、いよいよここから本題。『分裂世界』の説明にはいるわよ」


挿絵(By みてみん)


川原「これが分裂世界。あたしたちのいる世界で実在が証明されている理論よ」


千恵子「よくわからないですけど、これは一つの世界を軸に世界が増殖しているの・・・かな?」


川原「それで合ってるわよ。まずはどこから話したらいいかしら・・・・・千恵子さん、あなたは『ガイア理論』って知ってるかしら?」


千恵子「あ、はい。それなら。生き物一つ一つじゃなくて、すべての生物を含め、地球すべてをひとつの生き物として見る理論ですよね」


川原「そう。『分裂世界』はその『ガイア理論』のスケールをもっと大きくしたものだと考えればいいわ。世界は生き物であり、常に増殖を続けている。分裂した世界にはあらゆる可能性が内包されている。わかるかしら?」


千恵子「い、いえ、さっぱり・・・・・・」


武士「図に根源世界と書かれた円があるだろう? あれがすべて始まりの世界と考えてくれ。この根源世界に世界変動(事象の変化)が発生すると、世界が二つに分裂するんだ。生物の細胞のようにな。で、二つになった世界はそれぞれの世界で世界変動が発生し、四つに増える。で、同じ過程を経て四つが八つ、八つが十六とどんどん増えていくんだ」


千恵子「あ、うんうん。それなら分かる。これがどんどん増えていくことによって様々な可能性が生まれてくるのね」


川原「そうそう、だからあたし達がいない世界もあれば、日本も存在しない世界もある。それどころか、地球、太陽系すら存在しない世界もあるってことよ」


千恵子「でも、世界変動って? エヴェレット解釈みたいに観測者がいることによって、分裂するのかな」


武士「いや、観測者は関係ない。世界の事象が変化するたびに世界変動は発生するんだ。たとえば、風向きが変わるとか、天気予報が外れたとか、そんな些細な事でも世界は分裂する」


千恵子「そ、そうなの? それじゃあ、本当に無尽蔵に増えていってるってことなんだね。収集ががつかないことになっていきそうだよ」


川原「その辺はご心配なく。確かにどんな些細な世界変動でも世界は分裂してゆくけれど、小さな事象変化から生まれたものは大きな世界の流れにすべて吸収されるのよ。あつまって収束した世界が一つの線となり、大きなゆるぎない世界を確立していくの。これを『絶対世界線』というのよ」


千恵子「絶対世界線・・・・・・」


武士「そうだ。そして、こうして、多くの線が集まりひとつになった世界線は些細なことでは分裂しないんだ。正確にはしているが、すべて絶対世界線に吸収されてしまうんだ」


千恵子「・・・・・・ん、と。ゴメン。武ちゃん、ちょっと分かりにくいかも」


川原「わかりやすく例を出してみましょうか。恐竜が滅亡する原因となったのは、現在巨大隕石の衝突というのはもっとも有力な説なのは知ってるかしら?」


千恵子「はい。地球に衝突した巨大隕石が土砂を含んだ海水を大気圏まで巻き上げて、宙を覆って長い間、太陽光が差し込まなくなっちゃうんですよね。それで長い間、地球には寒冷期が訪れて、それに耐え切れず、恐竜は滅びてしまった、ですよね?」


武士「おっ、なかなか詳しいじゃないか、千恵子。よく知ってるな」


千恵子「えっへん。・・・・・・って、言いたいところだけど、この前N●K特集でやっていたのた見てて、それでたまたま覚えてただけだよ」


川原「その巨大隕石だけど、もし、この巨大隕石が地球に落下していなかったら、恐竜の存在はどうなっていたかしらね?」


千恵子「それは・・・・・・恐竜は滅びていなかったかも。ひょっとしたらいまでも恐竜がいる世界だったかもしれませんね」


川原「そう。それが『絶対世界線の分裂』よ。巨大隕石の軌道が地球のコースを取っていなかったら、そういった可能性の未来もあった筈なのよ。

 だから、ここで巨大隕石が落下する世界と、落下しない世界ではかなり大きな世界変動が発生する。そうなるとその事象は一つの絶対世界線に吸収されることなく、分裂するの木の根っこの枝を想像してみるといいわ。

 結果、『恐竜が滅びる未来』と『恐竜が滅びない未来』、それぞれの未来が別々に続いていくってワケ」


千恵子「な、なるほど。ようやくそれでわかりました。じゃあ、他の世界にはまだ恐竜が滅びてない世界が存在しているってことですね!」


武士「その通りだ。あるいはヒトみたいに進化した恐竜人がいるかもしれない」


川原「まあ、こんな大きな事象じゃなくても絶対世界線の分裂は起きるんだけどね。ある一定値の世界変動が観測されれば、世界は分岐する。そこから、小さな絶対世界線が生まれて、少しづつ違う未来を構築していく。この辺りの小さな絶対世界線が『似て非なる世界』、パラレルワールドに近いものになるのよ。つまり、あたしと石和くんが恋仲になる可能性も必ずこのなかに―――――」


千恵子「ありません」


川原「え? だから可能性の話として―――――」


千恵子「ありません。武ちゃんとあたしが結ばれるのは事象は『絶対世界線』で出来ているんです。どんなことをしても世界変動は起きません(きっぱり)」


川原「あらあら、千恵子さん。随分と強気ね。言ったでしょう。ある一定の世界変動が起きれば、そういう可能性も出てくるってことよ。絶対世界線の分岐は否定できないわ」


千恵子「他のヒトと結ばれる世界変動なんて起きないよ! どの世界でも武ちゃんはあたしのこと好きだもの!」


武士「川原、だから止めろと言ってるだろう? いい加減にしろ。その気もないのに千恵子をあおるな」


川原「はあ・・・・・・確かに、ここまで鈍感だと、相当の行為に及ばないと世界変動は起こらないかもしれないわね・・・・・・」


武士「? なんの話だ」


川原「なんでもないわ。それじゃあ、続きの話をするわ。・・・・・・と、いっても今ので分裂世界の説明は大体終わりよ。根源世界を軸に世界は増殖する。小さな世界変動は大きな世界の流れに吸収され『絶対世界線』を造る。そして、ある一定の世界変動が発生すると『絶対世界線の分岐』が発生し、それぞれ、別の世界を構築してゆく。これが繰り返され、『絶対世界線』は今現在も分裂を続けているのよ」


武士「そうなると、残りはひとつ。『次元震』の話だな?」


川原「ええ。この『分裂世界』の実在が証明された現象、そしてD-計画が行われる発端となった現象ね。さて、ここでもう一回、分裂世界の表を見てみましょう」


挿絵(By みてみん)


川原「もう説明しなくてもわかるとは思うけど、線の部分が『絶対世界線』ね。この図がどんどん進行していくとどうなるか・・・・・・千恵子さん、ちょっとこの図の続きを書いてみてくれる?」


千恵子「あ、はい。わかりました。あの、どこまで書けばいいんですか?」


川原「書ける所まででいいわよ。どうせ、すぐかけなくなると思うから」


千恵子「? はい。分かりました。それじゃあ・・・・・・ひとつがふたつ、ふたつがっつ。よっつがやっつ、やっつが十六・・・・・・って、あ、あれ?」


川原「どうかしら?」


千恵子「線と円が重なり合って、上手く表が書けなくなっちゃいました。なんかごちゃごちゃして、汚い表になってきちゃったんですが・・・・・・書き直したほうがいいですか」


武士「いや、千恵子。それでいいんだ。それが『次元衝突』という現象なんだ」


千恵子「え? え?」


川原「この表のようなことが実際に起こってるってことよ。植物の木の根をイメージするとわかりやすいかもね。いこうやって、『絶対世界線』が分裂していくと、まったく違う世界線同士が交差することがある。交差しても互いの世界線に距離があれば、特に問題は無いんだけど、まれに世界線同士が衝突してしまうことがある。これが『次元衝突』よ」


千恵子「衝突するとどうなっちゃうんですか?」


川原「ぶつかる箇所にもよるけど、絶対世界線のどこかが破損してしまうと因果律が破綻してしまう。内部崩壊が始まり、その絶対世界線は消滅してしまうわ」


千恵子「そ、それじゃあ、その世界で住んでいる人たちは死んじゃうんじゃあ・・・」


武士「絶対世界線自体が崩壊するんだ。むしろ、その存在がなかったことになってしまう。死より性質が悪い現象だ。『世界の滅亡』というよりは『世界の消失』だな」


千恵子「なんか怖い話だよね。今まで生きてきたことも積み上げてきた世界も全部無かった事になっちゃうなんて」


武士「そうだな。しかし、他人事じゃないぞ。俺らの世界でも『次元衝突』は起こったんだからな」


千恵子「ええええええっ! ほ、本当に! あたし達、それじゃあ消えちゃうの?」


川原「くすくす。大丈夫よ。『次元衝突』が発生したのはいまから十五年も昔のこと。それに衝突したといっても互い絶対世界線が交差し、わずかにかすった状態ですんだから、被害なんてほとんどないに等しかったのよ。だから『次元衝突』ではなく『次元震』ね。互いの空間がわずかに振動したに過ぎないわ」


千恵子「で、でも少しでも世界線の位置がずれていたら、危なかったんじゃあ」


武士「そうだな。確実に俺たちの世界は『無かった事』になっていただろうな」


千恵子「危なかったんだね。よかった、武ちゃんとの出会いがなくならなくて」


川原「まあ、その『次元震』を観測できたおかげで、あたし達の世界は『分裂世界』の実在が確認できたんだけどね。そして、向こう側の世界から流出してきた生命体『アルファ』の存在が『分裂世界』の研究を一気に進める貴重なサンプルとなったのよ」


千恵子「アルファ?」


武士「ああ、それは気にしなくていい。今回の話はあくまで『分裂世界』だからな。その話はまた今度のテーマとしよう」


川原「はい♪ というわけで『分裂世界』の授業は以上です。皆さん、いかがでした?」


武士「これでも分かりづらいと言われたら、作者は首を吊るといっていたな。というか、こんな長い文章、最後まで読むヤツがいるかの方が不安だな」


千恵子「そんなことないよ。武ちゃんの説明分かりやすかったよ。次回もあたし頑張るからね!」


川原「さりげなくあたしの名前を言わないのはわざとかしら? まあ、少しでも反応があったら、次にも続く、ということで。本編共々よろしくお願いします。ではでは、この辺にて♪」


武士「うむ。またな」


千恵子「ばいば~い!」





おしまい!

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