研究に没頭していたら婚約破棄されたので隣国にお引っ越しです 〜最高級ポーションが完成しましたが、国には戻りません〜
「お前を婚約破棄する、エルフリーデ! 俺はアンジェリカと結婚する」
「ごめんなさいお姉様…」
突然の宣告は、カール殿下の誕生日を祝うパーティで下された。
私、エルフリーデ・ジェイリスは、このベインマック王国の王太子カール・ベインマック殿下の婚約者……のはずでしたが、たった今婚約破棄された模様。
正直、私が今進めている研究さえ続けさせてもらえれば、婚約破棄についてはどうでもいい。
私のかわりとして妹のアンジェリカがカール殿下の婚約者となることにも異論はない。アンジェリカにだけ異様に甘いうちの両親も文句は言わないだろう。
むしろ、カール殿下の相手をしなくてすむようになるのは嬉しい。だって研究の邪魔……いえいえ。
でも念のため、本当に婚約を破棄していいのかの確認はしておこう。
「一応申しあげますが、この婚約は王家からの申し入れで――」
「ええい、屁理屈をこねるな! お前、牛臭いんだよ!」
トラ柄のファーを肩になびかせたカール殿下は、私の言葉を遮り、ビシィッと人差し指を突きつけた。
「一日に何時間も守護獣を召喚しやがって。王宮は牛臭くなるわ鳴き声が耳につくわ、この俺の婚約者にまったくふさわしくない!」
「ムーミーちゃんは臭くありません! 毎日お風呂に入れています! 鳴き声はごめんなさい!!」
「おまけに時々よだれも垂れている!! 何度踏んですべりかけたことか」
「それも……申し訳ありません。すぐに拭くようにしているのですが、牛は一日に100〜190リットルの唾液を分泌するので……」
「それが俺の婚約者にふさわしくないと言ってるんだ!!!! お前からは雨上がりの牧草地の匂いがするんだよ!!」
カール殿下の怒声が広間に響き渡る。
「え、それって落ち着くいい匂いじゃないですか?」と心の中で思ったものの、口に出せば火に油を注ぐことは分かりきっているので黙ります。
ムーミーちゃんというのは、私の守護聖獣だ。
私たちの住む大陸では、貴族の子女は十歳の時に神殿で鑑定を受け、各自が持っている【スキル】の確認をする。
私のスキルは【聖獣召喚】。精霊界に住むという聖獣を召喚することができるスキルだ。
なかなか貴重なスキル、なのだが……。
「俺の守護聖獣は魔虎だぞ? なんでその俺の婚約者が魔牛の召喚者なんだよ!」
そう、カール殿下のスキルも【聖獣召喚】。しかも守護聖獣は魔虎。
カール殿下と私の婚約は、貴重なスキルを持ったふたりを結びつけておこう、という狙いだったそうだ。
「カッコイイ虎の俺に牛なんか似合わないだろう。その点、アンジェリカはどうだ。アンジェリカの守護聖獣は魔猫だぞ! 同じ猫科だしかわいいし、俺の婚約者にふさわしいだろうが! お前なんか外れだ、ハズレ」
アンジェリカを抱き寄せるカール殿下。「きゃっ♡」と黄色い声をあげるアンジェリカ。
まあたしかに猫はかわいい。認めます。妹のアンジェリカも、研究ばかりの私と違っておしゃれに余念のない、とてもかわいらしい令嬢だ。
王太子妃となり、ゆくゆくは王妃になっても十分にやっていける器だと思――。
「いいか、お前は婚約破棄だ! もう次期王太子妃でもなんでもない。お前のやっているわけのわからん研究も即刻中止だ!」
「!!」
今度こそ私は驚いた。
婚約破棄自体は本当に心の底からどうでもいいが、研究を打ち切られるのは困る。
「そんな、もうすぐ研究の成果が出るのに! この研究がうまくいけば、多くの民が助かります。子どもたちだって……」
「――なら、わが国へいらしてはいただけませんか」
青ざめる私の耳に、穏やかな声が届いた。
振り向けば、広間の中央へ進み出るのは、隣国ゴートヴァン王国の王太子、ウィルフレッド・ゴートヴァン殿下。
輝く金の髪に青い瞳と目元が涼しげな方だ。
今日は王太子の誕生日を祝うパーティだから、当然貴族だけでなく他国の王族や大使なども招待されている。
ゴートヴァン王国は、ベインマック王国の北にある。隣国と言っても温暖なベインマック王国に比べ気候は冷涼で、作物は育ちにくいところだと聞く。
ウィルフレッド殿下は、私を背に庇うようにカール殿下とのあいだに立った。
「ぜひエルフリーデ・ジェイリス嬢をわが国へ連れ帰りたい。どうだろうか、カール殿」
「……エルフリーデがいいと言うなら勝手にしろ」
話の腰を折られたのが面白くなかったのか、カール殿下の答えはぶっきらぼうなもの。
しかし、許可は許可です。
カール殿下の不機嫌にウィルフレッド殿下はひるむ様子もなく、私に向き直ると、今度は私に「どうだろうか、エルフリーデ嬢」と尋ねた。
「わが国で研究を続けてほしい。金は出そう」
「行きます!」
私は即答した。
研究を続けさせてくれるならどこにでも行きますとも。
「おま……っ、行くのか!?」
「え、行きますよ? 勝手にしていいって言いましたよね?」
私が答えると、カール殿下はなんとも言えない顔になった。どうやら殿下の中では、私がこの国に置いてくれと縋ることになっていたらしい。
私は最後に優雅な退去の礼をして、その勘違いを打ち破った。
「カール殿下、アンジェリカとお幸せに。アンジェリカ、カール殿下とお幸せにね」
こうして私は、ウィルフレッド殿下とともにゴートヴァン王国へ向かうことになった。
***
道すがら、私は研究についてウィルフレッド殿下に話をした。
本来は機密扱いだったが、カール殿下は私を研究目的とわかったうえで隣国へ行かせているから、まあいいだろう。
「私の研究は、魔牛にポーションの原料となる薬草を食べさせ、ミルクをポーションにできないか、というものです」
「ミルクをポーションに……? そんなことが可能なのですか?」
「理論上は可能です。ポーションは複数種類の薬草を切ったり潰したりして混ぜあわせてからよく煮込み、できあがった成分から不純物を取り除いてさらに蒸留したものです」
しかもこの工程のあいだ、薬草に宿る魔力が逃げださないよう、鍋に魔力を注ぎ続けなければならない。
これは非常に手間と時間がかかるうえに、魔力まで使う。
傷や病の治療のために使われるポーションだが、魔術師が三日三晩徹夜して作るものであるため、手に入れられるのは貴族の中でもほんのひと握り。
せっかく高い効果がありながら、医療に貢献しているとは言い難い状況だ。
そしてなにより――ポーションは、マズい。
薬草の苦味とエグ味が相乗効果で、鼻から突き抜けるような泥臭さと言おうか……。
しかも高級になればなるほど成分が濃縮されていくポーションは、とにかくマズい。
「そこで、私の守護聖獣ムーミーちゃんに、薬草をもりもり食べてもらいまして……4つもある胃で、じっくり消化・熟成してもらいます。牛は反芻を繰り返しながら3日かけて食べたものを完全に消化するんです。この時間はポーションの煮込み時間と一致します」
「なる、ほど……?」
「そして吸収した成分をミルクとして出してもらえば、蒸留も完了」
「理論上は可能、と……」
ウィルフレッド殿下は腕を組んで考え込んでいる。
本音では半信半疑というところなのだろう。でも話を聞いてくれ、こうして考えてくれるだけでも私にとっては励みになる。
「牛は1日に50〜60キロの草を食べ、20〜30リットルのミルクを作ります」
「たしかに、その規模でポーションが作れるなら、革命的ですね……」
ウィルフレッド殿下はやっぱり半信半疑だ。
数百ミリリットルのポーションを手に入れるにもかなりの金貨を払わねばならない現状では、私の言うことが想像しにくいのもわかる。
でも、だからこそ。
「追いかけるに値する夢だと思うんです。この研究が実ったら、国じゅうの人々が健康に暮らせます。子どもたちが明日を不安に思わずによくなる」
私の言葉に、ウィルフレッド殿下が顔をあげた。
「あなたも知るように、ゴートヴァンは豊かな国ではありません。なんとか現状を打開できないかと、ぼくはベインマックに留学していた。そして、あなたの噂を聞きました。優秀な研究者だと」
ウィルフレッド殿下の青い瞳が、徐々に熱を帯びる。私と同じ情熱を、私は彼の瞳の中に感じた。
「エルフリーデ嬢。ぼくもともに夢を追いかけさせてください。民の幸せ――それがぼくの夢です」
「はい、殿下」
ウィルフレッド殿下が手をさしだす。
私はその手を握り、固い握手を交わした。
***
さて、ゴートヴァン王国の王都についた私は、王宮ではなく王都郊外に土地をもらうことになった。
ベインマック王国ではカール殿下の婚約者ということもあり研究は王宮で行っていた。しかしこちらのゴートヴァン王国では、私は客員研究者の扱いになる。
研究所という名の小屋の前で、周囲に広がる牧草地帯にムーミーちゃんを召喚する。
「よかったね、ムーミーちゃん」
「ンモォ〜♡」
ここならムーミーちゃんを帰す必要がない。召喚しっぱなしにしておける。
ムーミーちゃんも嬉しそうに私に頭を擦りつけてきた。研究用の白衣がよだれでベトベトになるが、そんなところも愛おしい。
「薬草も保管庫に入れて持ってきたけど……今日は負担かもしれないから、食べるのは明日にしようか」
「ンモッ、ンモモモッ」
「え? 食べるの? むしろ気分がよくておなかが空いてきた?」
ムーミーちゃんは頷くように首を上下に振る。
「たしかに毛並みがよくなってるかも……ゴートヴァンは涼しいからね」
私はムーミーちゃんのなめらかでハリのある毛並みを撫でた。
牛というのは、絶えず反芻を繰り返し消化にエネルギーを使うため、熱を発しながら生きている。そのため暑さに弱く、涼しいところのほうが元気になるのだ。
私は薬草の分量をはかり、桶に入れる。ムーミーちゃんはぺろりと平らげると、広々とした牧草地帯に寝転んだ。
「ここは、いい場所だね……王太子妃になるための勉強や社交もしなくていい」
いまさら気づいたけれど、もしかして天国では?
「ンモォ〜…」
風が、ムーミーちゃんの黒と白の毛をそよいでいく。
日が傾き、夕日が空を紫に染めていくのを、私は寝入ってしまったムーミーちゃんにもたれかかりながらずっと眺めていた。
***
――1週間後。
「えっ、ポーションができた?」
ブラシを手に研究所を訪れたウィルフレッド殿下は、目と口をぽかんと開けて言った。
私たちが暮らし始めてから、ウィルフレッド殿下は毎日のように研究所を訪れてくださった。
初日に楽しすぎて徹夜で研究していたら、翌日やってきたウィルフレッド殿下にとても心配されたので、そのせいかもしれない。
食べ物などをお土産にやってきたウィルフレッド殿下は、ムーミーちゃんにブラシをかけたり、私とムーミーちゃんといっしょに散歩をしたりして、しばらくすごしてから帰っていく。
「牛に触れたことはなかったのですが、かわいいものですね」
よだれで肩をベトベトにしながら、ウィルフレッド殿下は笑った。
その笑顔を見ていると、私の胸もあたたかくなって、いつのまにか顔がゆるむ。
こんな人の隣にずっといられたらいいのに、と――。
……そうそう、ポーションだった。
驚いた顔のままのウィルフレッド殿下に気づき、私は彷徨っていた意識を引きしめた。
「はい、こちらが完成品です」
手に握っていたものをさしだす。
瓶はポーション用の、底が丸いガラス瓶だが、中の液体はやさしい乳白色だ。ミルクなので。
「たしかに順調とは聞いていましたが……こんなに早くできるとは」
さあ本格的に研究を、と思ったところで完成してしまったのには、わけがある。
これまで研究が完成していなかったのは、ムーミーちゃんのミルクに出る成分が一定にならなかったことが挙げられる。
薬草Aの成分が多く出たり、薬草Bの成分が多く出たり、ムラがあった。これでも治癒力アップの効果はあるが、質がいいとは言えない。
ところがこのゴートヴァン王国にやってきた途端、成分のムラはあれよあれよと改善し、本日、完璧な比率となったのだった。
理由はひとえに、ストレスフリーな環境。
ベインマック王国でも環境には気をつけていたつもりだった。けれど、1日数時間だけの召喚、王宮という気を使う場所、そして人には文句を言っておきながら自分も見せびらかすために魔虎を召喚しまくっていたカール殿下……。
同じ神獣どうしとはいえ肉食獣と草食獣ではやはり緊張が生まれるものだったのだ。
ううっ、ごめんね、ムーミーちゃん……。
「モォ、モオオ〜」
え? トラの野郎がこっちにきたら突進食らわせてやろうと思って構えてた? 向こうのほうがビビってて笑っちゃう?
それよりのびのび昼寝できなかったのがつらかった、と。
……まあ、なんにしろ、ストレスはあったわけだ。
ストレスは質のよいミルクの大敵だ。
ストレスは牛の体調を害し、消化不良を起こし、結果的に食べる餌も少なく、ミルクも少なく成分にムラのあるものになってしまう。
ちなみにこの餌の食べる量や食べっぷりを『食い込み』という。
ゴートヴァン王国にきたムーミーちゃんはこの食い込みが大幅アップ。大量の薬草もぺろりと残さず平らげスッキリ消化できるようになったのだった。
「ただ、ひとつ問題がありまして……」
私はおそるおそるウィルフレッド殿下を見上げた。
感心しきりにポーションを眺めていたウィルフレッド殿下が、表情を曇らせて私を見つめる。
「はい、問題とは……?」
「……そのポーション、効果が通常のポーションの20倍くらいあります」
「え?」
ウィルフレッド殿下が硬直した。もはや手に爆発物でも持っているのかくらいの緊張が表情に走っている。
効果が20倍ということは単純計算で通常のポーションの20倍のお値段になりますもんね。金貨何百枚分なんだろう。
「あまりにも効能が強いので、割って飲んでもらうしかないかと……水で薄めるとおいしくないでしょうし、飲み物に入れるとか、フルーツにかけるとか」
せっかくおいしいミルクでポーションを作ったのに味わってもらえないのは大誤算だ。
私はしょんぼりと肩を落とす。
「人間が作るとどうしても分量が微妙に違ったり煮込む時間や蒸留の過程で品質が落ちていたようなんです。ムーミーちゃんが完璧な消化を行ったことで、逆にそのまままでは飲めないミルクができてしまいました」
原液を飲むと魔力暴走が起きる可能性もある。今後は保管や加工も考えていかなければならない。
一歩進めば次の課題が見える。これが研究の醍醐味だね……。
***
さらなる研究の余地はあるものの、ポーションは完成した。
乳白色のポーションを携え、ウィルフレッド殿下が向かった先は、とある村だった。
先日この村には野生の魔獣が出現し、死者こそ出なかったものの、いまでも治療を受けているけが人が多いそうだ。
村には簡易テントがいくつか張られ、包帯を巻いて横たわっている人々がいた。
痛々しい姿に、私はすぐにポーションを作った。
ムーミーちゃんからとったミルクポーションを、普通の牛乳に混ぜて薄める。ひとまずこれが一番飲みやすいのではということになった。
「さあ、どうぞ」
温めたポーション入りミルクのコップを配る。
兵士の皆さんはポーション激マズの噂を知っていたのだろう、ポーション入りミルクと聞いて眉をひそめていたが、おそるおそる口をつけると、ぱっと顔が輝いた。
「す、すごい回復力だ……! あっという間に傷が治ったぞ!」
「ポーションなのに苦くない! おいしい!?」
「しかもこんなにたくさん……!」
驚きの声がテントのあちこちから聞こえる。
そうでしょう、おいしいでしょう。
ムーミーちゃんのミルクは、少し混ぜるだけでも甘みとコクが増す。
傷つき、疲れ果てた体に必要なのは、ただの回復ではありません。
元気になったという実感。明日への活力。
おいしさは、活力になるのだ。
おいしくて、子どもも飲みやすい。たくさんあって供給も安定、毎朝飲むだけで健康になれる。
これが私の目指すポーションだ。
やがて人々の視線は、ニコニコと効果を眺めていた私に集まった。
「あなたがポーションを?」
「ありがとうございます、聖女様!」
「せ、聖女様ですか?」
思いがけない言葉をかけられ、私はドギマギしてしまった。
「はい。これだけの人数を一気に救うなんて……聖女様です!」
「いえ、そんな……まだまだやるべきことはありますし、私はただの研究者ですよ」
そうは言ったものの、私を呼ぶ「聖女様!」という声は増え、私はすっかり困ってしまう。
「ウィ、ウィルフレッド殿下……」
「皆の気持ちはわかります。ぼくには止められませんね」
隣にいたウィルフレッド殿下に助けを求めるものの、返ってきたのはそんな答え。
ますます焦る私の手を、ウィルフレッド殿下がとった。
まっすぐなまなざしが私を見つめる。
いつのまにか周囲の声は聞こえなくなった。そのかわり、今度は心臓がドキドキとうるさいような……。
「エルフリーデ嬢。本当にありがとう。これからもこの国に留まり、君の研究を続けてほしい」
「こちらこそ、ありがとうございます。殿下が拾ってくださらなければ……ゴートヴァンを訪れなければ、私は研究を進めることができませんでした」
ベインマックでもポーションは完成したかもしれない。でも、もっと長い時間がかかっていたはずだ。
ウィルフレッド殿下も、ポーション完成になくてはならない方なのだ。
「本当は、研究以外でもあなたの隣にいたいんだけど……」
早くなる鼓動の合間に、ウィルフレッド殿下のそんな呟きが聞こえた。
意味を尋ねる前に、殿下はくすりと笑って首を振る。
「今はやめておきます、あなたを困らせたくないから」
まなざしが、やさしいものになって。
ウィルフレッド殿下のまわりの空気がキラキラと輝いているような錯覚にとらわれ、私は目を瞬かせたのだった。
◆
その後もエルフリーデは研究を重ね、生まれたばかりの赤子にも飲めるミルクポーションや、チーズのように固めて保存期間を長くした固形ポーションなど、様々なポーションを開発。医療の発展に尽力した。
また、薬草の知識を持つ彼女の功績は、農業の分野にも及ぶ。
歴史書は彼女を聖女と呼ぶ。
そして聖女の隣には、彼女を見出だした賢王の名も、記されていたとか。
――ちなみに。
深く考えずにエルフリーデを婚約破棄し、結果的に手放してしまったベインマック王国の王太子カールは、
「画期的な研究だったのに!! 機密情報の国外流出ですよ!!」
「『俺は猛虎だ、誰にも頼らない』とか子どもみたいなこと言って人の話を聞かないからそんなことになるんです!!」
「薬草だって、エルフリーデ嬢が一番育てるのがうまかったのに……!!」
と、魔術師団からめちゃくちゃ詰められ、国王からは、
「エルフリーデ嬢を連れ戻すまで王太子の座は預かっておく!!」
と命じられて、やさぐれていたところに、
『エルフリーデ嬢の移住を快く受け入れてくださってありがとう』
とウィルフレッドが大量の最高級ミルクポーションを送りつけてきたので、完全に立つ瀬がなくなってしまったとか。
なお、ベインマック王国に戻ってくるようエルフリーデに懇願したものの、「ムーミーちゃんにはこちらのほうがいい環境なので」と一蹴された。
歴史書には、彼の名前も1行だけ出てくる。残念ながら聖女の妹の名前は出てこない。
お読みいただきありがとうございます!
面白かった!と思っていただけたら、
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