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ミスタートイトロッコ  作者: 滝翔
チャプター7 波に揺られる島
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第82話 推しを見つけたでぇ!!!!


落ち着いた三人は ドタバタで起きてしまったお客様達にお詫びを申し上げ

真夜中にも限らず電気を点けて町の駐在さんを呼んだ 対応は岳斗が


「すまんのぅ…… 寝てたところを呼び立てて」


「では怪しい不審者は黒い森の方へ逃げて行ったと……」


「まぁまずは受け取ってくれや」


玄関先で話す岳斗は駐在さんに現金を渡した


「どうせ森の向こう側にいる奴等とも接触しとんのやろ?」


「あっ…… あぁ…… 大変言い辛いんですが……」


「あぁえぇねんえぇねん!! アイツらの取る行動なんか分かり切っとんやから……

アンタに無理言ってもしゃーないし ただそことは割り切って誘拐未遂が起きたんは事実や

本業として暫く旅館周辺の巡回を強化してくれや?」


「えぇ勿論 それは誰に頼まれずともやらせて貰います!!」


駐在さんに手を振って館内に戻る岳斗 茶の間では三人がお茶を啜って落ち着いてた


「お客さん達は取り敢えず安心してくれたみたいですね……

この時間から出る船なんてありませんし 余所へ移ってもって感じなので留まって貰います」


「それでえぇんやで美祢葉ちゃん 悪いのはあの変な集団なんやからのぉ」


「岳斗さんがいなければ今頃どうなっていたか…… 助けて頂きありがとうございます」


「えぇでえぇで…… しかし本調子なら安斎ちゃんでも十分勝てる相手なんやがなぁ~~」


缶ビールを貰う岳斗は仕事終わりのリラックスタイムに入っていた

何か口から発さなければ緊張状態に押し潰される大将はさっそく彼に聞く


「岳斗さんでしたっけ? ペテ公とは知人なんですか?」


「一蓮托生やでぇ? ワシらは今…… ある大きな事件を追っていてな

安斎ちゃんとは不運にも別行動を取っていたんや

彼の仲間の柴塚ちゃんって従業員がおるんやが その娘から連絡が入ってのぉ……

彼女は安斎ちゃんが死んだと思って酷く元気を無くしておったわぁ……

……せや連絡せんとなぁ 記憶失った安斎ちゃんをどうするかで忘れとったわ」


さっそく岳斗は柴塚に電話


「おぅもしもし柴塚ちゃん!! 所長おったでぇ? 案の定飛翔島で暮らしとったわぁ」


『本当ですか?! 代わって下さい!!』


岳斗はペテ公にスマホを渡すと


「も…… もしもし……」


『一ヶ月以上も何してたんですかぁ?!!! 意識あるなら連絡してこいよ!!!!

こっちがどれだけ心配したか……!!!!

飛翔島に行こうとしても松原さんに危険だから止められて もうどうする事も出来なくて……

それなのにのうのうと離島でバカンスですか?!!! 良いご身分ですね?!!!』


「ちょっと…… この人怖いんですけど……」



「デュヒヒヒヒ……!!」



岳斗はスマホを机に置いてスピーカーにすると


「しかもなぁ柴塚ちゃん……

安斎ちゃんったら若い女と一つ屋根の下におったんやでぇ? スケベやろぉ?」


『…………』


「歳は柴塚ちゃんより少し下やなぁ…… どう思ぅ柴塚チャン????」


『……明日すぐそっちに行きますので所長を縛って動けなくしておいて下さい』


電話は切られてしまった


「記憶喪失のこと一切伝えなかったんですが大丈夫ですか?」


「あれ……? どないやったかのぉ~~……」


初対面にも関わらず三人は 岳斗が楽しんでいることだけは分かった

一応助けて貰った身として彼を信用するペテ公はさっきまでの事に触れる


「あの研究者のことはご存知なんですか? 博士って言ってましたけど?」


「グリーフリー・バンダーライン 記憶移植手術の専門研究家や

ネットで名前調べて出て来るんやが あくまで表向きはただの大学の教授

最近日本の離島にバカンスに来てはバードウォッチングを趣味にしてると聞いとったが……

まさか四ノ海グループと接点があったとはのぉ……」


「四ノ海……??」


ペテ公に頭痛が走る


「おぉすまんかったのぉ この話は安斎ちゃんの記憶が戻ってからでえぇな」


「……よし!! じゃぁ今日はもう寝るか!! 岳斗さんが一晩見張ってくれるって言うし!!」


「デュヒヒ!! 任せたれぇ!!」


散らかった布団を整えて再び就寝する三人

食堂に行こうとする岳斗を美祢葉が引き留めた


「何故私とペテちゃんが狙われたんでしょう?」


「さぁのぉ…… 安斎ちゃんは記憶喪失やから色々と調べたかったのかもしれへんな」


「……私 心臓移植したんですけど?」


「あぁ良く聞く移植した臓器には持ち主の記憶が残るって奴かいな……

そりゃぁグリーフリーにとっては研究の対象やろうなぁ

まぁワシがおる限り危険な目には遭わせん グッスリ眠りぃや~~」




8月14日


それから何事も無く朝を迎え

三人が朝食の準備に入る頃には食堂の端で岳斗は寝ていた

しかし油断し始めた昼頃 事件は起きてしまった

宿泊客の息子さん 讃岐泰鳥が突如姿を消したのである

父親のメールに書き置きを残していて



『黒い森に行って来ます お母さんはそこにいると思う』



「黒い森って……」


「探しに行きましょう讃岐さん!!」


ペテ公が支度を調えて旅館の外へ

しかし美祢葉と大将に引き留められる


「あそこは立ち入り禁止なんだよ? 本当に行くの?」


「やめとけペテ!! あそこは不気味でどんな野郎がいるのかも分からねぇんだ」



「……まだ黒い森に入ったとは限りません

せめて周辺を探してみるよう 近隣の方に協力をお願いします」



周りの制止を聞かずに突っ走る姿 それを見てペテ公と並走する岳斗は喜んでいた


「何や記憶戻ったんとちゃうか安斎ちゃん?」


「残念ながらこれっぽっちもです……

でも取り返しが付かなくなる前にと思ったら居ても立ってもいられなくて」


「……安心せい 安斎ちゃんのことはワシが死んでも守っちゃる」



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