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ミスタートイトロッコ  作者: 滝翔
チャプター6 DO OVER 
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第76話 気の利く瞬発行動


安斎達は倉庫二階の事務所にいた

数人の従業員達を再起不能にさせて鍵箱を漁っている


「ありました鍵!!」


「何故判る?」


「名前が振られてます!! コンテナの中の檻のマスターキーです」


「よし行くぞ!!」


鉄製の階段を悠長に降りている暇は無い 多少音を鳴らしても二人は急いだが


「あんざ~~い♡」


「はっ?!」


突如横の通路から飛び込んでくる男は安斎に突撃し そのまま一階へと落ちていく

下はたまたま空き段ボールが山積みになっており クッション代わりになった


「あぁクソぉ…… っ…… お前は……」


「何処にいたんだよぅ安斎~~ アニキは心配してたんだぞぉ??」


「フレバー・ホープ……!!」


ここの倉庫を管理する五人組監督官として雇われているフレバー

そして彼一人ではなく ぞろぞろと三十を超える監督官達が集結していた


「ハァハァ…… 久留美ぃ!! 先に行け!! 売られる人間一人でも警察に突き出せば勝ちだ!!」


「所長一人で大丈夫ですか?!」


「そっちの方が動きやすい…… 頼んだぞ!!」


柴塚は別ルートで二階の通路を走る


「俺はお前を評価してたんだぞぉ安斎~~ 裏切り者はお仕置きだ♡」


「最近負け続けなんだ…… そろそろ俺も汚名返上させて貰う!!」


監督官達はそれぞれ武器を持って安斎に襲い掛かる

空箱を蹴り上げてフレバーに当てると 彼はトラックの荷台に乗り込んだ


「おいおいかくれんぼかよ~~」


数人が続いてトラックの荷台に顔を覘かせれば 順番に鉄パイプの先がその顔面を突かれた


「ぐあぁ~~!! 目がぁ!!!!」


後続はその場で立ち往生 しかし安斎は荷台から飛び出し

油断している人間から殴り始めた


「三十人相手なんだ…… 手段なんか選ばねぇぞ?」


「このぉ…… ブチ殺してやらぁ!!!!」


一人の監督官の突きは不作法で安斎は簡単に避けれる

後方よりの不意打ちも受け止め 絡まりつく監督官達は暗さ故に同士討ちを成功させた

敵側が応援を呼ばないのがせめてもの救い 一人相手にそんな醜態は晒せないのだろう

裏社会で縦割りのメンツを重んじる精神は安斎にとっては有り難い


気が付けば半数以下になっており

フレバーを始め 監督官達にも焦りが見え始めた


「こいつ…… 強ぇ……」


「馬鹿野郎安斎…… 大人しく捕まれば俺がお前を守ってやったのによぉ……」



「ハァハァ…… それはアンタのお仕置きを終わった後の話か?」



唐突にエンジンが掛かる 先程乗ったトラックが動き出し

安斎目掛けて暴走し始めたではないか


「死ねぇぇぇぇ!!!!」


スレスレで回避する安斎とは別に 他の監督官達は巻き添え事故に遭ってしまった

そのトラックも壁に激突し 運転手は再起不能 残ったのはフレバーと数人だけとなる


「馬鹿な監督官もあとでお仕置きだな……」


「さすがに応援を呼んだ方が良いよなぁ?!」


監督官数人がその場から逃げようとした時 その四・五人をフレバーが気絶させる


「お前…… 何やってんだ……?」


「秘密の関係ってのは…… 他者に知られないから燃えるんだよ なぁ安斎♡」


「……見逃してはくれねぇんだよな?」


「俺は待てるだけ待ったんだ…… もうジーパンが悲鳴を上げてる……

この暴発した欲情をお前で解消させてくれよ安斎♡♡♡♡!!!!♡♡♡♡」


「俺にそんな趣味はねぇよ……」


正気では無いフレバーは顔を上に向けて狂い始めた

まるで三次会後の酔っ払いの如く その歩行は予測が付かない


「良いだろうぉ…… マイダーリン♪ マイダーリン♪」


「急いでんだよぉ!!!!」


安斎の上段蹴りは彼の喉元に炸裂する しかし後ろに蹌踉ける素振りも見せずに

自分の両腕を掴んで空のコンテナに押し付けられた


「ハァハァハァハァハァ♡ 戴きます♡」


「こんのぉ……」


迫り来る唇を 左右に必死に回避するまさに絶体絶命のピンチ

腕を握る力は女々しいフレバーの口調とは真逆だった


「アニキの一撃必殺に悶え苦しめ♡♡♡♡ 〝兄貴接吻アニサキス〟!!!!」


頭を後ろに振りかぶり 勢い任せのフレバーの唇は安斎の唇に迫ったが

すんでの所で頭を下げて 彼の唇はコンテナと誓いを交わし合う

勝機を逃さない安斎はその下から 股間目掛けて蹴り上げた


「ハゥ……♡」


フレバーは股を押さえてその場に蹲る


「ハァハァハァハァ!!!! ……強敵だった」


安斎は柴塚を追った 残されたフレバーは悶え苦しみながらも

その表情は性の喜びを知った淑女の如く 刺激という一線を越えて感じ得る多幸感


ーーこれが…… リバーシブル♡ 安斎め…… 攻めが良かったなら事前に言ってくれよ♡




一方波止場では最後のコンテナが運ばれようとしていた


「よぉし…… 全員出港準備だ!!」


安久谷の一声で船が唸り声を上げる 残る者と旅立つ者の違う動きは

船上にいる泉太郎達から一望でき その無駄の無い動きは美しいという所感が漏れ出る


「待てや安久谷ぁ!!!!」


一際響き渡る安斎の声 泉太郎達も思わず彼に見入ってしまっていた

隣にいる芽神だけはちょっと嬉しそうに注目している


「大した執念だよお前も……」


「お前だけは…… ハァハァ…… お前だけは逃がさねぇ……!!!!」


「おぉ怖…… そんなにこの場で注目浴びることが得する事かねぇ?

お前…… もう生きてあの女の子のもとに帰れねぇぞ?」


「……ハハ!!」


「……女?」


安久谷は辺りを見回した


「おいコンテナ調べろ!!」


袴田が開いたコンテナの中の檻の中の商品を確認する


「……開いてる っ…… 一人いません!!」


「安斎…… テメェ……!!」



「一瞬でも気を逸らせば済む話 そんだけのことだ」



安斎の必要以上の安久谷へ向けた怒声は

檻の中に居る人間一人を連れ出す柴塚の為の 軽い陽動だったのだ



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